表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その手に掴むは夢現~よさこい~  作者: おどるんや
2/2

正木 京介


 時刻は午前5時ジャスト。

 薄暗い部屋の中、リズミカルなラッパ音が鳴り響くスマホのアラームを止め、布団という魔道具より体を起こし、床に畳んでおいたトレーニングウェアに着替えドアを出る。

 ひんやりと冷え切った外の空気を体で感じながら軽くストレッチを行い、アスファルトで塗装された歩道をゆっくりと走り出した。

 徐々に体が火照り、ウォーミングアップが完了した体に緩急を付けながらランニングを始めること1時間。ようやく自分の部屋に戻ってきたころには体の細胞が活発になっていることを感じながら、筋トレ器具で日課のトレーニングを始める。


 「今日もいい感じだ」


 日常のルーチンワークを熟し姿見の前で自分の肉体を確認しながら満足感に浸っている俺こと正木京介(まさききょうすけ)は今日も相変わらずな一日の始まりを全身で実感していた。


 真新しく白く清潔感のある壁紙に最低限の必要品のみ設置されたワンルーム。

 最近引っ越してきたばかりの愛しのマイルーム。

 自分だけの空間。誰にも邪魔されない空間。存分に素でいわれる空間。

 ここは天国だ。

 そんな日常に感激しながら、いつものように防寒着に着替え直した俺は、インスタントコーヒーとブロック状の栄養食品を身体に補充し、今日も変わらない一言で部屋を出る


「いってきま~す」


まっ、独り暮らしだから返事なんてないんだけどね。




正木 京介

年齢 20歳


趣味 アウトドア全般とバイク


隠れ趣味 ゲーム、マンガ、アニメ、ライトノベル全般


職業 フォークリフト乗り、アルバイト


黒髪のソフモヒベッカムヘアーに身長172センチと平均的。


ごく普通な見た目なのだが、脱ぐとすごい。ライザッ●並の筋肉質で体脂肪率一桁台だが中身はオタク。


外見と中身が見事にアンバランスな人間である。


さらに、高校時代は『ちょい悪な俺ってカッコいい』という男子なら誰しもが描く世界観を素でいっていたせいで、ほぼ周りからはアニメやマンガ、ライトノベルを熱く語れるような友人はいなかった。


 入学当初は


 「俺の妹がこんなに●●なわけがない!」


 と直球ど真ん中にボールを投げたところ


 「お前、妹いないだろ?(笑)」


 なんて暴投が返って来たり


 「エ●マンガ先生って面白いらしいで!」


 って勇気を振り絞って宣伝してみたところ


 「いや、マンガより現実の方がいいに決まってるやん(力説)」


 「で、ですよね~(泣)」


 みたいな会話になってしまうというコントを繰り広げていた。

 さらに先輩によいしょよいしょされノリで不良の溜り場のようなラグビー部に入部し、大好きなアニメやマンガの話がこれっぽっちも飛び交わない荒れた荒野のようなフィールド上で相手を全力で叩きのめすことに青春を注ぎ込んだ挙句、県大会優勝という輝かしい栄光までいただいてしまうという始末。

 自分の理想の学園生活とは全力で逆走コースを突っ走ってしまった自分のちょい悪憧れが妬ましい。


 それでも、多趣味なうえに友人もそこそこ多かった為、高校生活はそれなりに楽しむことができた。


 ちなみに、母校は公立の進学校だった為、当然ほとんどが大学、短大、専門学校への受験を選ぶ中、俺が選んだのは、何ともスペシャルな職業。カッコいい制服を着ることができ、衣食住はタダで年二回のボーナス有り、さらに、身1つだけで大丈夫。みんな未経験者からのスタートだから安心。しかも特別国家公務員というスゴい称号を得ることができ、一般人では、絶対に体験出来ない(無許可で体験しちゃうと次の日のテレビで一躍有名人)銃をぶっ放すことが出来てしまうという職業だ。


 ここまで説明すれば分かるだろう!そう、俺が選んだ職業は


 『陸上自衛隊』だ!!!!


 なぜ陸上??と思う人もいるかと思うが、俺は泳げないから海では落ちたら即死亡。空は機械的な頭と視力が良くないということで無理。

 となると、無駄に頭を使わずに海で溺れることもなく体力自慢な俺には陸しか残らなかったのである。


 余談だが、学校の先生方からはメチャクチャ反対された。


「どーしてッスカ??」


 と質問すると


「卒業生の就職進学欄に、未だかつて無い職種欄ができちまうからだよ!」


 とのことだった。

 つまり『自衛隊入隊1名って進学校にあるまじき黒歴史が経歴として永遠に刻まれるから勘弁してください。お願いします』ということらしい。まっ、全力で拒否したけどね。


 そして、試験と面接に合格し陸上自衛隊。規則正しく6時起床(ラッパ音が流れる)→ランニング→腕立て→朝飯→腕立て→穴堀り、射撃、徒手格闘→腕立て→昼飯→腕立て→地雷敷設撤去、蛇腹鉄条網敷設撤去、穴埋め、行軍、斥候訓練、山中訓練中ect→夕方5時作業終了(もちろんラッパ音が流れる)→腕立て→晩飯→腕立て→洗濯、裁縫、掃除、ベットメイク、靴磨き、アイロン→腕立て→夜10時就寝。という腕立てにやたらと愛される健康健全な生活を2年間過ごした後、任期満了ということで、駐屯地という監獄を出所し今は晴れて夢の独り暮らし継続中のフォークリフト運転マン&アルバイト生活に至るということだ。

 ちなみに、自衛隊行くと料理以外の女子力スキルマスターになれる。なぜなら、自分のことはすべて自分でやらなければならず、ちょっとでも手を抜くと地獄の腕立て(仲良し連帯責任でお仲間も一緒に楽しもう)コースか、部屋の中に突然の嵐が発生しゴミ屋敷化コースを経験したあと


 「おまえのせいで!」


 という視線と言葉の嵐にさらされてしまうからだ。


 貴重な10代後半をヤロウばかりで過ごし、おっと女性自衛官もいたことはいたよ。ただ、うん、やっぱり環境が人を変えてしまうんだろう。入隊当初は普通の女の子でしたとも!ただ、日に日にたくましくなっていく彼女達とは最終的に同性という感情しか沸かなくなった。精神的にも言葉遣い的にもね。人間変わろうと思えば変われるものなんだなって悲しい意味で経験させられましたとさ。めでたしめでたし。

 とまぁそんな感じに生きて来た俺は、今日も早朝から仕事場に向かう為、相棒のバイク ゼファー(ZⅡ仕様)のエンジンを吹かし、」颯爽と駆け出すのだった。

 季節は真冬。


 早朝の通勤はバイク好きな俺でも辛い!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回は主人公のあらすじ的な感じで投稿してみました。

コメント、メッセあれば宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ