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元女の転生記録  作者: 狗寂
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8話【囲まれる前に登録したい】

順調に村の改善をしていきこの村も当初と比べてだいぶ良くなった。

ポンプは村に来た商人の目にも留まり村の所有レシピという扱いの元そのレシピを元に作り売った金の一部が村に入るようになった。

最初は私に入ることになってたが私はただ村の為にと(村をでても文句を言われたくないので)村共有のものとして村長に渡した。

両親にもその事は報告済だ。二人に少しでも村が良くなればと遠回しに説得したら素直な両親はなんて優しい子だ!!と感激して褒めてくれた。

畳も冬はどうしても底冷えするので村の外で鳥系のモンスターを狩って羽毛を集めようとしたら綿が生えてたしかも前世の綿よりデカイ。人の顔ほどある。植物ごと村に持ち込み試しに畑の一部で育成してその間に綿を糸にすべく綿繰り機(わたくりき)を作り種と糸を分け、綿をほぐし糸車を作って糸を作る。最初は手で紡いでいたけど時間が食うし慣れないうちは糸の大きさがまばらになり大変だった。

その糸を機織り機で織る。

この機織り機はよく教科書で見られる大きい機織り機ではなくホームセンターなどで見かける卓上機織り機で布をつくりその布を縫い合わせてその中に羽毛を入れて作った。

そのふわふわで優しい手触りとぬくぬくな心地よさはポンプ同様村全土で話題となり私が持ち帰った綿は村で栽培することが決定した。

それと同時に私はみんなに催促され布団の量産を強いられた。

なんとか冬に間に合い元々食糧は私の魔法などで貯蓄は十分ありついでにほかの家の壁などの補修もやってあげた甲斐あって誰も死ぬことなく冬は越せた。

冬はほぼ家にこもりきりだったので機織り機で布を生成。母さんもやりたそうにうずうずしてたので足踏み式の大きい機織り機を作って見せたら私よりハマった。

ちょこちょこ外から採ってきた植物で染めてみた糸も使い模様など入れて見せたらキュピーンと母さんの目が光り自分好みの織物を作り上げてしまった。

色は今のところ植物の葉っぱから緑系に赤い木の実や黄色い花などで作られる赤系黄色系しか染められなかった。

青系に使えそうな物は見当たらなかった。藍染の原料である蓼藍(たであい)みたいな植物があればよかったのに・・・


けどそれでも色のバリエーションが増えて女性陣は思い思いの布を織り服などにしてオシャレを楽しんだ。それに加えて商人にも目に留まりこの村特産の品としてバカ売れした。

あえて白いまま織った布をヒモや石を包んだりした状態で染めればこの世でただ一つだけの模様が誕生する。

同じものは無いとして特にそういって言葉が弱い女性筆頭や王都では貴族までもが争奪戦になってるらしい。

ポンプといい植物の綿から採れた糸で作った草木染めの布はこの領地の特産として価値が高くなってるとの事。それに加えて私が育てた野菜はこの領主に大層絶賛されるほど。

うーん、ポンプや綿はいいとして食材は私の魔力の質のおかげなだけあって私がいなくなれば元の野菜の味になるんだよね。

その事が領主の耳に入れば余計この村から出て行けなさそう。

これは今まで以上に商人に口止めしなければ!!そしてささっさと出ていこう。大丈夫、里帰りは一応考えてるから!



あ、肝心のおトイレだけど水栓式なんて出来るはずもなくアカシックレコードで検索してバイオトイレにしてみました。オカクズを入れて定期的に混ぜて肥料にすれば匂いや虫もなく村の肥料としても使えるという優れもの。

村の人も匂いがなくなったなど嬉しそうに話す。やっぱり臭かったよね、みんなよく我慢できてたよね。

それと村の作物の少なさの原因が追肥などしないという初歩的な原因だった。

しかも同じ場所で毎年植えるから余計に土に栄養がなくなりますます不作になるという悪循環が生まれさらにそこに自然災害やモンスター、山賊の強襲が来れば飢餓が来る。

そんなことが起きないように村の周りの壁を原木を使い強化し今回の肥料を使い土に栄養を取らせる。

このバイオトイレもすぐ商人に広められますますこの村が有名になりつつある。


「僕、早く冒険者になりたい」

「いやいや、ディア君もうちょっと、もうちょっとね?ほら、何事にも準備が肝心だよ?もう少し大きくなってからでもいいと思うんだそれに15歳になってからじぁないと冒険者になれないんだよ?」

「父さんが11歳歳から見習いでもできるって、基本的には15歳からだけど例外もあるって言ってた」

「あああーー!!!もうなんで言ったんだよ!!」


目の前でうなりをあげているこの男性は村に来ていた商人のジークさん。

私がチートする前からこの村に寄ってくれて塩などの貴重品を持ってきてくれている。

私がポンポン作ったポンプや綿の糸、布などを目にして速攻村長に問い詰めた挙句私たち家族にその日お邪魔して土下座で売らせてくださいとダイナミック行動を起こした強者でもある。


様々なヒット商品を生み出す私をさながら金を生む鶏のように毎回来るたびにお土産など渡したりなにかと可愛がってくれてる。

そんな私が冒険者になればここを出ていくのはもちろんもっと遠くの地方に行く可能性も出てきてしまうのでせっかくの飯のタネを手放したくないジークさんはいかに冒険者が危険な職業なのかとか外にはもっと怖いモンスターが潜んでいるなど本当の話をかなり大げさに話してくる。

何もしらない幼い子供なら信じてただろうけど生憎様生まれた年齢+前世の年齢=精神年齢の私には通用しない。


「僕11歳過ぎたしいいと思うんだけど」

「うーん、そうだなぁ」

「まだ早いって、アルクもナディも考え直してくれよ」

「でもこの子魔法も剣術も凄い上達しちゃったのよね」

「外のモンスターも一人で狩るほど上達してるしな」

「くっ・・あんなに前まで俺と一緒に止めていたのに・・・」


悔しがるジークさんはほっといて父さんたちに上目遣いで見つめる。

成長して少しづつ美少女から中性的になってきたが愛らしい顔立ちから美しく成長しているので誘拐の危険も多いになるのだがチートという名の物理で返り討ちにできるほど魔法の操作も上達し剣術や体術、体作りは元冒険者の父さんから手ほどきを受けみるみる急成長。

そんな実力を見た両親はさすがにこの村内にとどめようと思わなくなった。

ひたすら努力し続けた息子に村の為に残れとは言えない。村の為に数多く便利な道具を無償で村の特産にし、レシピまで渡してくれたのだ。

それだけでも十分村に貢献してくれた。そんな息子の願いを聞かない親がどこにいるというのか。


「それじゃあ明後日ギルドにいってみるか。そこで見習い試験を受けさせてやろう」

「本当!!」

「ええー」

「諦めなさいジーク。この子は冒険者になるため頑張ってきたのよ?」

「うう・・せっかくの逸材が・・金を生む才能が・・」


落ち込むジークさんを横目に父さんから簡単に冒険者ギルドがある町について教えてもらった。

馬で3日ほど走らせた場所にあるらしい。車もないし結構時間かかるんだなって思いつつ持っていく物を教えてもらい明日までに用意するよう言われた。

私の場合重たい物やかさばりやすい物は『ボックス』に入れとけばいい。

ついでに外で採ってきた食材も入れたままだしリュックに入れるもを選別する方が難しい。手ぶらなのも目立つし『ボックス』の存在を知られる前にギルドに登録すればちょっかいは受けずらいとの事。

なので登録前はリュックなどのダミーを背負い登録後は公の場での『ボックス』解禁するという父さんの言葉を聞き素直にダミーに入れるものを厳選している。

とりあえず掛け布団ほどの大きさの布は持っててもおかしくないよね?

それと自分が使っている木材の食器は・・・明日使ったら洗って入れとこう。

あ、父さんにもらったナイフは『ボックス』から出しておこう。


「ディア、そろそろ寝なさいよ」

「う、うん・・・もうちょっと」

「ふふ、明日までに終えれば大丈夫よ。そんなに焦らなくても普段使ってるものを必要最低限もっていけばいいのよ?」

「そうなんだけど・・重たいのは『ボックス』に入れちゃったからこの中に何入れようか迷ってるんだ」

「あら・・・そうねぇ、あなたにはその魔法があるんだったわね。ちょっと中見せなさい・・・・って、布しか入ってないじゃない!」

「えへへ」

「もう・・・便利な魔法も使いようね」


呆れた目線を送ってくるのを笑いでごまかす。

そんな私にため息を吐いた後テキパキ物を詰め込んでくれた。

食器は明日入れなさいと言われた。

ぎっちりつめられたリュックは先ほどとは見違えるほどパンパンだった。


あ、ランタンとか確かに必要か。魔法で明かりを出す人なんて早々にいないもんね。それと油が入ってある容器に水袋などなど思いつかなかったな。

でも食料など重い物は『ボックス』に入ってるから普通の人よりかは荷物の重さのデメリットがない分体が楽なんだよ。と母さんは言った。

たしかに馬に乗ってようが食料も含めて考えると重いしかさばるよね。いや~魔法チートさまさまですわ(ニッコリ)


魔法つかえなければこれ以上に重たい荷物背負っていかなければいけないなんてしかも冷蔵庫といった保存できる道具もないので干し肉などの非常食のようなものしか食べれない。

水も生ぬるい常温水オンリー。碌に睡眠もとれないと母さんに教えてもらった。

・・・『ボックス』に予備の畳やハンモックを作っておこうかな?








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