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元女の転生記録  作者: 狗寂
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3話【辺境の村で水魔法3】

次の朝。例のトウモロコシを食べた後、父さんは野菜を数個もって村長の家に寄った。

いきなり朝いちで小麦畑の一角を貸してくれと言ってきた父さんにいきなりどうしたんだ?と疑わしい目を向けた村長だったが持ってきた野菜を目にすると驚いて父さんの話を聞いた。

水魔法を使い畑に水を撒けるほどの魔力を持って尚且つその水を浴びた野菜が元気になりぐんぐん成長するなど夢のような話だが現に立派ば野菜を見せられては本当の事だとしか思えまい。

しかも事実なら痩せている小麦を元気にしてくれるであろう期待が高鳴る。だが自分の目で見たわけではないので本当にできるのか?という疑問がないわけではない。

村長はとりあえず一角を貸し、経過を見ることにした。



「かーか、ここにまけばいいの?」

「ええ、大丈夫?」

「うん!がんばる!」


野菜畑の後小麦畑の方に来た。野菜畑の方は昨日あんなに採ったのにも関わらずたわわに実ってた。その実りっぷりにあれ?昨日採ったわよね?と首を傾げたが採った跡があるので間違いないのだが一晩でこんなに実るとは・・・魔法の力ってすげー(白目)

さっそく魔法でその一角に水撒きをする。畑の時と同じ成長魔法入りで、様子を見に来た村長はあっという間に水撒きが終わったのを見て今朝の話が本当だったのか!と私を見る。


「ほう!あっという間じゃないか!」

「かーか、これでいい?」

「ええ、ありがとうディア。体はどこも悪くない?」

「うん!だいじょうぶだよ!」

「なんと、これほど魔法を使っても平気なのか!」

「私もアルクも魔力はぜんぜんないのに・・不思議だわ」

「ふむ、先祖返りかのぉ。しかし、これは助かるわい」


水瓶でわざわざ井戸から水を汲んでここまで運んでの繰り返しという重労働は辛い。それを子供一人の力であっという間に終わるのだから村長から思えば村人の労働が他に移せられるからありがたい事だろう。


「ぼくもっとかーかたちのてつだいしたい!」(僕もっとかーか達の手伝いしたい!)

「まあ、十分手伝ってくれてるじゃない!」

「ふむふむ、同じ年子でもうちのじゃじゃ娘とは偉い違いじゃのう」

「遊んでもいいのよ?」

「うーん、でもけでぃたちいつもおんなみたいなくせにっていうの」(うーん、でもケディたちいつも女みたいなくせにって言うの)


ちなみにケディとはこの村にいる同い年の子で元気いっぱいのガキ大将だ。同い年ぐらいの男の子達はほぼケディのグループに入っている。そしてなにかと私に突っかかってくる。

はいはいガキトーク、ガキトーク。とスルーしているし今のところ実害はない。


「あー、ディアルクはまっことそこいらの娘たちより綺麗じゃからのう」

「我が子ながらエルフのように綺麗な顔立ちだけど・・・男の子なのよねぇ」

「うむ、娘なら男どもがほっておかんじゃろう!」

「ぼくおとこだよ?」

「がははっ!お前さんが大人になったらどうなるかのう?」

「とーさ(父さん)みたいにおっきくなったらぼうけんしゃになる!」

「ふふ、魔法も使えるしもしかしたら父さんより立派な冒険者になりそうね」

「ほんと?」

「ええ、がんばって強くならないといけないけどね」

「がんばる!」


冒険者になれば様々な場所に行きやすいし一種の身分証明にもなる。

父さんに憧れて冒険者や兵士などになりたいとかは子供が良く言う言葉なので母さんはあんまり本気にはしてなさそうだ。

今のうちに冒険者になる特訓と称して魔法をガンガン使ってみるのもいいかもしれない。

上手くいけば外に採取ぐらいは許してくれるかもしれない。

でもその前に肉体作りも視野に入れなければ。まったくやることが多いなぁ。


その夜母さんから冒険者うんぬの話を聞いた父さんに号泣されながら抱きしめ撫でられた。

「ほんっっとうにお前ってやつわぁあ!」

「とーさ、いたいって」

「もう、鼻水でてますよ・・・ほら、そんなにガシガシ撫でてディアが痛がってるでしょ!」

「もっとまほうつかえたらとーさといっしょにそとでかりにいく!」(もっと魔法使えたらとーさと一緒に外で狩に行く!)

「おお、そうか、そうか!でも魔法だけじゃなくてもっと大きくならないとまだ外は無理だぞ?」

「えー」

「ははは!森は危険だからな!大きくなって父さんみたいに強くなればいけるさ!」

「うー、がんばるもん!」

「んじゃ、いっぱい食べていっぱい遊んで、魔法もがんばれよ!」

「うん!」



ま、3歳児を魔法が使えるからと言って外に出すような親じゃないし、気長に村内でやれることをしますか。

けど畑以外でなにかあるかな?

森に入れれば植物を鑑定できたり使えるものを見つけられるけど、現状行動範囲が狭くてできることが限られてくる。

畑以外といえば麦わらの籠などの細工物か。こりゃ前世の世界の知識を併用して村内鑑定しまくって使えそうなの探すしかないのかな?あんまり村人の仕事を奪う訳にもいかないし。

あ~、早く大きくなりたい!






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