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元女の転生記録  作者: 狗寂
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2話【辺境の村で水魔法2】


水魔法を両親に見せてから私は父親が留守の間母親と畑に行き水やりに参加させてもらった。

しかも私の水をかけた野菜はかけてない野菜と比べて一目瞭然なほど茎も太く元気いっぱいなのが見てわかるほどだ。


「おお!なんて立派な!」

「見て!あそこ、もう実をつけてるわ!!」

「かーか!おやさいげんきなの!」

「え、ええ・・そうね。ディア、本当にどこも痛くない?」

「うん!だいじょうぶ!!」

「なんと!これほど水を出せるほど魔力があるのか!」

「この水なんて美味しいの!」


村人の人も美味しいと大絶賛してくれるのでほいほいお水を出すも「ありがとう、でも大丈夫?気持ち悪くなったらすぐいいなさいよ?」とここの村人たちはみんないい人で良かった。

それにしても液肥料みたいな水に飲んでも大丈夫なのか今更ながら心配する。おいしいから下手なスープより味覚が満たされるから気にしない方向にした。

けどこれに神様からもらった事前知識によれば地属性派生の木の成長魔法を加えれば数日で収穫できるんじゃね?

キラーン、閃きましたわ。全属性高品質である私のチートならただの野菜も品種改良された現代野菜のように美味しくなれるんじゃね?


そして私が水やりを続けて数日後、あっという間に収穫できてしまい。試しに摘んだトウモロコシだが村人たちが今まで見たことないほど大きく、粒も一粒一粒大きく揃っており茹でて一かじりしたら


「あ、甘い!!」

「なんで!!トウモロコシなのにこんなに甘いの!!」

「おいしーの!」


これが大正解。茹でただけでも甘く美味しいトウモロコシに!しかも豊作という嬉しいおまけつき。トウモロコシがこんなにおいしいならきっと他の野菜たちも美味しいに違いない!けどさすがに食いきれないので自分達家族の分を除いてあとは村の人たちにおすそ分けした。

みんな凄く嬉しそうにお礼をいって持って行った。

私たちも大量の野菜を持って家に帰った。

そして母さんが野菜と私の水を使って野菜具沢山のスープを作ってくれた。

いい匂いが家中に流れ涎を何度もゴクリと飲んだことか。

でも父さんが帰ってからじゃないとこのおいしそうなスープはありつけない。


「う~」

「ふふ、日も傾いてるしもう少しで帰ってくるわよ」


唸って机にかじりついている私を励ますように言う。確かにこの世界には外灯など便利なものはないあるとしても国の中枢や貴族街あたりらしい。けどほぼ松明といったものや兵士が見回りでつけるランタン程度の光が夜を照らす程度で現代の明るさを考えるとなんとも心もとない。

この辺境の土地では朝日と共におき日が落ちると寝るという早寝早起き思考で。一応ランタンも持っいていくが蝋はこの世界でも高価なものなので滅多に使わない。

なので日が落ちる前に村に入らないと森で迷う羽目になるので男たちは日が傾け始めたらすぐ村に帰るようにしている。

現在太陽は傾き少しずつオレンジ色に輝き始めてきてるのでもう少しで帰ってくることであろう。しかしこの世界では1日2食。基本3食だった私にとってはつらい、父さんはよ、はよ!

椅子に座って待っている事数時間、外から男たちの声が聞こえた。ようやっと帰ってきたらしい。


「今帰った・・・なんだこの匂いは」

「おかえり~!!!」

「うおっ!ディアか、ただいま。いい子にしてたか?」

「うん!あのね?おてついだいもいっぱいしたよ!おやさいできたの!」

「んん??」

「ふふ、すぐわかるわ、いまご飯用意するわ」

「ぼくもやる!」


充満するいい匂いに?を飛ばす父さんに母と二人でニコニコしながらご飯の準備する。

木のお椀にはいった具沢山の野菜にさらに首をかしげる。


「なあ、たしかコレはもう少したってから収穫とか言ってなかったか?」

「ええ、そのはずなんだけど・・ディアの水魔法をかけた野菜がぐんぐん育っちゃってあっという間に収穫できるほどになっちゃったのよ」

「はあ?そんなことがあるのか!け、けどディアは何ともないか?」

「うん!あのね?みんなおいしいっていうの!」


魔力も制限なく使えるがそんなこと両親が知るはずもなく仕切りに心配してくる。その温かい心が少しばかりくつぐったい。


「そうか、ディアはいい子だなぁ!!」

そういって大きな手のひらでガシガシと荒っぽくなでる父さんに思わずにへーと顔がニヤけてしまう。


「さて、せっかくのディアたちの頑張りが冷める前にいただくか・・・・ん!!」

口に広がる野菜本来の甘味、うま味がスープに溶け、スープだけでもこの満たさる感覚はなんだ!!

さらにうま味が溶け出たと思った野菜も噛めば噛むほどその汁を吸ってさらにそのうま味が口全体に広がりゴクリ、ごくりと飲み込むほど心と胃が満たされてくのが分かる。


「う、うめぇ!!」

「まあ!!こんなに味が変わるなんて!」

「おいしーの!」


塩が混ぜ物が多い岩塩なのが気にくわないがそれでもいつも食べている料理とは天と地の差がある。

同じ野菜でも私の植物成長水魔法(水魔法に少し成長魔法を加えた)を加えた野菜と水で作るとこんなにも違うなんて驚きである。


「いつも美味しい飯がさらに美味しくなるとは・・」

「本当、ディアには最近驚かされてばっかりだわ」

「えへへ~」

「けどこんなに野菜に影響があるなら小麦も試しにやってみる価値があるか?」

「そうねぇ、年々痩せてきてるしあの様子じゃ今年の冬はまた餓死者が増えそうって言ってたわ」

「うーん、明日村長に聞いてみて試しに小麦畑の一角をやって見せるか?」

「・・・ねぇ、ディア、明日もう少しお水撒けるかしら?」

「うん!だいじょうぶだよ!」


餓死者というワードを聞いてさすがに断れない。それに少しでも魔法に慣れておきたいのでこの誘いはありがたい。


「よし、んじゃ明日の朝村長に言ってみる」

「あ、なら野菜も持って行く?まだあるからそれを持って聞いてみた方がいいわ」

「なに?まだあるのか!」

「ええ、凄く実がついてて私たちだけじゃ食べきれないから食べられる程度の分以外はあげたのよ」

「そんなにか、それほどなら村長もきっと貸してくれるだろうよ」

「ぼくもがんばる!」

「おう!期待してるぜ!」

「ふふ、でもその前にさっさと食べましょ?冷めますよ」

「おっといけねぇ!」

「はーい!」


慌ててスープを食べる。少し冷めてしまったがそれでも美味しい。まだ野菜と水を変えた程度でこの激変だがまだまだ改善する事が山ほどある。しかし今は少しずつ、広げていこう。

こちとらまだ3歳、親の目の範囲しか行動できない。あせらずゆっくりやっていけばいい。

けどできれば外で綿の代用品などが欲しいしこの家の環境をもう少し良くしたいな。


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