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大切な君。 想えない私。

真…こんな性格の奴 そうそういませんょね…、、、、私の周りには いるんですょ(*_*)

「あー…あった あった」

昼休み

ノートを取りに来た私。

ノートをみつめ

滝中のいる5組に向かう。

「滝中…いる?」

「うん。いるょ

滝中ー」

滝中は、やや距離をおいて近付く。

「何…」

「テストの順位。

結局どうだったのかなーって思って」

「ふーん」

嘘。

なんか会いたかったの。

今、真に会いたくないから、そう思うだけかもしれない。

ううん。

きっと そう。

「いつも通り。2けた上位」

「すごっ」

学年人数240人の中。

2けた上位は、決してラクじゃない。

キーンコーン

「あ」

「じゃあな」

「…」

私は、それから

ずっと滝中のトコロに行っている。

滝中といると真のコト忘れられる。

そして、

芽生と敬悟のコトを忘れられた。

もう2人のコトを考える事はなかった。

だけど

真を忘れるコトが出来ない。

滝中と離れるとすぐ真。

真との距離が広がる程に広く深く想う。

楽しい日々で埋め尽くそうとあがく。

叫ずむ想いが輝いて、

振り切るにも思い出が。

はばたく日にも雨は降り、涙をかき消す。

私は怖かった。

いつか君の隣りに彼女が出来るコト。

イヤだった。

夢を現実と割り切って 想い途切れる遠い日待ち続けてる。

だけど、

想い続けてたい。

想った先になにか想いがあるまで

真との思い出、

消えそうで消えない。

必死になって手放そうとしない。

「なぁ」

「あ。ハイ」

「聞いてた」

「…うん」

ぶっちゃけ聞いてなかった。

「メアド、教えてやろうか?」

話の脈絡は全く分からない。

なんで上から目線なんだろう…

って、滝中はこういう奴か。

「うんっっ教えて!」

私さー

この時メアド教えてもらわなかったら、

どーなってたんだろー…って

いつも思う。

教えてもらわなければ良かった…とも思う。

でもね。

それはそれでイヤだなって思っちゃう。




席替え。

黒板に大きく書かれた文字。

私は何も思わなかった。

真の隣りになる可能性は、もちろん0。って、

クラス違うんだから当たり前か。

黒板に白くのびた線。

くじ引きの線の上に、人の名前が並ぶ。

先生がサラサラとくじ引きを引いて

結果を書き出す。

ぞろぞろと机を位置へ運び始める。

私は席を1つだけ後ろへ移動させた。

すると、

斜め前の席だった敬悟が2つ下がる。

え?

ガタッ

わざわざ大きな音をたてて座る。

私の隣りに。

「ぇ…」

前の黒板に書き出された席順。

私の隣りは…敬悟だ…

「ぅそ」

敬悟はじろりと睨んで私に背を向けた。




「どうしよう滝中〜」

「知らんわボケ」

内容を聞かずして見放される。

滝中は いつもそうだ。

人の事なんかどうでもいい って

すぐ見放す。

そのクセ

ギリギリのところになると

すぐ助ける。

私はコイツを

『ツンデレ王子』と呼ぶ。(心の中で)

「お前、次移動だろ?いいのか?」

「いいもん」

次は2組から特に遠い別館の最上階のコンピューター室。

10分の放課で足りるか足りないかの遠い距離。

「ねぇ…ホントどうしよう。

元カレの隣りの席になっちゃった」

「興味ねぇっつーの」

滝中のいつも通りの冷たい言葉。

今日は、やけに心に突き刺さる。

「真なら………って言ってくれるのに」

「ハ?聞こえねーぞ」

滝中の言葉にハッと我にかえる。

「私、もう行くね!」

廊下を走り抜けて、階段を駆け上がる。

私。

さっきなんて言った?

どうして、あんな事言ったの。

無意識でつぶやいたアノ言葉。

『真なら………って言ってくれるのに』

私、無意識のうちに真と滝中を比べてた…?…

足を止める。

小声すぎて

自分でも聞こえなかった。

真なら…って…

真なら、

なんて言ってくれると思ったの?

なんにも…なんにも言ってくれないんじゃないの?

でも…でも、きっと。

優しく頭を撫でてくれたんじゃない?

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