フレンド ラスト バレンタイン
「友菜、明日のバレンタインどうする?」
「とりあえず、掃除場所 同じ子にはあげようかな」
「じゃあ、私もそうしよっと」
芽生は、ふと顔をあげて言った。
「一緒につくろっっ♪」
「うんっ」
友達と作るの初めてで、すごくドキドキした。
芽生のコトもすごく好きだったから、
一緒に作るの嬉しかった。
何があっても、芽生は友達…
だった。
「あーっ友菜のチョコ 生チョコじゃん!おいしそうー」
「1個どうぞwww」
「わーい」
「芽生は溶かして固めるだけ?」
「Yes!爆発したら嫌だしね」
「ふーん」
芽生がラッピングの袋を取り出す。
ピンクの下地に白のハートの袋。
とっても可愛いのと。
明らかにラッピングの力の入れようが違う箱
「…?」
首をかしげる私に気付いて、にこっと笑う。
「大本命には箱で渡さなきゃ♪」
「あぁ!敬語君?」
「そうそう」
敬語は私のお隣りさんで、
成績優秀,スポーツ万能,高身長の同級生。
顔はイマイチで そうモテた者ではないが、
芽生は敬語にLOVEなのだ
「友菜は?」
「へ?」
「本命。」
真の顔がパッと浮かんで、
パッと消える。
「ないょ」
「ふーん」
芽生はラッピングされたチョコをみつめて、1つ指差した。
「コレ、真君のでしょ」
「なんで分かんの!?」
「コレだけ、ハートものが多い」
のぞくと確かにそれだけハートチョコが多かった。
「アレー?」
「友菜さー真君が好きなんじゃない?」
「う〜ん」
「…じゃなくても、確実に大きな存在だと思うよ?」
芽生はいつだって優しかったね。
芽生がいなければ、この気持ちにも気付けなかった。
「…うん。そうかも」
「頑張ろ」
芽生が優しく笑う。
芽生は
「頑張って」とは言わなかった。
「頑張ろ」って言った。
2人で頑張ろうね。って…