第一話 セイル in 首都
首都プーチンは、プーチン王が治める大陸でもっとも大きな都市であった。
今日もたくさんの人たちで賑わっていた
「ずいぶん賑やかなところだな。俺の田舎とは大違いだぜ。いいとこだ。」
セイルは首都の様子を見てそう呟いた。
「えーと、勇者の応募受付は王様のいる城だったな、あれかな。」
街の中心部にある大きな城はすぐに見つけられた。
「ねえ、勇者に応募したいんだけど。俺はコロネ村からきたセイル。」
城の兵士に話しかけた。
「ん?ああ、魔王討伐への応募か、珍しいな。しかもコロネ村って、ずいぶんな田舎じゃないか。」
兵士は答える。
「魔王討伐?なんだい魔王って、ルピ族っていうのじゃなかったのかい?」
セイルは質問する。
「ああ、ルピ族の親玉のことを便宜上魔王と呼んでるのさ、さあこっちだ。」
城の兵士に案内され、セイルは大きな部屋に案内された。
「ここでしばらく生活してくれ。魔王討伐へ向かうのはまだ数日先になる。その間、トレーニングルームは自由に使ってくれていい、身体を鍛えといて損はないぜ。おっとそれ以外の部屋は立ち入り禁止だ。いいな?」
「ああ、わかった。」
そう答えると兵士は去っていった。
「うほっ、すっげー部屋。こんな部屋で生活できるなんて来てラッキー。」
セイルはふかふかベッドで飛び跳ねながら、そう呟いた。
そして、数日後。
「勇者様、王様がお呼びです。」
突然部屋にはいってきてそう言ったのは、かわいいメイドさんだった。
「ん?ああ、わかったよ。」
数日間ゴロゴロしていたセイルはめんどくさそうに起き上がると、身支度を整えた。
「諸君、ようこそ集まってくれた、王様がじきじきにお前たちに話す、心して聞け。」
「ゴクリ。」
王様となるとさすがに緊張するセイル。田舎者である。
「よくぞ魔王討伐の任務に名乗り出た、はっきり言うがこの任務は命の保障はない、よってここにいるのは自分の命を惜しまず人類のために戦おうとする者たちだ。勇者よ。」
そこにはセイルを含め、7人のいかにも強そうな者達がいた。
少数精鋭である。実際、だれもかれもが都市を代表するつわものであった。
セイルを除いては。
「ふう、しかし7名か、まあ集まったほうかの、残念じゃが兵はだせん。というより出しても意味がないのじゃ。ルピ族の戦士たち相手に普通の兵では太刀打ちできん。無意味に死ぬだけじゃ。よって各都市を代表するつわものたちだけを集めた。1000年前の戦争でルピ族と戦い勝利した勇者たちの技を引き継いでおるそなたたちだけが彼等に対抗できるのじゃ。たのんだぞ、勇者たち。」
実際他の6人は1000年前の戦争で活躍した勇者たちの技を受け継ぐものたちだった。セイルだけは違ったが、だれもがセイルもそうなのだろうと思っていた。
「そうじゃ、リーダーを決めねばな、そうじゃな、うーむ。。(こやつらのことをわしはよく知らんし、今から知ろうにも時間が惜しいの、よし、こやつにするか、顔はかっこいいし、なんか強そうじゃしな。)リーダーはセイルじゃ。」
「はい。」
セイルはそう答えた。特に深い考えはなかった。
そして魔王討伐の旅は始まった。向かうはルピ族が隠れ住んでいる暗黒の森、そしてその奥深くにある城(魔王城と名づけた)である。
魔王上にルピ族の親玉がいる。はたしてセイルたちはそこまでたどりつけるのであろうか。そして魔王の実力は?