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Ⅳ.最初の仕事

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私の最初の仕事の内容はこうだ。


先日、私が管轄する小さな神社に訪れた女性による願いを叶えることで、内容はこうであった。


「神様お願いします…元カレがストーカーになってしまい、毎日恐ろしいです…元カレとの縁を切ってください!」


ありふれた願いだが、問題が2つ。

まず1つ、そもそもこの女性、自分の名前を名乗っていないので、どこの誰だか分からない。

そして2つ目、願いに出てきた元カレというのも、どこの誰だか分からないのであった。


話は戻るが、私の管轄する神社には神が複数存在する。

この神社が建てられるきっかけとなった、母体となる神に加え、私と同じように、死後集められた者が2人、神として勤めを果たしている。


母体となる神は"斎城"と呼ばれており(本当の名前は長すぎて呼びにくいらしい)、スーツ姿だが、男性とも女性ともつかないような、中性的な見た目をしている。

(便宜上、彼と呼ぶ)

彼は私のような新人にも敬語で話し、物腰柔らかだが、どこか恐ろしいような、威圧感というか迫力を持っている。


ちなみに、私にとっては上司にあたるため、"斎城様"と呼んでいる。


最初の仕事はその斎城様から任せられたものだった。


「最初の仕事は雑務のように感じるかもしれないけど、期待してます。頑張ってください」

そう言って、彼は柔らかく微笑んだ。


それが…3日前。

私は途方もない数の問合せをして、願いに来た彼女の居場所と、元カレと言っていた男の居場所を探していた。


私たちが勤める神社は、見た目は小さくはあるが、参拝客はいつも途切れない。

1人の人間に何日もかけている余裕はないのだが、所謂量産型のような、ありふれた格好をした彼女をなかなか見つけられないでいた。


彼女を探す手がかり、それは量産型の服装には似つかわしくない、ピンク色の髪。

それが唯一の希望であった。


私は、今日も彼女の痕跡を辿り、問合せを続けるのか…などと考えながら、自分の席についた。

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