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パラレルパワー  作者: キップ
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プロローグ

今回このお話を書こうと思ったのは、前作のオールドワールドの後書きで宗教を題材とした小説を書きたいと記しるしたからです。ですが、なんせ無宗教の国なので宗教に対する偏見がすごいあります。その偏見というのが数多の都市伝説です。都市伝説?そうだ、都市伝説の小説を書こう、となりこのお話を執筆しました。

そしてこの連載する小説は日本から始まり世界各国を旅するお話にしたいなと思っています。ただしその分登場人物が多くなってしまう欠点がありますが、その中から推しとなるような人物を見つけていただけると楽しめると思います。

都市伝説的な内容が多くなるとは思いますが温かい目で見守ってくださると幸いです。

     東京都足立区島根 二十時十三分

 ガチャ

 扉を開く音が、静まり返った真っ暗な部屋に響いた。

 ここは島根にあるマンションの一室。

 痩せ型で色白の橘花郷は、時々東京なのに島根かよという疑問を持つことがある。だが、橘花は島根という言葉に面白い意味があるのを知っている。だが、そんなことは今は関係ない。手に持った銀色に輝くアタッシュケースに目配せしてリビングへ向かった。一週間ほど家を空けていたため少し埃っぽかった。アタッシュケースをガラスでできたテーブルに置いた。煙草吸うか。興奮気味だったので、煙草を吸って気持ちを落ち着けることにした。


 ポケットから煙草と銀の塗装が剥げたジッポを取り出し、煙草にジッポに灯した火を移して吸い込み、肺に充満させ堪能した。そしていかにも芸術を作り出すように吐き出した。煙が辺りを漂い消え去ったのを確認してもう一度吸い込み、吐き出した。燃え尽きた煙草の灰を灰皿に落とし、煙が風に揺られて複雑な模様を醸し出しているのを見ていると、興奮が治ってきたのを感じ、煙草を中指と人差し指で持ち、流れゆく時に身を任せて目を閉じた。

 少し経つと近くでは駅から電車が発車し、車輪が線路の隙間に当たって発生する騒音が辺りに響き渡った。それに連動するように扉が開かれた。しかし、橘花はそれに気が付かず目を閉じたままだ。扉からはフードを被った大柄の男のシルエットが現れ、忍足で、キッチンを越え、リビングを越えて橘花の元へ移動した。

 着ていたパーカーのポケットからニューナンブm60(日本の警察が使う拳銃)を取り出し、両手で構えて橘花に向けた。一歩、また一歩と歩み寄り確実を狙って撃とうとした。だが、橘花が何者かの気配を感じ取り振り向いたため殺す機会を逃してしまった。透明になった男は荒くなった呼吸を隠して立ち止まった。気のせいかと思い、再び煙草をふかし始めた橘花を横目に部屋を見回してみると、部屋に似つかわしくないアタッシュケースが目についたが目的を達成するのが先だと考え、調べるのを後にしてニューナンブm60を橘花に向け、引き金を引いた。抑えられていたが、強烈な発砲音が火薬の匂いと共に辺りに響くと、橘花は力無く崩れ落ちた。すると突然橘花の身体が痙攣し始め、みるみるうちに白骨化していく。チッと舌打ちをすると、頭蓋骨を取り上げて手の上で転がした。

 「外れか」ガラス製のテーブルに置かれているアタッシュケースに目をやり、開けようと試みた。だがそこには五桁の数字と一つのアルファベットを入力するための小さな液晶パネルが付いているだけだった。

「まぁ目的は達成したしな」そう言うと鴉のように真っ黒な男はその場から粒子となって消えてしまった。その様子は科学では説明のつかない摩訶不思議な現象だった。

 ここから世界を揺るがす大事件に発展することを知っているのはこの男だけなのか。それとも……

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