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私は魔王!  作者: bebop
22/27

人の子

その頃魔王では………




「こらっ!ライアン待ちなさい!、」




「待てと言われて、待つバカは居ないよー!」




城の長い廊下を二つの影が疾走している。




「あらやだ、ライアンってばまたアランと遊んでる~」




結界の修繕の際に、瘴気をまとって倒れていた人の子をアビステイルは城に連れ帰り、治療を施した。名をライアンと言うらしい。




で、現在ではすっかり元気になり、三大側近相手にちよっかいをかけては遊んでいた。




「昨日はサイレスが落とし穴に落ちたわね。」


アビステイルはため息をつかながら、その光景を思い出していた。




「そうなのよ~まったく笑っちゃう~」




ディーダはケタケタと声をあげて笑い転げている。




「ディーダー!」




「え?なあに?」




ディーダが顔を上げると、ビシャッと音がして魔鳥の卵がクリーンヒットした。




「ラぁーイぃーアぁーンー…………」




「うわぁディーダが怒った怒ったー!」




「こんのぅクソガキがぁーーー!!」




疾走する影が3つに増えた。




「やれやれ、静かに過ごしたいのに、毎日毎日騒がしい……」




すると急に向きを変えて、ライアンがアビステイルの元に走ってきて抱きついた。




「アビー、二人とも怖ーい」




「それはそなたがからかうからであろう?


これ、頭をグリグリ押し付けるな。くすぐったい。」




「こらーーっ!魔王様に抱きつくんじゃないっ!!」




「魔王様、そのままクソガキ捕まえてて!」




「きゃーぁ♪」




「やだ怖ーい」




「ん?ムスタスもなんで抱きつくんだ?」




モフモフの尻尾がパタパタと動いている。




「このしがない第3者皇子!どさくさに紛れて、魔王様に抱きつくんじゃないっ!!」




「クソガキがぁ!観念しなっ!」




「アビー助けてー。きぁあ♪」




「アビー♪大好きー♪」




あぁ、勘弁して……




みなが騒ぎ疲れ、侍女がいいタイミングでお茶の用意をしてくれた。




「ねぇアビ。今日はブレイブ来ないの?」




「勇者か?毎日は来ないな。」




「でも好きな人には毎日会いたいでしょ?」




ブハッと盛大にお茶を吹き出した。




「な?何?」




「母様が言ってたよ?大好きな人にいつでも会いたいって。会えないと死んじゃうって。」




クッキーを食べる手を止めて、ライアンは呟く。




「父様は母様に会いに来ないんだ…。母様は毎日待ってるのに。」




「ライアンは母様好きか?」




「うん!大好き!優しく髪を撫でてくれるの。……だけど最近は泣いてることが多いの…。そうすると僕を……」




「……殴るのか………。」




ライアンの体には新古様々な大きさの内出血があった。




着ていた服はボロボロになってはいたが、元は高級な素材であっただろうと思われた。




貴族の子?隠し子とかか。


よくある話だ。




「人間の愛は薄くて脆い。生涯を誓った相手を簡単に変える。よくある話だ。」




ムスタスが吐き捨てるように言った。




「でもね、朝が来ると優しい母様に戻るんだよ。抱っこもしてくれるし、ぎゅっとも……」




大きな瞳からポロポロと涙がこぼれていた。




「ライアン…。」




私はライアンを引き寄せ、ぎゅっと抱き締めた。




「母様ぁ母様ぁ」




腕の中のライアンは


堰を切ったように泣きじゃくる。




私はただただライアンの綺麗な金髪を撫でていた。







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