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四話2

なんだ………なんだってこうなるんだ……?


只今藤谷の部屋、藤谷は机に向かって黙々と勉強中、件の先生達はと言うと…………


下で夕食を作ってる。二人して、


「片方くらい残ってくれても…………でも、やらなければ、期間は一週間、負けられない戦がそこには」


「藤谷君、現実逃避はよくないな。ちゃんとお勉強しましょ」


耳元で喋られたので驚いて椅子から落ちそうになる。その反動で頭がぶつかり、衝撃が走る。


「すみません会長、大丈夫ですか?」


「いたた………あっ、藤谷君違うよ。舞先生だよ、えと、舞ちゃん先生でも可だよ」


舞ちゃん先生とやらはなつかしの眼鏡を装備しなおしている。一月経たない位だが、とても懐かしく感じる。


「さて、どんな感じ…………?」


舞先生は机の上の問題集(香里作)を覗き込んでくる。シャンプーの匂いだろうか、香里とはまた違った女の子の匂いがする。


「…………藤谷君、ええと………この数学は本気……だよね?」


問題集を持ち上げて舞先生は目を細めて、頼むから嘘であってくれって顔でこっちを見ている。


その表情に俺は目を背ける事しか出来なかった。


「藤谷君、先生達、これから出来るだけこの家にお泊まりします。良いですね?」


「いや、流石にそれは不味いんじゃ………」


「この答えより不味くありません!」


一蹴、むしろコンビネーションでボコボコにされた気分だ。


「あら、どうしたの? なんだか騒がしい」


「美々、はいこれ見て」


問題集が香里の元に渡る。いつの間に呼び方親密になったんだろう。とか思ってると香里が初めて見る苦い顔した。


「うん、藤谷、二つだねこれは。来年やり直すか、私達を泊めてみっちりやるか。どっちがいい?」


「どうぞ泊まってよろしくしてください」


「国語も必要ね」


もう俺は常識とか、男女のなんちゃらとか一ミリも言ってはられないらしい。


たしかに最近は大作RPGに嵌って、勉強と言う二文字から遠い生活をしていたがまさかここまで非難されるとは、どうやらやるしかないようだ。










その夜、藤谷の部屋の隣、香里美々の部屋(仮)では、先生二人の祝勝会が行われていた。


「藤谷君にはちょっと悪いことしちゃったかな?」


「でも、成績が不味いのは本当みたいだったし」


「流石にあんな泣きそうな顔されたら、良心が痛んだよ」

「うう、それはそうだけど、舞考案でしょ。お泊まりラブラブ大作戦」


ちょっと狭いが、二つ布団を敷いて、並んで寝ている。


ちょっと後ろめたいので二人で枕を抱き締めながら、寄り添ってうつ伏せでの祝勝会。


「そうだけど………でも、泣きそうな藤谷君可愛かったな」


「なんか危ない発言が………諦めたんじゃないの?」


「う~ん、美々がちゃんとやらないと話が変わるかな。でも、今は応援するよ」



「うん、頑張る……」


その日の談義はそこで終わった。明日から勉強会兼『お泊まりラブラブ大作戦』が始動するのであった。

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