第一話 始まりのタコオムライス
1日ちょいで完成した。
ハデスは土鍋で豆乳もつ鍋を作っていた。
「おいジェイソン!悪いが豆乳もつ鍋を欄の間に持って行ってくれ!」
ハデスはそう黒人の外国人に頼んだ。
「はい!大将!」
彼の名はジェイソン・オルソン元々は日本で出稼ぎに来たがなかなか職に雇ってもらえず3年前にハデスは翔鶴でジェイソンを仲居として雇った。
大柄な体で力が強くアメリカに住んでいた時は治安の悪い所で過ごしていたがハデスに出会いハデスの作ってくれた母国のボリューム満点のギカントアメリカンバーガーを食べて以来ハデスは恩人と思いずっと毎日働いている。
「次はカマスのお吸い物と鰆の唐揚げだな!」
そう言ってハデスはカマスを三枚下ろしにして昆布で出汁を出して薄口醤油で味を調整して冬野菜のカブやみずなを入れて彩りをよくした。
鰆は身の部分をぶつ切りにしてオリジナルの唐揚げ粉をまぶしてからっと揚げて茹でた聖護院だいこんを和風あんかけをかけた。
「よし、おい!飯島悪いがこれを椿の間に持って行ってくれ」
ハデスは茶髪の若い青年に頼んだ。
「はい!ハデスさん!」
彼の名は飯島謙。
6年前に家を飛び出し空腹で倒れていたところをハデスに拾われそこで出されたのはまかない料理を出された。
それはシーフード炒飯だった。
その味に謙は涙を流してそれを食べてハデスの働く翔鶴で仲居として働いている。
ーーー21時30分ーーー
ハデスは一息してまかないを作り始めた。
「よし、何か作ろうか」
ハデスはそう言って余った食材で何かを作り始めた。
「それなりに食材はあるからよしあれを作るか」
そう言ってハデスはイカとうずらの卵とえんどう豆を手に取り中華鍋を使いイカとうずらの卵とえんどう豆を使い中華あんを作り熱々のごはんの上にかけた。
「おら、できたぜ!」
ハデスはどんぶりを二人に出した。
「オー!大将さんの中華丼ですね!」
そう言ってジェイソンはどんぶりを受け取り食べ始めた。
「大将いただきます!」
謙はそう言ってどんぶりを受け取りガツガツと食べ始めた。
ハデスはイスに座り中華丼を食べ始めた。
3人は笑いながらそれを食べてその日の仕事は終わった。
ーーー翔鶴の外ーーー
ハデスは片手に翔鶴の暖簾を持ち閉店しようとしていた。
「あ、あの」
誰かがハデスに声を掛けた。
振り向くとそこには金色の髪に青い瞳の女性が立っていた。
「あ、すみませんもう閉店なんですよ」
ハデスはそう女性に言った。
「そう・・・ですか」
女性はそう言ってお腹を押さえていた。
その瞳は何もかも絶望していた顔だった。
「ふっ、」
ハデスは懐中時計を見てこう言った。
「まだ時間もありますからどうぞ中へ」
ハデスはそう言って女性を中へ招き入れた。
ーーー菊の間ーーー
ハデスは女性の為に料理を振る舞った。
「お腹空いてますよね?今お持ちしますから」
そう言ってハデスは厨房へ向かった。
女性は涙を拭いながら笑顔でいた。
ーーー厨房ーーー
「よし、あんまり材料は無いがいい物を食べさせてやるか」
そう言ってハデスは業務用の冷蔵庫から自作のタコスを取り出してごはんに乗せてよくかき混ぜた。
ごはんとタコスはよく混ざりそして平たい皿に載せてオムレツの応用でふわふわオムレツを作り上にチーズを乗せた。
「よし、できた」
そう言ってハデスは料理を持って菊の間に向かった。
ーーー菊の間ーーー
「お待たせしました」
そう言ってハデスは女性に料理を出した。
「えっ?食べていいんですか?」
女性はそうハデスに聞いた。
「はい!食べてください」
ハデスはそう正座して女性に言った。
「いただきます!」
オムレツを真ん中を箸で割ると卵の白身が膜を引くみたいにタコスライスを包み込んだ。
「これはオムライスですか?」
女性はそうハデスに聞いた。
「いえ、タコスオムライスです!」
ハデスはそう女性に言った。
女性はそれを箸で食べ始めた。
女性は一口また一口と食べていき涙を流していた。
ハデスはそれを見て笑顔で女性の苦しみを和らげたか考えていた。
「ごちそうさまでした」
そう女性は手を合わせて言った。
「あの、お願いがあります!」
女性はハデスに近づき頭を下げた。
「何でしょうか?」
ハデスは女性に聞いた。
「あの、私をこの料亭で住み込みで働かせて下さい!」
女性はそうハデスに言った。
「住み込みでですか?」
ハデスはそう女性に聞いた。
「はい!お願いします!迷惑は掛けませんから!」
女性は涙を流しながら言った。
ハデスは女性のその姿を見て何だか心苦しくなっていた。
「わかりました!構わないですよ!」
ハデスはそう言って女性に片手を差し出した。
「うちは仕事はキツいですが覚悟はできていますか?」
ハデスはそう女性に聞いた。
「は、はい!よろしくお願いいたします!」
女性はそう言って頭を下げた。
「自己紹介をしておきましょう!俺はハデスといいます!」
ハデスはそう言って頭を下げた。
「私はマリーと言います!」
マリーはそう言って頭を下げた。
「なら、明日からよろしくお願いしますね!」
ハデスはそう言ってマリーに笑顔で笑った。
困った人や助けてほしい人が居たら助けてしまうのはハデスがお人好しだからである。
昔なら人が苦しもうが死のうが気にしなかったが松永との出会いが彼を変えたのだった。
彼はまた作り始める暖かな料理を・・・。
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