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異教徒、トルコ説話の一片 The Giaour, A Fragment of a Turkish Tale. (1813)  作者: バイロン卿ジョージ・ゴードン George Gordon, Lord Byron/萩原 學(訳)
僧院にて
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37 懺悔「風土の冷たさ、血の冷たさか、

「風土の冷たさ、血の冷たさか、

 奴等の愛その名に及ばぬ所以か。

 対して我が愛、溢れる溶岩のよう

 エトナ火山の中腹に煮え滾る。

 'The cold in clime are cold in blood,

 Their love can scarce deserve the name;

 But mine was like a lava flood

 That boils in Ætna's breast of flame.

 胸を張って語れはしない、

 淑女の愛、美人の鎖。

 頬は痩けてゆき、脈は焼けつくばかりでも、

 不平は言わない。唇のたうつと判っていても、

 心臓は破裂しそう、頭は狂いそうでも。

 I cannot prate in puling strain

 Of Ladye-love, and Beauty's chain:

 If changing cheek, and scorching vein,

 Lips taught to writhe, but not complain,

 If bursting heart, and maddening brain,

 大胆不敵な振舞いに、復讐に燃える(はがね)

 我が感じ来ること、感じていることの全て、

 愛の証…我がものであった愛の、

 苦い徴の数多に示された。

 And daring deed, and vengeful steel,

 And all that I have felt, and feel,

 Betoken love - that love was mine,

 And shown by many a bitter sign.

 いや全く、泣き言も溜息も洩らせなかった、

 手に入れるか死ぬしかなかった。

 私は死ぬ…しかし、その前に手に入れたのだ、

 何はともあれ、恩寵に与ったのだ。

 'Tis true, I could not whine nor sigh,

 I knew but to obtain or die.

 I die - but first I have possessed,

 And come what may, I have been blessed.

 私が求めた運命を、その私が咎めるものと?

 いや、すべてを失おうとも、挫けはせぬもの

 レイラ死なせたと悔む他には、

 痛み伴う喜び有るものならば、

 また生きて愛すべきもの在らば。

 Shall I the doom I sought upbraid?

 No - reft of all, yet undismayed

 But for the thought of Leila slain,

 Give me the pleasure with the pain,

 So would I live and love again.

 悼む?いやいや、聖なる導き手よ!

 死すべきは男、眠れるは女、

 寄せては返す波の下。

 ああ!彼女に地上の墓があったなら、

 心臓ドキドキ頭はズキズキ探したろうに

 狭い彼女の寝台共にすべきを。

 I grieve, but not, my holy guide!

 For him who dies, but her who died:

 She sleeps beneath the wandering wave

 Ah! had she but an earthly grave,

 This breaking heart and throbbing head

 Should seek and share her narrow bed.

 あれこそ命と光の形なれ、

 見たが最後、目に焼付けられ。

 どこに目を向けようと、ついてきた、

 明けの明星、思い出の中!」

 She was a form of life and light,

 That, seen, became a part of sight;

 And rose, where'er I turned mine eye,

 The morning-star of memory!

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