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異教徒、トルコ説話の一片 The Giaour, A Fragment of a Turkish Tale. (1813)  作者: バイロン卿ジョージ・ゴードン George Gordon, Lord Byron/萩原 學(訳)
異教徒 vs 太守ハッサン
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 道草を食うラクダの鈴チリンチリンと。

 格子窓の高きより母親見下ろすうちに…

 もう夜露が降りてきた、しっとりと

 目の前の牧草地も青々とする程に、

 見上げれば、微かに星もチカチカと。

「黄昏時ね、一行も近づいている筈なのに。」

 The browsing camels' bells are tinkling:

 His mother looked from her lattice high -

 She saw the dews of eve besprinkling

 The pasture green beneath her eye,

 She saw the planets faintly twinkling:

 'Tis twilight - sure his train is nigh.'

 庭の東屋で休んでなど居れない、

 一番高い塔の格子越しに見守るしかない。

「あの子はまだ?乗騎は速い、

 夏の暑さにも怯みはしない。

 なぜ花婿なのに約束の品を贈らないのか?

 そんなに心は冷たいのか、バルブ種の馬が速くないのか?

 She could not rest in the garden-bower,

 But gazed through the grate of his steepest tower:

 'Why comes he not? his steeds are fleet,

 Nor shrink they from the summer heat;

 Why sends not the bridegroom his promised gift?

 Is his heart more cold, or his barb less swift?

 いえ、見当外れだった!あそこだ、韃靼(タルタル)人が

 間近な山の頂まで来たではないか。

 して用心深く、険しい坂を下ってきた。

 今度は曲がりくねる渓谷の中に来た。

 Oh, false reproach! yon Tartar now

 Has gained our nearest mountain's brow,

 And warily the steep descends,

 And now within the valley bends;

 鞍の前輪に贈り物を提げているかしら、

 どうして馬が遅いと思ったのかしら?

 報いなくてはね大盤振る舞いに、

 有り難くも速やかに、辛い旅程に。」

 And he bears the gift at his saddle bow

 How could I deem his courser slow?

 Right well my largess shall repay

 His welcome speed, and weary way.'

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