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「そのピアス!でも、それに魔法なんて、」
「いやまったく、こんなところがあったとは。素晴らしい能力だ。さて、君がこのピアスの片割れの持ち主かな?」
「ああ、師匠にもらった。お前は、」
「私はランベルト。君はルカ、で合っているかな」
「ああ、そうだ」
「ふむ、で、君たちはどう言う関係なんだい」
「それは、…」
「攫われて監禁されたんだ」
「なるほど。こっちはピアスの片割れの持ち主の願いは必ず叶えよとのじっちゃんの遺言でな。というわけで、ユン隊長、彼は連れ帰らせてもらいますよ。ついでに、あんたは前副隊長の誘拐、監禁の罪で、しばらく拘束させていただきます。」
「ああ、そんなのは要らない。そいつの罪も問わなくていい」
連れ帰る?私はそんなことは望んでいない。
「ルカ君?」
「はっ、ランベルトと言ったな。この窓を壊せ」
魔法が使えない。なら、落ちて仕舞えば良い。
「だめだ!いけない、それだけはやめてくれ!」
「それだけはだと。貴様、私に何をしたか忘れたか」
「それはっ、でも、あなたはあんな場所にいるべきじゃなかったんだ!あなたは、もっと綺麗な場所にいなければっ、」
自殺はできない。だが、事故なら死ねるはずだ。それがあいつへの最大の罰になるはずだ。
「それは私が決めることだ!」
「っ、」