表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あけぼの  作者: 仙人になりたい
囚われ人
7/11

7

扉を開けると、柔らかな花の香りがした。春。世界が鮮やかさを取り戻す季節である。いつものように、いや、今日は努めて外に出ることを考えないようにしながら庭を歩く。そうすると思い浮かぶのは、もらったピアスのことだった。糸を手繰るように、ピアスにまつわる記憶が呼び起こされる。


私が最初に貰った装飾品もまた、ピアスだった。贈り主は魔法の師匠。私の瞳と同じオパールで、同じ色の石を手に入れるのにずいぶん時間がかかってしまったと師匠は笑っていた。そのピアスには特別な魔法がかかっていて、対となるもう一組のピアスがあった。それはアイオライトのピアスだった。師匠には大切な人ができたら贈れと言われたが、今は誰が持っているのだろうか。



昔を思い出していたら、ずいぶん時間が経っていたらしい。彼が庭まで呼びにきてしまった。


「春先はまだ寒いんだから、そんな薄着でいると風邪を引くよ」

「そうだね、もう部屋に戻るよ」

「そうかい?」

「ああ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ