2/11
2
「お腹がすいた」
彼がちょうど部屋のドアを開けた時、いい匂いが漂って来た。この匂いは野菜スープだろうか。私の好きなメニューだ。彼の野菜スープは、具がちょうどいい塩梅に煮込まれていて美味しいのだ。
「贈り物を早く見て欲しいけど、先に朝ごはんにしようか。待ってて、すぐに持って来るよ」
彼の言葉にうなづいて見せてから、窓辺の席に着く。彼は部屋から出られない私のために、大きな窓から明るい日差しの差し込むその場所に、テーブルと椅子を置いてくれたのだ。今はまだ冬の寒さで冷たかったが、私はその椅子に座って外を眺めるのが好きだった。
「おまたせ、さあ食べよう」
彼が二人分の食事を持って戻ってきた。今日は一緒に食べるらしい。テーブルに向かい合わせに座り、祈りを捧げてから食べ始める。彼は品のある仕草で食べ進めながら、私を見てはにこにこしている。これはいつものことだった。