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第1話 神(エアコン)は死んだ




いつもと変わらない日常。

いつも通り起きて、ご飯を食べて化粧をして、出勤して仕事をする。

仕事を終えて帰ってくるのは日付が変わる前だったり後だったりするのもいつも通り。

弁当を洗い、風呂に入り、寝る前に弁当を作って(作り置きを詰めるだけ)、就寝する。

就寝して数時間後にはまた同じことの繰り返し。

休みは週に二日あり、その日は部屋の掃除をしたり、食材を買いだして弁当の作り置きを作り、余った時間はネット小説を読んだりゲームしたり溜まった録画を見て過ごす。

そんな毎日。



そんな毎日の、いつもと変わらない日常が一変したのは本格的に夏を迎えて暑さが日に日に厳しくなるある日のこと。

一台しかないエアコンが壊れ、修理を頼む電話をすれば「もうすぐお盆に入るので修理は約一月後ですね~」と言われ、暑さと湿気でストレスが溜まりどうにかなりそうな休日だった。

陣取ってた扇風機の風がなくなって、ついに扇風機まで壊れたのかと目を開けてみればそこは家ではなく、真っ白な景色だった。

ああ、壊れたのは扇風機じゃなくて私だったのか。


「ああ、よかった!成功した!」


ついに幻聴まで聞こえるようになってしまった。


「起きて、目を覚ましてください。私の願いをお聞きください」


変な幻聴だな。

起き上がって声のするほうへ視線をむければ、カラフルな巫女装束を着たかなり若い女性が悲痛と喜びの混じったような表情を浮かべていた。

あんた誰?


「突然の呼び出しをお許しください。異世界の救世主よ。どうかあなた様の力で、この世界から戦をなくしてください」


「はぁ?」


異世界の救世主?戦をなくしてくれ?この小娘頭イカれてんのか?暑さでぶっ壊れたか?


「そんなの無理―――」


「引き受けてくださるのですね。ありがとうございます!」


「お断りします―――」


「神々は我々を見捨てにならなかった!」


「人の話を聞い―――」


「異世界の救世主よ。この世界から戦を、争いごとを無くしてください!」


人の話を全く聞かないゴーイングマイウェイな若い女性の言葉を最後に、また突然、景色が一変した。

目の前の・・・いや、自分の周りが起きている出来事に絶句した。

雄たけびを上げ、戦国時代で見るような鎧や武器に旗をかかげ、その武器で人を傷つけ、血を流し、鉄砲の玉に撃たれ倒れる人たち。

私は、戦場の真っただ中にいた。

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