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描写力アップを目指そう企画企画参加作品「地球暦三二五年」

【習作】描写力アップを目指そう企画

第六回　キラキラ☆ワードローブ企画

参加作品です。

　テレビで火星人が踊ってる。

　最近売り出し中のアイドルだ。顔はいいんだが胸がない。　

　俺好みじゃぁない。

　宇宙をモチーフにしたとかでキラキラ煌めく微細発光器(ナノライト)を埋め込んだキンキラキンのドギツイミニスカートで狂ったようにバク転するアクロバティックさが売りなんだが、ガキのパンツなんぞ拝んでも面白くねえ。

　もっとしっとりした人妻がいいんだが、いかんせん若作りし過ぎでし(・)な(・)がねえ。リアル若者と並ぶと「いと哀れ」と言いたくなる。

　まったく、芸能界はどうなっちまったんだ？

　いい弾がいないとかで月の連中を引きずり出してからおかしくなりやがって。

　いまじゃ火星はおろか木星人だと。ヘリウムの吸い過ぎで声がひっくり返ってるのが気に入らねえんだ。

　次のターゲットは土星人だとか。　

　まぁ仕方ねえか、俺らが仕向けたことだしな！

　人類が太陽系に繰り出してからもう二〇〇年。そろそろ海王星に移住を開始するって話だ。

　おかげで地球に住む元祖人間は一〇〇〇万人を切った。比べて惑星外人口は二〇〇億を超えた。

　良いことだ！

　みろ、この人工物の、一片のゴミのない大海原を！

　降り注ぐ太陽がさざ波に映えて鮮やかな輝きをもたらしてくれる、この楽園を！

　緑の息吹がそかしこに溢れる、命の原風景を！

　俺の先祖が計画した地球占有まで、残り九九〇万人。

　こいつらを宇宙に放逐すれば、この美しい青い惑星(ホシ)は、我が一族のモノ。

　俺の、玄孫ぐらいには、達成できそうだ。