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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

君の腸を引きずり出してそれで電車ごっこをしたい

作者: オドラデク

私ね、夢があったんだ。

誰にも言ったことの無い夢。

それをやったらみんなから非難される夢。

でも、すっごく面白そうな夢。

この夢は多分一生叶わないだろうなぁ、って思ってずっと胸の奥にしまい込んでいた。


私ね、君を始めて見たとき思ったんだ。

君の腸で電車ごっこしたらすっごくすっごく楽しいだろうって!

何でかはわからないけどとにかくそう感じたんだ。

だからきっとこれは恋だと思った。


だから私は君が好きなんだ。

その黒の髪も、栗色の瞳も、筋肉質な肌も、お日様みたいな匂いも全部大好き。

それらを臓物や血で汚したらどれだけ美しいだろう!

みんなが知ってる日常の君を、私はメチャメチャに壊してやりたいんだ。

私だけが知ってる日常の君にしたいんだ。


君を見るといろんな妄想をしちゃうんだ。

きっと君のお腹を割いたら、憎しみと恐怖の孕んだ目で私を見て来るんだろうなって。

それを想像するとなんだかゾクゾクして、子宮のあたりがなんだかポカポカして来るんだ。


私ね、今日という日がすっごく嬉しいの!

だって私の夢が叶う日になるんだよ!

こんなに嬉しい日きっともうないよ!

だからね、智也(ともや)君。そんな顔しないでよ。

椅子に縛り付けた君が涙目で私をキッと睨みつけてくるから、私ドキドキしちゃうな。


でもね、智也君。私もそう簡単に楽しみを終わらせたくないから、思い出話でもしようか!

初めて君と会った時から。

思い出しながら楽しみの余興を反芻して、増幅させて味わいましょ。


初めて会ったのっていつだっけ?

ああ、そう。6月!

依子(よりこ)と友達だったからって紹介されたのが最初だったっけね。

いきなり遊びに行く時に連れてきたんだもの。

ちょっとびっくりしたかな。

でもあの時に君を一目見て私思ったんだよ?

君をメチャメチャにしてやりたいって。

腸で電車ごっこしたいって。

きっと面白いだろうなって!


それから君とは意気投合してすごく仲良くなったよね。

趣味とか好きな芸能人とかピッタリでよく話あったよね。

好きな事を話してる君の楽しそうな顔が好きだったんだよ。

ああ、ライン交換したのもこの頃だっけ。

ライン交換した時、ちょっとドキッとしたんだ。

失礼ね。私だって女の子よ、年頃のね。

男の子とライン交換したらドキッとするよ。

君とのラインは凄い面白かったよ。

沢山笑わせてくれたし、色んなこと相談しあったね。

そうそう!君は数学が苦手で私は国語が苦手でよくお互いに教えあったよね。

楽しかったなぁ。


君はバスケ部で私は吹奏楽部。

部活の時はあんまり会えなくてちょっと寂しかったな。

でも、いつも君の事を思ってたんだよ。

君のチームが県大会進んだ時は凄く嬉しかったよ!

凄く頑張ったんだなって、こっちまで嬉しくて元気をもらったんだよ。

君がコンクール聞きに来てくれた時もあったね。

結果はダメ金で、慰めてもらったっけ。

私ね、あの時泣いてたでしょ?

あれ君の優しさが嬉しくて泣いてたんだよ。

他人にこんなに優しくできる人がいるんだなってとても嬉しかったんだ。


君とはいろんな所も行ったよね。

動物園や遊園地、海に花火大会!

私の浴衣姿も綺麗だったでしょ?

あの頃は本当に楽しかったよね。

海で食べたソフトクリームがさ、本当に美味しくてね。

また遊びにに行こうね。

動物園ではさ、君がウサギに餌を上げようとして指噛まれたでしょ。

あの時に顔傑作だったなぁ。

遊園地でのお化け屋敷で驚いてた君の顔も凄く面白かったよ。

君と遊んで退屈した事はなかったなぁ。

次はどこに遊びに行こうか。

あ、私横浜行きたいな。赤レンガ行こうよ。

あそこのパンケーキ食べたいな。

まぁ、君と遊べるならどこでも楽しいよ。

そう、こんな廃ビルでもね。


でも、君も男の子なんだね。

ヤらせてあげる雰囲気出したらコロッとついて来ちゃって。

凄く捕まえやすくて逆にびっくりしちゃった。

椅子に縛っちゃってごめんね。痛くない?

でも、残念。私ヤるのはあまり好きじゃないの。

だって気持ち悪いもの。

でもさ、クラスの夏希(なつき)がさ、「ヤってると一つになれる感覚が嬉しい」って言うんだよ?

ほんとバカみたいだよね。

粘膜擦りつけるだけで一つになれる訳ないじゃんね。


だからさ、これからもっともっともっともっともーーーーーーーっと!”楽しいこと“しよ?

ヤるのなんて低俗で下品な遊びよりも1億倍も楽しい遊び!

きっと君も気に入ってくれるよ。

...そんな顔で見ないでよ。

興奮しちゃうじゃん。


...ねぇ?もうそろそろ遊ばない?

この会話は今の私にはちょっと退屈かな。

ああ違うの。君と喋るのが退屈って意味じゃないよ。本当だよ。

今はちょっと退屈なだけ。

だからさ、あそぼ?


君の縄を解いたらすぐ暴れそうだね。

だからさ、まずは先にお腹を割いて腸を出してから縄を解いてあげるね。

そしたら痛くて暴れる元気もなくなるでしょ?

...あっ!そうだ!

腕の腱を切っちゃおうか!

そしたら君も大人しくなるよね。

じゃあ、ちょっと準備して来るね。






お待たせ智也君。

うゎ、凄い泣き顔。

うふふ、かわいいね。

苦しそうだし、口のガムテープはとってあげようか。



...なんでそんな事言うの。

そんな言葉遣いしちゃダメだよ?

...ちょっとうるさい。

黙って。

...黙ってよう。

黙れって言ってんじゃん!!


智也君がなんかうるさかったから、私は智也君の喉にナイフを突き立てちゃった。

でも大丈夫。声帯部分だから、頸動脈は傷つけてない。

そう簡単に終わらせる訳ないじゃん。ここで終わらせたらつまんないよ。


智也君...静かにしようか。

君はいい子だから私の言う事聞けるよね?

うん!えらいえらい。


じゃあ、次は腕の腱を切ろうか!

なんか、二の腕の筋肉の腱がね、肩と肘にあるらしいんだけど、肩の方だと深いし、全部切るには脇から包丁入れなきゃダメなんだって!

そうすると脇の動脈切っちゃうから、めんどくさいよね。

だから肘にするね!

ここも動脈あるけど止血すれば大丈夫でしょ?

ほら、脇だと止血難しいじゃん?

じゃあ、行くよー。


まずはゴムチューブで上腕の肘上2cmくらいを縛り上げて、止血オッケー。

次に包丁で肘の腱を切る。

お魚を輪切りにする要領で包丁を肘の外側(橈骨側)から引きながら入れた。

結構お肉って硬くてびっくりした。

以外と血管の弾力(?)が感じられて包丁を引いたり押したりしてる時にプチッて感覚が手先にきた。

智也君は声を上げないで椅子の背もたれに後頭部をめっちゃ打ち付けてた。

お魚みたいで面白いね。

途中お肉のスジみたいなのがなかなか切れなくて苦戦した。多分あれが腱かな?

最後らへん骨に当たってるのかゴリゴリしてきたから、うん。これで大丈夫だと思う。

結構血がいっぱい出てびっくりしたけどあれ腕の血だよね?

生暖かくて気持ちよかったな。

じゃあ次、反対側行こうか!






反対側の腱も切り終わった。

もう油とか血とか変な透明な体液で包丁を1本ダメにしちゃったんだ。

智也君はヨダレとか涙で顔ぐちゃぐちゃにして口をパカって開けて気絶してた。

ほんとに面白いね。

耳たぶををホッチキスで止めたら飛び起きたよ。

止める感覚面白かったんだ。

パチン!って行くかと思ったら芯がズブブッて入ってカッ...チンって感じで止まった。

固めの消しゴムを止めてるみたいだった。

智也君また暴れてる。

よく疲れないね。やっぱ運動部だから元気だなぁ。


さぁ!智也君!いよいよだね!

凄く楽しみ!

この筋肉質なお腹を包丁で欲しいままに割いて中の腸を引きずり出しちゃうんだよ!

ああ、もうやろうか?やっちゃおうよ!

もう我慢できないよ。もうお預け食らいたくないの。

もう十分思い出振り返ったよね?十分気分も昂ぶらせたてきたよね?準備も万全だよね?

ねぇいいでしょ?

君をメチャメチャにしたいの。

ていうか、ここまで来て止める道理はないじゃん!

ここまで来て止めたらそれこそつまんないよ!

ねぇ!

あっ...


なんか智也君が白目向いて首を落としてた。



...つまんねー!

つまんねー!!!マジ智也つまんねー!!!!

ここで終わりとかマジありえねーし!てか勝手に何死んでんだよ!まだ君をメチャメチャにしたりねぇんだよこっちは!

もっと侵させろ!冒させろ!!犯させろ!!!

もっと私の欲望を満たせよ!イケるもんもイケねぇじゃねぇかこれじゃぁよ!



私が怒りながら智也君の鼻を包丁で切ろうとしてたら智也君起きたんだ!

なんかヒューヒュー言いながらこっち見てた。

イケメンだった。


よかったぁ...

智也死んじゃったかと思った。

ほんとによかった。

じゃあ、続きやろうか。


君が必死に息をして生きようとしてる姿を見て凄く優しい気持ちになったんだ。

ああ、私のために生きようとしてくれてるんだって。

ギュッと君を抱きしめると君はただただ泣いてたね。

楽しみにはこれくらいのサプライズも必要だよね。




気分の昂りもマックスにして、私はいよいよ智也君のお腹に包丁を突き立てたんだ。

腸を傷つけないように慎重に3cmくらい刃を入れたんだ。

智也君は足をガタガタ揺らしながら白目向いて泡出してた。

溢れ出る赤黒い血が君の洋服を染め上げて、生暖かく冷まして行くのを感じてほんとに身震いを感じたんだ。

最初は脂肪がカーテン状になった膜があって邪魔だった。黄色い膜を包丁で切ろうとするんだけどこれがなかなか難しい。

ヌルヌル滑るし、血が邪魔だった。

でも私の肘まで血が伝って来て、私の服も君の血で染まって行くのは楽しかったよ。

遂に包丁が膜を突き刺して、見事に切り裂けたんだ!

もう君のお腹血と油でべったりしててニカワみたいだった。

智也君はまだ暴れてた。

包丁もうダメになってた。


お腹の傷の中に指を入れて強引に広げた。

智也君がまたヘドバン始めてた。

ヒュッヒュッてめっちゃ早く呼吸しててちょっと面白かったんだ。

ピンクっていうか赤と白が混ざったって言うか、熟成しきる前の桃見たいな色をした腸を私はいよいよ見たんだ!

その美しい事と言ったらもう!

智也君が暴れてるのでさえ忘れるほどウットリ眺めてた。

それを恐る恐る掴んで見た。

不思議な感触だった。豚肉で巻いたプリンを握ってるみたいだった。

それを遂に引きずり出したんだ!

面白かった!

すごく!

腸と腸を繋ぐ膜があったからそれを包丁で切りながら引きずり出した。智也君はグッタリしてた。


仄暗い照明でヌラヌラ光った腸はより一層美しかったよ!

私は腸を持って智也君を見たんだ。

波立ちヨダレとで汚れ切ったクシャクシャの顔。

血と体液と油で染め上がった服。

君から引きずり出されたプリプリの腸。

メチャメチャになった君。

ああ!全部が美しかった!

今まで見たどんな世界遺産の写真より!

どんな宇宙の写真より!

どんな旅行先の景色より!

ずっとずっと!!智也君が綺麗!

メチャメチャな君が大好きなんだ!

じゃあ智也君。電車ごっこしようか!


君とに電車ごっこをするこの瞬間をどれだけ待ち侘びたか。

どれだけこの夢が叶うのを願っていたか。

私は智也君の足の拘束してたロープを切った。

智也君はヒューヒュー息するので精一杯で逃げようともしなかった。

腸を頭からお腹に通す瞬間は今でも忘れられない。

ピアノのコンクールで金メダルを首からかけられた時より、智也君からもらったネックレスをかけてくれた時よりも、幸せだったんだ。

腸を握って後は準備オーケー。

血の滴る腸が私と智也君を繋いでた。


じゃあ、智也君。行くよー!


私が走り出すと智也君はビクン!と起きてトットトッて感じで付いて来た。腕をぶらぶらさせてひ弱について来た。

私はそんな君を顧みないで腸を掴んで走った。

走って走って走った!

ああ!楽しい!!

とっても幸せだったよ!

子宮がジンジンする程に興奮してたんだ!

興奮が止まらなかったの!!

すっごく楽しい!!

やばい!

ずっとこの時間が続けばいいのに!

この世のどの快楽にも勝る楽しさだったんだ!

智也君!楽しいね!!

智也君大好き!!!

楽しい!

楽しい!!

楽しい!!!

夢が叶ったんだ!!!

子供みたいに笑って電車ごっこをしたんだ。

私と智也君、腸を伝って一つになってるんだって思った。

夏希の気持ちもちょっとわかる気がした。

私が右へ左へ曲がる度に腸がズリッズリッて音を立てて智也君から出てきた。

君はもう腸がこれ以上出ないように必死について来てたね。

かわいいなぁ!

ヌルヌル滑る腸を何度か握り直して、私は廃ビル中を駆け回ったんだ。

すっごい面白いもの。時間も忘れて楽しんだよ。

でも私が電車ごっこを楽しんでると君が倒れちゃった。

もっと私は電車ごっこしたかったけど、遊び疲れちゃったのかな?

もっと遊びたかったのに...

でも、すっごい面白かったよ!!

智也君も楽しかったよねぇ!

私の夢を叶えてくれてありがとう!

腸をうどんみたいに出して、黒の髪をぐちゃぐちゃにして、栗色の目で遠くを見つめながら地面に横たわる君を見て美しいって純粋にそう思ったんだ。

メチャメチャに壊れた日常の君をみて私は幸せだったんだ。

智也君。ありがとう。

私もちょっと疲れて眠くなって来ちゃった。

少し寝ようか。そしたらまた電車ごっこしよ。

...じゃあ、おやすみ。






















ほら、やっぱり楽しかったじゃない。

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