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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
プロローグ:二度目の世界に行きました
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05.クラスメイトを考えよう_2日目

前回のまとめ

1.母親に色々な事情を説明した。

3時間30分に及ぶ母さんの説明をして、カップラーメンを食べた後、部屋に戻った。

(じゃ、宝探しをするかな)

宝とは無論、クラスの集合写真である。


部屋の中をぐるりと見回す。

(うーん、渡されても一度も見ないし、本棚かベッドの下に放置かな?)

ちなみに、一度目の世界でも集合写真を全く見ていなかったりする。

勉強机に置いてあった懐中電灯を手に取り、姿勢を低くし照らしてみる。

(あれ?無いな。普通は男子学生特有の本が隠していたりするんだけど。どころか埃すらない)

あまり性欲はないのかな?と他人ごとのように考えた。


次は本棚の最上段を見てみる。

(あのゲーム、このゲーム、そのゲーム、って全部攻略本じゃないか!)

段数は全部で六段、少し離れてみてみると、上半分はゲーム攻略本、下半分は教科書だらけだった。

(はぁ…。一段ずつ確認していくか…)


20分経って、最上段から三段目(ゲームゾーン)まで確認したが、それっぽいものが紛れ込んでなかった。

じゃあ、残り下三段(勉強ゾーン)を見るか…。と腰を屈んだ。


10分後。

(ぜ、全然ない…。もしかして、処分した?)

本当にそれらしいものが無い。それどころかところどころ漫画が混じってる。

諦めて漫画読もうかな…?と本棚の左側に座った。

ボーッとし、本棚と壁の隙間を見続ける。隙間に入ってないかな~と、まじまじと見た。

(あーー、やっぱぁ、なぁ・・・、あった)

諦めながらも下を見ると、とても薄い紺色の冊子を見つけた。

なんでこんなところに?と思いながらも手に取り、開いた。

(なんでこんなところに?まあいいや、どんn、・・・・・・・・・・・・・・)

写真を見て押し黙り、冊子を閉じて本棚の後ろに戻した。

(・・・・・・・・・・・・。これはないなぁ)

クラスメイト全員の顔があった。全部あった。黒く塗りつぶされていた。

全員の顔を真っ黒に。おそらく油性ペン。

(・・・・。過去は暗いなぁ。過去が見たくないからここに隠した。なら、隠したい闇は深く見ない)

見せたくないのなら見ないでいい。すぐに思い出すなら忘れればいい。

一度目の世界では、唯一の特技だ。

(・・・・・。記憶に頼ろう。がんばれ僕。二十人全員を思い出せ)

本棚の左に座り、目を瞑る。


・・・・・・・・・・・・


ブーーーーーーー!ブーーーーーーー!ブーーーーーーー!


ん…。と目を擦って周りを見た。部屋は暗い。いつの間に眠っていたのか、夜になっていた。

そしてこの音は携帯電話のバイブレーションが鳴っていた。

勉強机の上に置いていた携帯電話を手に取り、画面を見る。

(登録されていない電話番号…。おかしいな、母さん以外に電話番号を言っていないのに)

画面には電話番号が表示されていたが見覚えがない。

とりあえず電話を出てみることに。


「もしもし…」

「もしもし!古戸英子さんのお子さんですが!?」

かなり急いでいるらしい。流されやすい僕は、

「え、あっ、はっ、はい。」と急いで返事した。

「そうですか!?今、あなたのお母さまが大変なんです!病院に来てください!」

「今すぐ行きます!」

電話を切り、部屋から、家から飛び出す。

この街に病院は一つしかない。


2時間後、部屋に戻った。

病院で診察中の母さんは倒れたそうだ。

集中治療室に運ばれ、様子を見ているが起きる気配が無いらしい。

ガラス越しにみた母親の顔は、無表情に目を閉じて眠っていた。

(・・・・・・。ありえねぇだろ。こんな間の悪い出来事なんて。漫画じゃないし)

心の闇を垣間見て、いつの間にか眠っていればたった一人の身内が倒れるなんて。

ほんとに間が悪い。魔が悪い?うまくねぇわ!

(・・・・本当にうまくない。)


ベッドに転がり、眼を瞑り、ガラス越しに見た起きないであろう母親の姿を映し、意識を手放した。



二日目終了。

お読みいただき、ありがry)誰も読まないからいらないよね?

1.集合写真にて心の闇を垣間見た。

2.母親が倒れ入院。

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