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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
第2章:異世界生活は出来るのか
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15_作戦内容と立ち回り

よろしくお願い致します。

モチベーションダダ下がり。残業疲れで吐き気と頭痛、不眠に眩暈(平衡感覚が狂う)に苛まれる…。

 僕らは冒険者ギルドへ出るとレイの提案で一度宿へ行くことにした。なんでも屋根の下で相談した方が楽な話なんだって。喫茶店とかレストランじゃ相談も出来ないもんね、お金が無いから。

「あの宿ってさ、店主が避難したから使えないんじゃないの?」

「使えればマシってだけよ。使えなかったら歩きながら相談になるけど」

 立って相談するよりは座ってた方がまぁ楽だよね。レイの横に並んで歩き向かっていった。


 宿に着いたが鍵が掛かっていて入れない。やっぱり避難済みで誰もいないらしい。

「誰もいないみたいだよ。やっぱり避難してるんだよ」

「仕方ないわね、歩きながら話すわよ」

 僕らは歩いてきた道を戻って相談をすることになった。

「でも、会議というか依頼はどんな内容なの?」

「ゴブリンの掃討作戦ね。簡単に言うと森に集落が作られていて隊列を作ってるらしいわ。そいつらがこの街へ攻め込むから防衛しようってことよ」

(ゴブリンがここへ攻めてくる…。それだけしか分かんないじゃん)

 本当に簡単な説明でなんとなく理解はできる。でもどれだけの規模で攻めてくるのか、親玉はいるのかなどの情報が全くないため想像しにくい。

「細かく言うと、相当の数がいること。偵察隊を派遣したらしいけど数えきれないくらいいるらしいわ」

「それって集落全体のゴブリンが攻めてくるから数えきれないってこと?」

「たぶんそうかも。だから個体数は1000体はいると多めに見積もってもいいと思うわ」

 その数を聞いてロウタは嫌な顔をする。1体が弱いとしても全滅させるのに相当の時間を掛かる。たとえ現実ではなくゲームの話だったとしても途方もない数字だ。

「その中には装備を整えているゴブリンもいるんだよね。ゴブリンナイトとか」

「そいつもいるはずよ。ゴブリンって種類が豊富なのね」

 その知識はペイリルからの知識かしらね、と続けた。

「ペイリルさんから聞いたよ。魔法を使う種類もいるらしいし厄介だろうね」

「手こずる情報が出てきたわね…。あと私たちの配置なんだけど城壁で守備することになったわ」

「えぇ~…」

 ロウタは落胆な声を上げた。前線で暴れるつもりだっただけに残念がる。

「後ろで控えているだけで良いんだからむしろ好都合よ。本当に緊急事態なら動けばいいのよ」

 レイは軽い口調でこう言った。僕らの事情がばれないよりはマシかな、と思い直すことにした。

「前線はやっぱり高ランクの人たちが行くの?」

「そうよ。Aランクが先陣切ってBランクと一部のCランクが後続で進むらしいわ。CとDランクは城壁の守備と魔法で遠くから倒してもらうって。だから私たちは城門前で待機して討ち漏らしたゴブリン倒すことになるわね」

 歩いている大通りは閑散としていてちらほらと冒険者たちが見える。鎧や剣の準備や相談をしているようだ。残りは城門に集まっているかもしれない。

「ほかの人たちはもう城門に集まってるのかな。もう待機してたりして…」

「待機してるんでしょうね。だってこの街にゴブリンが攻めてくるのがそろそろなんだから」

「えッ!?そうだったの!?」

 攻めてくる時間を聞いて勢いよくレイへ顔を向いた。

「じゃあ早く行かないと!新人が遅くなるっていけないんだよ!?」

「あんたの思考ってホント社畜っぽくなってるわね…。もう着くから大丈夫よ」

 少し先には城門とその出口には冒険者たちが多く集まっていた。もう何時攻めてきて良いよう既に待機していた。


 レイが言うには、街の中で待機して、重傷を負った怪我人を運ぶことが役割らしい。打ち漏らした魔物を倒すこともあるけど、街の中へ到達するまでには外で待機している騎士、冒険者たちが倒しているだろうからそれだけ専念することになるとか。前線に立つよりも楽ではあるけど忙しくなることは間違いないだろう。

「でも僕は腕ないけど、どうしておけばいいの?」

「魔術師は城壁の上で魔法を行使して、遠距離攻撃を行うけどそこに参加したら?でもその前にあんた、遠距離攻撃を考え付いたって言ったわよね?行く前にどうなったか聞かせて」

 確かに冒険者ギルドでペイリルと一緒にどうすれば広範囲魔法の相談した、とそう言った。改良の余地もあるだろうし意見を聞いたほうがだろう。ロウタはそう考えてレイにこう伝える。

「シールドを矢の状態にして大量に複製、そして相手に射出する魔法だよ」

「却下ね。そのやり方は使えないわよ」

 ロウタが伝えた魔法をレイは否定する。

「シールドって動かす範囲があるはずよ。だから遠くに飛ばすことなんてできないわ」

「ん、そうだったっけ?脳内シミュレートしてたからわかんなかったけど」

 頭の中でペイリルと一緒にシールドの使い方を相談していたからか実際にどうなるのかわかっていなかった。

「土壇場で試さないことね。シールドなら武器で使うほうが手っ取り早いわよ」

 実際に試していったほうがいいのかな。そう考えて数十分待機していると前線が戦い始め負傷者が出たことが城壁から聞こえ始めた。()()()()()()()

お読みいただきありがとうございました。


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