10_道具屋での出来事①
よろしくお願いいたします。
数カ月、投稿しないで申し訳ないです。
ちびちび書いていきますんでよろしくお願いします!
「うぅぅ、疲れたぁ…」
「身体はともかく性別は男なんでしょ。もう少し根気出したら?」
「それでも体力はないんだから限界は短いんだよ」
今は踏み固めた道を歩いて街に向かっている。あれから草原を1、2時間ぐらいレイと練り歩いた。歩いた感想は、敵が出てくる異世界では歩くだけでも神経が削れる。
まず草原に自生している草は腰ぐらいの高さまで伸びていて、どこに魔物が潜んでいるのかも分からないから警戒しないといけない。最悪、全方位から来るかもしれないし。そしてここら一帯の大地もあまり歩きにくかった。少しだけ深い窪みが点在していて、時々足に突っ込んでしまうことがあった。流石にその時はかなり焦った。
練り歩いている間に出てきたゴブリンは全てレイが倒した。あのバットを振り回して腕に当てれば骨折、頭に当たれば首が折れてほぼ即死。頼もしいね!でも本人が言うには「即死じゃなきゃ意味ないじゃない」とか言ってるけどあれだけの攻撃が出来れば十分だと僕は思う。
そして僕らは街に戻り、街道を歩いていく。
「フォレストウルフとやらが出てくるらしいけど、ゴブリンしか出てこないのはおかしいわね」
「そう?4、5体の集団で襲ってくるゴブリンも出てくるし、普通じゃないの?」
ここの普通は全く分からないけど。
「てきとーな事言って…。もういいわ」
悩んだり苦労することはあるけど深く考えないことが楽しく生きる道。
「ただ考えていないだけじゃない」
思考を読まれてた。合ってるんだけどね。
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ギィィィ・・・。立て付けの悪い入口が開いた。
(珍しい…、こんな道具屋に来るが来ようとは…)
受付として座っている椅子にゆったり座りながらのんびりと思った。女の子の顔立ちをしている子供とその長女らしき女性が近づいてきた。一か月毎にやってくる役人とは違うらしい。
エルフの国から離れ人族の貴族が管理している街に許可を取り、道具屋を開店して数百年。あまり客が来ない日々もあったがその間は少しでも儂なりに回復力や毒の効果を上昇させると言った薬品を作り続けた。ここ数十年は客がばったり来なくなったが。
「ねぇ、傷を治す薬ってある?」
「傷を治す薬…。ポーションのことでいいのかい?」
儂は普通のポーションを机に置いた。真っ赤な液体を瓶に入っているごく普通なものだ。女の子は興味深そうにポーションを見入っていた。
「これがポーション…。苦かったりする?」
「飲む人それぞれじゃのう。苦いと感じる人もおれば甘いと感じるらしいの」
ふーん…、と一人唸る女の子。薬品を作ることに興味があるらしい。
「ねぇ、表の看板が見えなかったけどここは道具屋で合ってるのよね?」
「看板が見えなかったとのぅ…?あぁ、かなり前に見えにくくするよう、魔法を掛けたんじゃったのう」
かなり前、と言っても数十年前にそんなことをしたような気がする。それで客がばったり来なくなったのか。
「開店してるぞ。看板は見えにくくする魔法を施してのぅ、魔力が少ない者は見えないようにしていたんじゃ」
「なんのためにやったのか…」
「理由はないのじゃがのぅ。理由を付けるとしたらなんとなく、じゃ」
「ポーションって僕たちでも作れるの?」
興味深い目で見ている女の子が聞いて、儂は眉を真ん中に寄せる。買うのではなくて作る?
「道具と材料、技術があれば作れるが…。買わないのかい?」
「うーん、値段は?」
困った顔で聞き返してきた。あまりお金がないらしい。この娘から血の匂いがキツイことを考えれば、どこか傷を負っているのだろう。治療が出来ないから少しでも回復できるようにポーションを買うとかかもしれぬ。
「一本、大銅貨一枚で売るよ」
「なら3本ちょうだい」
女性が大銅貨3枚を机に置いた。ようやく物を売ることができたのぅ。
「お嬢さん、どこか怪我してるのかい?血の匂いが強いようだが大丈夫かい?」
「え?…そうだね。腕に大きい傷が出来てて、治療しないといけなくなったんだ」
「ふむ、良ければその傷を診せてもらえないかい?」
…どれだけ大きい傷かは分からないが、かなり血の匂いが強い気がする。女の子は首を傾げて、次に女性へ顔を向けた。どうしようか伺っているようだ。
「うーん、お金掛からないよね?そうだったらお願いしたいけど…」
「なに、お金はもらわないよ。治療出来ないこともあるかもしれないからねぇ」
こんな老いぼれがお金を大量に持っても意味がないからのぅ。
「じゃあ、お願いします。結構大きいんだけど出来ますか?」
女の子が腕を真上に上げて裾をずらした。そこにはあるべきはずの腕が無かった。
お読み頂きありがとございました。




