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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
プロローグ:二度目の世界に行きました
5/60

04.母親に問い詰められる_2日目

前回のまとめ

1.二度目の世界に移動したことを実感

2.母親は大病を患うことを知った

3.やっぱり主人公は男の娘である

目が覚めた。そりゃあもうぱっちりと。

上半身を起こし、両腕を真上に伸ばして伸びをする。

(うーんッ…、ふぅ。こんなにすっきりと起きられたことは何年振りだか)

一度目の世界では眠っても疲れが取れず、起きても頭が回らないことが日常だった。

こんなにすっきりと起きれたことにいい気分になっていると。

(・・・・・・。やっぱり、この部屋だよな)

今は17歳になっていること、男の娘になっていることに気付き、憂鬱となった。

(当時は鬱に近いマイナス思考を続けていたが、二度目も同じかな?)

当時というのは一度目の世界のことである。将来、成績が悪いから卒業してアルバイトもできなくなったら|人生の卒業(自殺)をしようと決めていたっけ。


(まぁ、29年生きてきて、良いことも悪いことをあった。あほじゃないけどプラス思考に行ってこうか!男の娘はあれだけど)

一度目の世界では70歳くらいか?その人と一緒に仕事をして怒られることもあったけど、どこか会話が楽しかったんだよな。

じゃあそこを目指そう!と活きこんだ。


(ってか、二度目の世界だから、仕事はないのか。昨日は忘れてたけど大丈夫だな)

昨日の朝は起きたとき、学生かどうか急いで確認したことはこれが理由である。体が変わり、たとえ誘拐されても仕事がある。遅刻してはいけないと、社畜精神あっての行動である。


(今日は、クラスメイトについて調べなきゃな。まぁ、部屋の中に最低限あるはずだ)

進級してすぐにクラス写真を撮ってた。すでに配布されているはずだから部屋にある、はず。

(まず顔洗ってこよう)


部屋を出て、リビングに行くと、母親がいた。

「おはよう」

「ん、おはよう」

「昨日は帰り遅かったね?」

「いや、遅くない。門限までには帰ったよ」

「顔を洗ったらここに来なさい?」(威圧)

「え~…。今日やることが…」

「ここに来なさい?」(威圧)

「・・・・・。でも」

「来なさい?」(威圧)プチプチと、何かが切れる音がした。

「はぁ、分かったよ…」

そう言い、洗面台に向かう。

顔を水でバシャバシャと洗い、どういうことか考える。

(門限守ったのにどうしたんだ?結婚相手を紹介するとか?いや無いな。昨日のニュースのことだな。きっと)

それ以外にはないかと考え、髪の毛を後ろに縛った。


リビングに戻ると、机の上にパン三枚と焼き魚、みそ汁が置いてあった。

(なんて微妙な組み合わせ…)

そこはパンではなくご飯だろうと、突っ込もうかスルーするか考えていると、

「ごはんが無かったからパンよ。同じ炭水化物だから大丈夫」

・・・・どうだっけ?と考え、考えないことにした。

「でなんの話?」と振ってみる。

「昨日、特定検診を受けたわ。再受診だって。」

「うん、そうらしいね。受診結果みたし」

「あ!あんた見たの!?驚かそうとしたのに!」

「悪い受診結果で人を驚かすな!で、再受診はいつするの?」

「今日するわ。ここ一週間は休暇取っているから」

その言葉に目を丸くする。

「一週間!!そんなに休むの!!」

「なんでそこを驚くの!」

そういえばそうだ。

「まぁ、お気の毒。再受診行ってきてね」

「午後には行ってくるわ。聞きたいのは昨日の交通事故についてよ」

一呼吸置いて。

「昨日の夕方のニュースだけど、猛スピードで人通りの多い時間帯で車が突っ込んだわ。文字通りの大惨事ね」

「ふーん、本当に起きたんだ。今も朝のニュースに出てるぐらいだもんね」

ブラウン管のテレビを見ると、女性キャスターが報じている。

「単刀直入に聞くけど、なんで分かった?」

予言ねぇ。ってなんで母親と腹の探り合いしてんだ。母さんは探偵じゃないだろ、と考えなおし。

「てっててー」とテキトーに歌ってはぐらかしてみる。

「てててててってrスコーーン!とプラスチックパイプが頭に当たった。

「何をはぐらかしてるの!?こっちは犯罪を手引きしたんじゃないかって疑ってんだよ!?」と母親はぶちぎれた。


ぅぅーー、と頭を両手で抑え、涙目で必死に痛みをこらえていると、

「あんたの事情を知りたいの。交通事故を手引きしても育てたあたしの責任だから、あんたが全て悪いわけじゃないんだよ?だからどうして分かったの?」


あぁ、確かにそんな考えもあるな。育てた親が全て悪いんじゃなく、手引きをした子供、そしてその状況に気付けない親も悪いと。まぁ、一般論か?だから責任は親だけじゃないって考え方。でもあいにく僕は手引きしていない。


「話は長くなるよ。かくかくしかじかでさぁ」

「ふーん、ってなるか!」ばしん!と今度は頭をはたかれた。


「はぁ、分かったよ。話すから暴力振るわないで。ね。いいでしょ?」

「素直に言いなさいよ。いいわ、あんたの好きなタイミングで言いなさい」

お茶用意するわ。と母さんは席を立った。うーん、なんて言おうか。

...............


結局この二つを大雑把に説明した。

1.29歳の未来の自分であること

2.大きい事件やイベントは概ね起きるらしいこと

1は簡単に未来の自分が過去の自分に乗り移った、的な話にした。

2は29歳までの大きい事件や事故、一大イベントを分かってるよ、てことを話した。

説明下手な僕に、母親に理解させるのはかなり時間が掛かった。

この話をしたのが10時頃、やっと納得できたらしく頭をうんうんとうなずいている母親だが、時計を見ると13時30分。

大体3時間30分、説明したことになる。疲れた。


「やっと理解したわ。要は今のロウは29歳独身のロウで、何かしら一大イベントや大事件を知っているわけだね?」

「全然覚えてないけどね。昨日の交通事故はたまたま思い出したわけだし、今後思い出せるかって言われても多分無理だよ。あと独身は余計だ」

「じゃあ、あたしを受診させるために言ったわけだ。説得力を少しでも上げるように」

「そうだよ。実際、異常を発見できたから、文字通り不幸中の幸い、だね」

「でも、交通事故は頂けないわね。他人の死を利用して、異常を知らせたんだから。ロウは何様?」

「お子様ですー。優先順位は他人の死より身内ですー」てきとーに返答した。

「うまくないわ!」はぁ・・、と母さんはため息をついた。

「ロウの心境はなんとなく理解はしたわ。よくない心境だけどね。あたしは病院行く準備をするから」

「はーい。行ってらー」


母さんは出かける準備に行った。



お読みいただき、ありがとうございました。

まとめ

1.母親に色々な事情を説明した。

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