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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
第2章:異世界生活は出来るのか
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07_買取と焼き鳥

遅くなりました。

最近は命を削って延命中って感じですね。

私は眠りこけたロウを担いで空中に固定されているシールドから降りた。

(ペイリル、シールドを消して)

『分かりました』

休憩で座っていたシールドが消失する。

(魔法の解除も出来るのね…、スキルなのに魔法も行使できると)

『スキルに成ってしまいましたが、最上位ではありますので』

(元が創造神だから、そこらのスキルよりも格上なのね…)

ロウを草原に下ろして様子を見る。

顔を綻ばせて眠る彼は女の子に見える。でもこう見えても男の娘だから世も末だ。

私が警戒すると言ったが、自分でも何かしら警戒をしないのは油断しきっている証拠。どこかで叩き強くしなきゃいけないわね。

よくわからない真っ黒のドラゴンから創られたバットを片手に持ち、周りを見渡す。さて、警戒の時間だ。

『レイさんは眠らないのですか?たとえ肉体は人形とはいえ、人格は独立しているのでしょう?』

確かに私の人格は独立して考えるようになったけど、睡眠は必要ない。

「私はこの肉体で言葉を発しても動いても、最終的はロウの頭の中で存在しているのよ。だから睡眠なんて要らないわ」

このまま何事もなく過ごせればいいけど。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「…うーーん、ん」

上半身を上げて目を擦って…、擦れない。目をしょぼしょぼと小さく瞬きをして腕を見る。

手が無いんだった。目が擦れなくて辛い。

「おはよう。幸せな(つら)い起床ね」

「…おはよう」

なんか、色々と皮肉ってたけど気にしない。

「水を作って顔を洗いなさい。あんたの顔、凄い疲れているわよ」

「はーい…」

生活魔法の水を生成して、空中に球体で浮かせる。顔を突っ込んでぐるぐる回す。これである程度は汚れを落とせるはず…。

顔を洗った水は地面に捨てて処理は完了。

「少しジっとしてなさい」

「なんで?」

「良いから」

なんかあるの?

長い袖を持って僕の顔を拭いてくれた。

(…水気が無いだけマシか)

風や熱で乾かすと痒くなるから拭いてくれるのは良いけど、僕の袖なんだよね…。

「あんたの顔だからよ。私には関係ないからね」

確かにそうなんだけど…。


「さて、今日は何する?」

「うーん…。何しよう?」

今日は何をするか…。昨日は冒険者登録をしたから街に入れるようになったし、そうだなぁ。

「薬草を売ってお金に変えよう。で、なんか食べに行く」

「ふぅん…。薬草を売るのは良いけど、食べに行くの?HPがハイフンだから死なないんでしょ?」

HPがハイフンって…。

腕を切断して血を噴き出しても生きてるぐらい生命力がすごいのは体験しているけどさ…。

今すごいお腹空いてるんだよ。

「たぶん身体は死なないだけで、食事を取らないと餓死は体験できるじゃないかな」

絶対に経験したくないけれど。餓死の場合は恐らく死ぬ程空腹に苛まれるんじゃないか。それで動けなくなるけど死ぬことは無いから空腹感を経験し続けるかも。

「とりあえず薬草を売って、お金になったらご飯を食べに行こうか」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


僕らは冒険者ギルドで薬草を5束だけ買い取ってもらった。レイが採取してきた薬草はかなり量が多いから、とりあえずはこれだけ売ってどれだけお金になるのかを検証した。

結果は銀貨4枚なり。

物価は分からないから報酬として多いのか判断できないけれど、少し多いのかな?と受け取った時の印象だった。

因みに、同業者からの変な絡みは無かった。今日と明日を生き抜くのに必死だからそれどころじゃないのかもしれない。

「ロウ、それは私たちも同じよ」

そーでしたー。


冒険者ギルドから出て、人通りが多い道を歩きながら考えた

「銀貨四枚は、少ないのかな…?」

「どうかしらね、城で本を読みまくったんでしょ。なんか覚えてないの?」

うーんと、そうだな…。

「大体、銅貨と銀貨と金貨の三種類があって、100枚単位で銅貨から銀貨、銀貨から金貨に繰り上がるんだって」

100枚単位で硬貨は銅貨、銀貨、金貨

だから銅貨150枚だと銀貨1枚と銅貨50枚になる計算だな。

「ま、露店もあるしそこらで何かを買って、計算が合ってるかやってこうよ」

「聞く選択肢はないのね」

「どうせ変な目で見られるだろうし、試した方が早いよ」

計算がぼったくられるかもしれないけど、その店に行かなければいいし。


「焼き鳥?1本銅貨8枚だよ!」

周りの喧騒からも聞こえるように露店の人が値段を言った。

「5本ちょうだい」

レイは銀貨を一枚だけ手渡す。

「あいよ!えっと、銀貨だから…。大銅貨6枚だね!」

大銅貨と呼ばれるコインを6枚、レイに渡された。

「あんたの知識、役に立たないわね」

大銅貨を一枚、右手で遊びながらそう言う。

「初めて聞いた…。大銅貨って銅貨10枚分なの?おっちゃん」

ちょっと子供っぽい口調で露店の人に聞いてみた。

「おう、そうだぞ!あと嬢ちゃん、俺はまだ若いぜ!」

ニカっと笑うおっちゃんはだいぶ漢らしいです。前世でもこんな風に生きてたら…。

「はいよ!焼き鳥8本!」

僕に渡そうとするおっちゃん。僕には腕が無いんですよ…。

「どうも。私が持つわ」

横からレイが焼き鳥を取った。

「ありがと」

「おう!仲のいい兄弟じゃないか!元気でな!」

兄弟じゃないんだけど。


お読みいただきありがとうございました。

微妙に切ってしまいました。

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