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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
プロローグ:二度目の世界に行きました
4/60

03.周辺を探索しよう_1日目

よろしくお願いします。

前回

1.久しぶりに母親と会話

2.母親に検査を受診するよう説得

3.男の娘になっていた

部屋に戻り、勉強机の椅子に座る。

部屋の内装を見ながら物思いにふける。

(母さんに話したけど、ちゃんと病院に行くかな?心配だ)

古戸(ふるど) 朗太(ろうた)は今は将来や成績の心配でギスギスしているが、内面は素直で楽しいことは参加したい、子供な性格ではある。もちろん小さいころは悪戯ばかりをする悪ガキだが、周囲の軋轢を感じ、徐々に大人しい性格になっていた。むしろ大人しすぎると言ってもいいぐらい。


(行かなかったら明日に行かせよう。とりあえず、今日はどうするか?)

病院に行くかどうかはともかく、今日はどうするかの予定を考える。

徐々に思い出したけど、夏休み序盤に全ての宿題終わらせているな、僕。もしかして一度目の世界よりもかなり頭いいんじゃないか?

だから宿題なんて勉強机に広げていないし、ゲームができる環境になっているわけだし。


学生にとってはうらやましいことを(一度目の世界にいた僕も含む)、二度目の世界では普通にできるらしい僕に誇らしく思う。一度目の世界なんて関係ないけど。

(うーん、近くにネットカフェがあったな。じゃあ、周辺の街並みを見ながら向かおうかな)

ちなみに今の服装は黒い生地を使ったパジャマである。だぼっとしている印象がかわいく見えてしまうのは自分目線の色眼鏡のせいだと思いたい。頭を振って思い直しタンスの棚を引っ張る。

(・・・・・・・。なぜスカートやニーソックスとか、女物が多いの?)

タンスの中には女性が着るような洋服が多く占めており、下着に至ってはなぜか女性物がいくつか混じっている。股を触っても僕のムスコがあるのは分かるから、こんなもの買う必要はないはず。と最後に一番下の段を開けてみてると手紙が置いてあった。



ロウは女の子だから、これから女性の恰好をしようね♪

by.年長者の家族こと母より



「・・・・・・・・・」

これは母さんが仕掛けたとそう考えが到達し、手紙を持ってびりびりに破っていた。記憶をあさると、このルックスで女性と間違われることが多いため、男性物の服装をできるだけ買っているらしい。これで女装癖の線はなくなった。ちなみにロウとは僕の愛称で母さんしか言わない。

探しては洋服を着て、探しては洋服を着てを繰り返し、割とましな恰好になったので入浴してから着替える。

お金は母親が管理している。なので小遣いをもらうために母親の部屋へ。リビングに姿が無いことは風呂に向かう途中でわかっている。母親に近くのネットカフェに行くことをいい、5000円札をもらった。「あぁ。これが娘の成長なの…。」と抜かしたので「男や!」とチョップをかました。母親はこんなにボケているのかギャグ好きなのか分からない。今はもう確認できないことだが。


気を取り直し、スニーカーを履いて外へ繰り出す。

街並みを行ったことのない所へ移動したり、こんな店あったなーとかこの建物なくなったなーと思い出にふけながら歩き回ること1時間後。

(・・・・・。感傷に浸っている場合じゃない。結論、記憶に建物の相違はない)

ずっと散歩していることに気付き、色々と久しぶりな光景に見とれて目的を忘れていた。ただ、壊されたはずの建物があり、新しく作られたはずのデパート、アパートが無いのはあり得ないことだ。たった一人のドッキリにしてはあまりにも大掛かりすぎる。

(そうだ。この時期に通っていた小学校が取り壊される予定だっけ)

その小学校は別の土地に移転したため、元の土地にある建物は取り壊されるはずだ。そう考え、そこへ向かう。

残っていればここは本当に二回目の世界だろう。逆になければドッキリの可能性が低いながらも残るが…。

はたして。


・・・・・・・・・・・・・・・


(・・・・・。ある。残っている)

小学校は残っていた。花壇や建物にヒビが入り、取り壊しに使うであろう重機が用意されていた。

(本当に、二回目の世界、なのか…)

そう、残っていた。社会人になって帰省し、一度小学校がどうなっているか見たが、既に取り壊されていて何も残っていなかった。

本当に二回目の、17歳に戻っていた事実に実感しながら、ネットカフェに向かう。店員がやたら顔を見ているのは好みだからか。

直感でそう気づき、早々に個室へ入る。

(気持ち悪い視線だったな。女性の人ならこの程度はわかるかな?いや、僕は男だけど)


気を取り直し、インターネットで情勢を調べる。この国で流行っていることや政治、外国の現在の大統領から人気の携帯電話の機種など。あらゆることを一度目の世界と比較して(覚えている限り全て)、技術やら建物やら、本当に違うことを思い知らされた。

(色々比較したり、動画配信サイトやファッションとかの流行しているもの、全てが昔のものだ。たった一人の人間相手にこれだけ情報統制を行うのは異常だし、出来っこない)

つまり本当に、二度目の世界に来てしまったわけだ。


(18時前。門限が19時だったな、帰ろう)

時計を見るといつの間にかこんなに時間が経っていた。今すぐ帰れば間に合うはずだ。

店員に鍵を返し、(今度は無茶苦茶顔を見られた。ウザェ)帰路に付く。


・・・・・・・・・・


家についたが、電気がついていない。

(母さん。休みのはずだよな?)

電気をつけてリビングへ。ソファに寝っ転がった母親がいた。

向かいのテーブルには三本の缶ビールが開いていた。

「おい、母さん。起きろ。風邪ひくぞ」

体をゆすり、時に頬をぺちぺち叩いて起こす。


「ん~。…お~う。ローか~。おはよー」と言ってきた。

「おい、ちゃんと部屋で寝ろ。風邪ひくし邪魔」

言葉が悪いのはかなり面倒くさくなっているからである。

早く移動するよう腕をつかんで立たせる。

「はーい。分かったよー。そのまま寝かせてよぅー」

と言いつつ、母親の部屋で向かった。

「ロー。聞いてくれるー?あたしさー、再受診しろって言われた―」

「あー、病院行ったんだ。やっぱりそう言われたの?」

「そうそう。それにさー、夕方のニュースでさー、本当に交通事故起きててー」

「朝言った、大惨事になる事故のこと?」

「そうー。なんでぇ分かったのー?」

呂律が回らなくなってきたな。

「明日言うよ。今は眠れー」

「ろーかいー」

ベッドに寝っ転がし、数分経つと寝息を立てて眠った。


(空き缶片付けてこよう)

部屋の扉を閉め、リビングに戻る。

机には缶ビールと他に、書類が置いてあった。母親が受けた病院の診断結果らしい。

(「血圧が規定値よりも大きいこと、レントゲン写真を確認したところ異常が見られたため、再受診をお願います。」か…)

この時から体に異変があったことを分かり、やっぱり運命というか、流れはほぼ同じらしいと考えられる。

冷蔵庫にはミートソース、ガスコンロに置いてある鍋にはパスタがあったのでスパゲッティを食べ、自室へ戻る。


今日は色々な事を認識させられた。

男の娘になっていたこと、二度目の世界に飛ばされていること、そして母親が大病に患うだろうこと。

(母さんは早期発見だから割とましだろう。不幸中の幸いだ。僕はどうしよう。この世界に飛ばされて、人間関係とか将来とかやり直す?)

一度目は成績が悪く、将来に心配があったが、二度目は成績が悪くないどころか考えている以上に+αになっているかもしれない。

そう考えればそのまま就職をするのも可能だろう。


(この世界は二度目であることは分かった。明日は、クラスメイトに関して調べよう)

誰かが「ドッキリ大成功!!」と書かれたプラカードを持って、暗い一人暮らしのあの日常に戻ることを期待して、今日を眠った。


一日目終了。


お読み頂き、ありがとうございました。

1.二度目の世界に移動したことを実感

2.母親は大病を患うことを知った

3.やっぱり主人公は男の娘である

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