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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
第1章:異世界へ飛ばされました
20/60

11.無属性魔法の練習

よろしくお願いします。


------------------------

名前:古戸朗太 性別:男性 種族:人族

体力:100 魔力:5000/5000

STR:20  DEF:10


スキル

解析 妄想・空想LV:MAX

無属性魔法 火魔法 水魔法 土魔法 風魔法 闇魔法


称号

【異界の者】 【二度目の生を生きし者】

------------------------


聖属性魔法以外は体得できたし、魔力が5000まで増えた。

(今度こそ無属性魔法の練習だ)

『じゃあ、今までの練習は何だったのよ。暇潰し?』

(いんや、基礎が出来ないで魔法は発動できるかって言われたら出来ないでしょ。野球の素振りと同じだよ)

ただし、朗太は野球なんてやったことは一度もない。

『・・・・で、他の属性魔法も練習するの?』

(やらないけど詠唱は覚えるつもり。周りは信用できないし、変に属性魔法出来ますよーってアピールしたら面倒事が出てきそう)

朗太はあくまで無属性魔法のみ練習するだけだった。

『あんたがそう考えているなら良いけど、そろそろあんたの処分方法をまとまっている頃よ』

文字通りの処分をね、とレイは付け足す。

実際、朗太もどう動けば王城から抜け出し、自由に行動が出来るかを考えていた。でも相手は馬鹿じゃない。

一国を支え、政権を担う国王と非常に優秀な部下たち。

数日前に召喚されて拙い技術の魔法と戦闘に逃げ切れない体力では、いくら逃亡するチャンスは合っても逃げれない。

この広い土地は逃げる相手の庭ならば、隠れてもすぐにバレて連行される。うまく隠れることに成功しても指名手配を実行するだろう。そうなれば確実に捕まる。

(うーん、処分次第では(くら)ますことが出来そうだけどね)

『うまく運ばないわよ。あなたの頭はお花畑ですか?いや、その畑の植物は全て枯れてるわね。ネガティブ精神のおかげで』

(あはは…。とりあえず練習するか。ゲームなら、コマンドや技名を選択しただけで発動できるのになぁ)


発動する魔法は既に決めている。

無属性初級魔法:シールド

具体的には、盾を空中に出現させ、攻撃から身を守る魔法である。

火属性魔法ならフレイムシールド、水属性魔法ならウォーターシールドといった、各属性にもシールドが存在する。

で、無属性魔法はシールド。半透明の板を出すだけの魔法。属性が無い分、消費する魔力量は少ないが、強度も他の属性魔法よりいくぶん脆い。

そんな魔法をなぜ使えるようにするかと言うと、消費魔力が少ない分、多く練習できるし強度はアイディア次第で何とかできそうだから、である。


とりあえず、と朗太は魔力を右手に溜め始める。

ちなみに詠唱する言葉自体は決まっていない。だが、初心者用の魔法書ではこう記載されていた。

「我、あらゆる攻撃を受け止め、弾く盾を求めたり。シールド」

朗太はこの詠唱を読んで、(詠唱長!しかも恥ずかしいわ!)と心で叫んだ。

長く詠唱をすることでイメージと成功確率を上げるための詠唱だが、「恥ずかしさで自殺しそう」と朗太は思った。

なので、朗太自身が恥ずかしくない、ある程度短く詠唱できるようにそれっぽいものを即興で詠唱する。

「我、敵の攻撃を防いだり。シールド」

右手に溜めた魔力は前に飛び出し、胴体ほどの大きさになる薄い灰色の盾が出現した。

朗太は出現した盾を横または前に周り、まじまじと見た。

「おぉ~。一回で出来た。本の内容通りにシールドって薄いね」

朗太は試しにシールドを二回、手の甲でノックをしてみた。

こんこんっ!とベニヤ板を叩いたような音が鳴った。

(どうせ、ここに勤務している人たちやクラスメイト達は、この程度のシールドなんて破れるだろうな)

『一応は、発動できたわね。オメデトウ!コレデアンタモ魔法使イダネ!』

(変な声でネタを出すな)

レイに軽く突っ込み、シールドについて考える。

(うーん、シールド自体は薄いし大きさも不十分。厚く大きくするには…)

手のひらにシールドを触れて、魔力を流してみる。シールドが淵からじわじわと大きくなった。

(大きくはなるけど厚くはならない。どうやって消そうか?)

いまさら発動した魔法の解除を考えた。


・・・・・・5分後。

なかなか消えないので焦り始めた頃、消えろ!と念じるとふっ!とシールドが消えた。

やっとの思いでシールドを解除することに成功した。

(流してた魔力を絶っても消えないからどうしようかって考えたけど、念じれば消えるとか…)

はぁっ、とため息を吐いてシールドの欠点を考える。

1.耐久力が低いこと

2.シールド自体が大きくないこと

(今のところはこのくらいかな?)

『欠点じゃなくてさぁ、うまく発動できるようにしない?まずはそこからでしょ?』

(・・・・。ごもっともです)

暫くの間、朗太はシールドの発動する練習を行った。


・・・・・・さらに30分後。

(・・・・妄想スキルと併用すればいいじゃん!)

魔法の成功率は想像(イメージ)が強ければ強いほど成功率が上がる。

そのうえ、魔力も多く注ぎ込めば、想像(イメージ)通りもしくはそれ以上の結果が出来ると、魔法書には書かれていた。

つまり想像(イメージ)は妄想スキルで補強できるのでは?と考えた。

『その仮定にたどり着くのにどのくらい時間が掛かるか考えていたけど、そこまで掛からなかったわね』

(分かってたんなら教えてよ!)

『いやよ。面倒くさい。天才なんでしょ?』

(天才じゃないんだけど・・・・。では、さっそく使おう)

目を閉じて妄想する。シールドの大きさはこの部屋の扉サイズ、厚さは通常。

妄想の世界で思い描き、目を開いて詠唱をする。

「攻撃から守れ、シールド」

手に集めた魔力の感覚が消失、代わりに思い描いた通りのシールドが目の前に出現した。

大きさはこの部屋の扉とほぼ同じ大きさ、厚さは普通であることを確認した。

朗太は思い描いたことが実現したことに感動し、子供のように(頭の中で)興奮していた。


(おぉ~!やったよレイ!これで魔法をある程度使えるようにできるよ!)

『それはよかったわ。じゃ、今度は少ない魔力で発動しなさい?』

(えぇ~…。もう少し余韻に浸させてよ…)

『別に浸っててもいいわよ。その分、周りはかなりの伸びしろで実力を突き放すけどね』

(うぅ…。分かったよ…)

レイによる言葉だけのスパルタが始まった。

朗太は窓を見てみると、太陽が顔を覗いて、部屋を照らし始めていた。


―――――――――――――――――――――――――――


無属性魔法の練習を初めて四日が立った。

今は人目に晒されることを前提に、中庭で練習している。

目的は「自分なりに練習はしています」とアピールするためと、室内では練習するには狭すぎたのだ。

シールドの練習を始めた日から出てきた、レイからのスパルタ(要求)がかなりスケールが大きくなってきたためである。

始めの「少ない魔力で発動する」から「大きさ、厚さ、形状を自由自在に変形させなさい」まで、発動や形状、状態など、多くの要求が出てきた。その為、広い場所で魔法を発動しても問題のない場所は中庭しか知らないため、そこで練習している。

現在はシールドを複数同時に発動したり、波打った形状やポールに剣、玉など多くの形に変形したり武器として扱うことも出来るようになったり、超巨大シールドを展開することにも出来るほどの技術を上げることが出来た。

無属性魔法はもう一つ魔法がある。それが身体強化。

体全体、もしくは一部に掛けると硬化したり筋力が上がることができると言うもの。

これもレイのスパルタ要求により、体全体から指の爪先までの小さい範囲、複数の体の部位に遠くから掛けることができるようになった。


無属性魔法は基本的な属性魔法ではあるが、ここまで練度を上げた人はほとんどいない。

戦闘を生業とする人達の共通認識は、「無属性よりも属性魔法を使えた方が有益」だからだ。

攻撃や防御、生活などの利用が無属性よりも他の属性魔法が優秀なので、属性魔法を優先で使えるようしましょう、と学術や魔法による教育の一環でもそう教えられている。

そのため何かしら属性魔法が使えるメイドや騎士達は「あいつ、無属性魔法をマスターするつもりか?」と鼻で笑う始末である。


『とりあえず、知っている無属性魔法すべての技術はマスターしたわね』

「・・・・・。辛かったぁ・・・」

放出できる魔力を集めては発動を繰り返し、午前中に空っぽになれば部屋に戻り精神統一を行う。出来る限り魔力を回復出来ればまた中庭で練習をする。

もちろんクラスメイト達の訓練も同じ中庭で行われているため、無属性魔法の練習していることを知っている。

クラスメイトや騎士、メイドたちは嗤っていたが、騎士団長であるガントさんだけは神妙な顔で見ていた。無属性魔法を使えることを解析で分かっているため、どこか思うことがあるのだろう。

ひとまず、無属性魔法の練習は終了となった。

(でも、実際の戦闘では使えるかな?そこが心配だけど)

『そんなものは慣れよ。それに私の方から妄想スキルに焼き付けたから問題なく発動できるはずよ』

話の流れから分かるように、朗太のスキルはレイでも使えるようになっていた。

(じゃあ、また図書室で情報収集するかな)

朗太は立ち上がり、土を払い落して図書室に向かった。

お読みいただきありがとうございます。

小説って難しいですね…。

計画して作らないと…。

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