09.訓練
よろしくお願いします。
古戸朗太が去った後のこと。
「あいつ、明日はちゃんと来るのかしら?」
「ちゃんと来るさ。場所も教えたんだから」
大聖信弘と高井友香がそんな会話をした。
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部屋に戻り、初めにしたこと。
(よしっ、魔法を使えるようにしよう!)であった。
『あの本は信用できる?』
(やってみないと分からないかな。それに、解析)と解析を自身に掛けた。
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名前:古戸朗太 性別:男性 種族:人族
体力:500 魔力:3000
STR:20 DEF:10
スキル
解析 妄想・空想LV:MAX 無属性魔法
称号
【異界の者】 【二度目の生を生きし者】
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(手数と手段は多くしとかないと。解析を見る限りだと魔法が良く使えそうだし)
『それもそうね。無属性魔法だけでも使えればマシかしら?』
レイも同意してくれた。
(とはいえ、とりあえず基礎から頑張ろう!まずは・・・・)
魔法の基礎を全て取得することにした。
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3時間が経過。
体の中にある魔力と呼ばれるエネルギーを感じることから放出やコントロールなど、出来るようになった。
中には属性魔法を球体として出せるらしいので、試しに無属性魔法の魔素を固めて出してみたら。
(よし!上手く出来るようになった!)
手のひらから灰色に発光する球体がふわっと出てきた。念じればいろんな所に飛ばすことができる。
魔力の供給を切ると、球体も消えた。
解析を掛けて魔力の量を見ると
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名前:古戸朗太 性別:男性 種族:人族
体力:500 魔力:200/3000
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(だいぶ使ったなぁ。魔力)
その後は食堂へ向かった。無言で硬そうなパンを三つ渡された。
(・・・・・)
無言で噛り付き、食べていく。最後に一緒に置いてあった水を一気飲みをし、食器が片付けられる。
部屋に戻り、どれだけ魔力が回復したかを確認。
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名前:古戸朗太 性別:男性 種族:人族
体力:500 魔力:450/3050
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(うーん、心もとないかな。でも上限値が少しだけ上がっているのは良いことかな)
本からの知識だが、幼いうちに魔力を使う人は魔法を多く発動できる傾向にあると書いてあった。
なぜ多く発動できるかは分かっていないらしく、理由は書かれていない。
(恐らく、筋肉と一緒で、鍛えれば多くなっていくんだろう)とあたりをつける。
解析を掛けながら魔力を100になるまで使い切り、眠った。
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翌日、訓練に参加した。
みんな、動きやすい恰好をしているが、僕だけは召喚された時に渡された灰色の衣服である。
メイド案内したメイドが昨日以降来なかったためでもある。桶もぼろぼろで使えないため汗も拭えていない。
「よし、昨日と同じように走り込みからやってくぞー!」と、窓から見えた鎧の人がそう言った。
(昨日見た鎧の騎士だね。でも、どこか風格を感じる)
『騎士団長じゃない?解析を掛けたら面白いことが見れそうね』
とりあえず解析。
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名前:エダンカ・ガント 性別:男性 種族:人族
体力:10000 魔力:8000
STR:10000 DEF:500
スキル
剣術LV:9 盾術LV:6 馬術 無属性魔法
称号
【オートブ王国第一騎士団長】
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(おーう、他人でも掛けれるのね。でも騎士団長かぁ)
『どおりで風格があるわけね。大切な戦力になる勇者達の強さが中途半端は嫌だものねぇ』
庭の内側をみんなで5週した頃には2時間が経っていた。
ちなみにこの国の時間は以下の通りになっている。
地球 = オートブ王国
1分 = 1分
1時間 = 1時間
1日 = 1日
1月 = 1月
1年 = 1年
ほとんど変わってねぇ!と突っ込んだよ。もちろん頭の中でだけど。
でも、いくつか変わっていたところもある。
1月と読んでいたが、ここでは1月と呼ぶんだと。
そして、1か月の日数が30日に固定されていること。
他にも月は12回あること。つまり、1~12月まであるわけだ。
ほとんど変わらないのには理由があるらしく、どうも過去に召喚された勇者がこの数え方をしましょうよ!と提案され、可決されたんだとか。
『提案したやつ馬鹿じゃない?季節と月をずれないようにするためにうるう年を作ったり一月の日数を変えて調整しているのに』
(そんな感じで覚えていたけど、どうだろう?合ってるかな?確信はないけど)
その後、木剣を使った素振り100回を行った。
へとへとになったクラスメイト達を一瞥したガントさんは一つ溜息。
「これだけでへとへとになるなんてな。へばっているやつはこれでいいぞ!」
へとへとになったクラスメイト達はぞろぞろ戻っていく。
ちなみに僕はへとへと組です。戻ろうと歩いていると、
「そこの灰色!とまれ!」
灰色?周りを見ても灰色なんて見えない。いや、僕の移っている景色が灰色?
「髪の長い灰色!こっちにこい!」
後ろを見るとガントさんがこちらに顔を見ていた。
うんざりした気持ちになりながらも向かう。
何をするのかを待っていると、ガントさんが聞いてきた。
「私の名前はエダンカと言う。一応、この国の騎士をやっている」
(一応どころか騎士団のトップじゃないですかあなた…)
うんざりしながらも突っ込む。
「僕の名前は古戸朗太と申します。」
『エダンカって言ったのは、家名を隠すためね』
(なんの意味があるんだか…)
頭の中でレイとそんなやり取りをした。
「一応聞くが、昨日は訓練をすると通達したはずだが、なぜ昨日は来なかった?」
「忘れてました」
ほぉ?とガントさんは左眉毛をぴくっと動いた。
「だれに聞いたのだ?通達をした人は?注意しなければならないが」
えー、面倒な人だなー。注意された人は僕のせいだーって責めるじゃん。名前なんて誰も知らないけど。
「はぁ、正直に言うと、通達は無かったです。みんなの声が聞こえた時には始まっていました」
「なるほど。つまり君が言う噂の役立たず…」
既に役立たずの烙印を押されてたのかよ!
「昨日はどうしていた?」申し訳なさそうな声で聴いてきた。
「昨日は秘蔵所?本が多く置いてある建物で調べものをしていました」
ほぉ?とガントさんは興味を示した。
「それは北にある草が生い茂っている所の?」
「えぇ、そうです。入っては行けなかったのですか?」
進入禁止かどうか確認をした。
「いや、あそこは誰も入っていいようになっている。その場所は誰に?」
「…。食堂に務めている料理人さんからです」
「ほぉ。そうか…」
(・・・・・?あの料理人はなんかあるのか?)
「その人は何かあるのですか?」
「いや、なんでもない。役立たずと風潮されているが協力する人はいるのだな…」
(・・・・・。なんでこの人が感傷に浸っているか。本当は僕がやるのでは?)
そんな風に考えた。
「明日はどうする?訓練に参加するのか?」
「いや、明日からは参加しません。魔法をある程度は使えるようにしたいので」
ガントさんが参加するかどうか尋ねたが、拒否をした。
「そうか。分かった。では魔法を使えるようにがんばれ」
「応援、ありがとうございます。では、失礼します」
朗太は足を部屋がある建物に向けて、歩いて行った。
建物、本館?で歩いている途中で気付いた。
「・・・・・・。授業について聞いたかどうか、聞くのを忘れたなぁ」
『魔法を使えるようしたいのに、魔法に関する授業を受けないとかあり得ないわぁ…』
レイがさらっと毒を吐いた。僕もそう思いました。
お読みいただきありがとうございます。
話のテンポが遅いように感じてきました...。




