06.解析
よろしくお願いします。
ブックマークと評価、ありがとうございます!
「これで、魔法適正の確認を終わります。お時間を割いていただき、ありがとうございます!」と紙に何かを書いた直後、クラスメイト達に顔を向けて終了した。
チラッと水晶の前にいた僕を見て、チッと舌打ちをした。
ちなみに僕が最後です。
クラスメイト達は「俺、複数持ちだぜー」とか「一種類だけかー」と和気あいあいとしながら退室していく。担任はこちらに何かを言おうと歩いて来ようとしたが、僕はそれを無視して、退室していった。見送られる視線を感じた。
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廊下に出ると案内されたメイドが話しかけられた。
「ロータ様、わたくしがお部屋へ案内いたします」
と朝のメイドが言ってきた。
何処か壁を作っているように感じる。
「わかりました。案内をお願いします」
と了承したが何も言わずに歩いていく。
朝に眠っていた部屋とは違う方向に、僕は何も言わずについていく。
数分後。
「こちらでお休みになるよう、お願いします」
と案内されたのは木製の扉の前であった。
扉も、簡単に蹴破れそうなほど薄く見える。
扉を開けてみるとタンス、ベッド、机と椅子が備え付けてあった。
これは変わらないが、状態に問題がある。
タンスは扉が壊れており、右側だけ外れかかっている状態でぼろぼろ。
ベッドは粗悪な布団で、掛布団に至っては一枚の布じゃないの?っていうぐらい厚みが無い。机と椅子も同様でボロボロ。足をければ簡単に壊れそうに見えるほど老朽化が激しい。
メイドを見ると「何か問題でも?」と言いたげな見下した目で見ている。
「お食事は一人でお向かいください。体は桶が置いてありますので、王城の裏にある井戸水を汲んで体をお洗いください」
(桶ってあのボロボロになってるやつ?穴も開いてるけど使えるの?あなたの目大丈夫?)心の声で呟いた。
「では、お仕事がありますので、以降は呼ばないでください」と足早に去っていった。
何も言わず、部屋に入り扉を閉める。
ベッドに腰かけると、ダニが発生しているらしく、何かがぴょんぴょんと跳ねた。
『さっすが朗太!やらかすこと、期待していたわ☆』
(最悪の展開なんだよぉーーーーっ!)
レイを盛大に(頭の中で)突っ込んだ。
(一人一人の水晶を見ていたけどさぁ!誰も無属性魔法の反応が無かったんだよ!人っ子一人!)
そう、19人全て何かしら色の反応を示していた。無属性魔法のみ反応があったのが朗太一人だけである。
『この調子だと本当に役立たずとして扱われるわよ。どうするの?』
20人も集まればおのずとランキングが出来上がる。
一位を基準に、こいつはどれだけ使えるかって自然と判断するからだ。
しばらく経って、窓からワイワイと声が聞こえる。
(って、クラスメイトの声か!?)
急いで窓から景色を見ると、クラスメイトが既に集まっており、集団の前に鎧の人が何かを喋っていた。
ここからだと距離が離れているため何を喋っているのか分からないが、
『どうも、見た限り訓練のように見えるわ。早々にハブられたみたいね』
(・・・・・・。マジかよ。これはもう、元に戻れないな)
魔法適正の確認までは、まだ一緒に行動はできるように立ち回れた。
だが、こちらに訓練を行うという連絡は回っていない。
いや、わざと回していないだろう。
しばらくの間、床に座り背中は壁に預け、項垂れた。
『朗太。あんた、夢を見たわよね?』
ある程度、時間が経ち感情が落ち着いてきたころにレイが話しかけた。
「夢?確か、大木に話しかけられる夢なら見たけど。どうしたの?」
『やっぱりあんたにも見えたのね。あの夢、私にも見たのよ。あのメッセージ』
「それはあり得ないだろ?」
レイはあくまで僕が作った人格で、夢なんて見ない。
人格なんて言っているがこうゆう風に話しかけてくれるかな~ってだけの設定だ。
つまり、結局は独り言。人格なんて簡単には作れないのだから。
『でも聞いたわ。集団失踪は、この世界から召喚を行っていることが原因だって』
「確かにそう聞いた。二つの魂がきれいに混じり合っているとかなんとか」
『それに、スキルを付与したと言っていたわね。解析ってスキル』
「うん。そう言っていたことも覚えている。じゃあ本当に使える?」
右手のひらを見て、「解析」と呟いた。
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名前:古戸朗太
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半透明のポップ画面が出てきた。
(なんか出てきた!)
『どうもゲームっぽいわね。ほかに解析できないかしら?体力とか魔力とか、筋力とか』
「ちょっと待って。項目を考える。・・・じゃあ、」
とあらかじめ表示したい項目を考える。
名前、性別、種族、体力、魔力、STR、DEF、スキル、称号。
これら9項目を考え、頭の中で表示しろと念じ、
「解析」と再度呟いた。
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名前:古戸朗太 性別:男性 種族:人族
体力:500 魔力:3000
STR:20 DEF:10
スキル
解析 妄想・空想LV:MAX 無属性魔法
称号
【異界の者】【二度目の生を生きし者】
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「おっ!色々出てきた!」
『だいぶ偏っているわね。魔力3000とかあんた魔法使い向きね。無属性魔法しか使えないけどw』
突っ込もうとしてやめた。あと草はやすな。
「名前、性別、種族は合っている。他5項目はどんなものか」
どれだけ解析できるかを兼ねて、検証。
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【体力】
その人の生命を表す。0になると死亡する。
【魔力】
その人が内包している魔力の多さ。
多ければ多いほど魔法を多く発動することができ、0になると魔法が使えなくなる。
時間が経てば回復していくが、個体・体調等によって回復量が変化する。
【STR】
その人の強さを表す。数値が多いほど強いが、あくまで目安である。
【DEF】
その人の生命力を表す。数値が多いほど死ににくいが、あくまで目安である。
【スキル】
その人が持つ技術。スキルは一度覚えれば決して忘れることはない。
スキルによってはLVが存在する。
【称号】
その人が成し遂げたこと、どんな存在なのかを表す。
特定の称号によって効果が付与されることがある。
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(ふんふん。そういうことか)
『本当にゲームみたいな設定ね。ちゃんと理解しきれてる?』
「まぁ、概ね理解しているよ。あとは、取得した?スキルと称号の内容だね」
色々気になるからな。特にスキルが。
(解析)と今度は心の中で呟く。
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[スキル]
解析
あらゆる概念や物体、存在するものを解析し、理解することが出来る。
妄想・空想LV:MAX
頭の中で思い描ける。思い描いたものは決して忘れることはない。
仮想世界としても利用可能。
無属性魔法
無属性魔法を扱える者が手に入るスキル。全ての無属性魔法が使えるが、本人の技量次第となる。
[称号]
【異界の者】
異世界に召喚された者のみに与えられる称号。
あらゆる言語を見聞きし、書くことが出来る。
【二度目の生を生きし者】
転生を果たした者にのみ与えられる称号。
この称号により、以下の者が人格として目覚めます。
1:古戸朗太
2:古戸朗太
3:レイ
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はぁ?
お読みいただきありがとうございます。
いまだにクラスメイトとか世界とか、設定が定まらず...




