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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
第1章:異世界へ飛ばされました
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05.魔法適正確認

よろしくお願いいたします。

んーーーーーー・・・・・。

と、微睡を感じ、上半身を起こす。

瞼を擦りベッドに腰掛ける。

「・・・・・・あー、召喚されたんだっけ?」

周りを見渡し煌びやかな部屋にいることから思い出した。

『おはよう。何があるかも知らない部屋でぐっすり眠ったようね?』

(本当に色々あったから疲れたんだよ。ぐっすり眠れたほうがいいよ)

大きく伸びをして、服装を見る。

真っ白な服に手触りが柔らかいパジャマ?を着ていた。

(・・・・・。寝巻がこれしかなかったから着て寝たけど、合わないな)

とりあえず寝巻から着替えたい。どうしようか・・・・。

その時、タイミングよく扉からノックされた。


「ロータ様、お目覚めでしょうか?」

「はい!起きています!」

扉越しに返事をした。

「お着換えをお持ちしましたので扉を開けてもよろしいでしょうか」

(お、入る前に許可を取るとは。中々できるぞ、こいつ)

「どうぞー」

とりあえず入ってもらう。

「失礼します」

昨日案内されたメイドが入ってきた。

「今日はこの服装にお着換えください」

「はい、ありがとうござ…。」

と、手渡されたのが女性物の洋服であった。

なんか、あれ。スカートとシャツが一体となっていてフリルが付いた薄いピンク色の洋服を手渡された。

メイドの顔を見る。特に変化のない、真顔であった。

「あの、これは何ですか?」

「ロータ様がお似合いになりそうなものをお持ちしましたが、どこかお失礼がございましたか?」

・・・・。男の娘は辛い・・・・。

とりあえず

「これは着れないものです!男物の服を持ってきてください!今すぐ!!」

「え!あ、はっ、はい!!今すぐお持ちします!」

メイドに洋服を押し付けてそう怒鳴り、早く持ってこさせるようにそう言った。

(ふぅ・・・・。これでまた変なのが持って来たらどうしよう)


数分後。先ほどのメイドが急いで部屋に入ってきて、

「これはどうでしょうか!?」と確認した。

グレーだがどこか品性を思わせる長ズボンとシャツを持ってきた。

光の当て具合で少し反射して見えるのは変だがこれは着れるものだ。

「僕は男なのでこれでいいです。騒いでしまってすいません」

「こ、こちらの方こそ申し訳ございません!!い、以降も失態が無いよう配慮いたします!!」

そう言い、足早に出ていった。


―――――――――――――――――――――――――――


持ってきた洋服に着替えて、しばらく待っているとノックが聞こえた。

「ロータ様。お食事の用意が出来ました」

「はい。分かりました」

と腰掛けてたベッドから立ち上がる。

メイドに先導されやってきたのは昨日と同じ食堂だった。煌びやかで目が痛い。

椅子に座り、すぐに料理が運ばれてきた。それはパンに赤いスープである。

「パンを一口サイズにちぎって、スープに付けておたべください」

料理を運んできた人に言われたが、パンってあるの!?と驚いていた。

ちぎっては付けて食べて、ちぎっては付けて食べてを繰り返し、食べた。

おいしかったです。


メイドの人が「今度は魔法適正を測りますので移動しましょう」と言ってきた。

次に来たところは昨日、オートブ王に謁見していた場所だった。

オートブ王はいないが、代わりに大きい水晶が鎮座し、その横に紫色のローブをまとった人が立っている。

髪は緑色でオールバックにしていて、顔は日焼けしているようだが、見た目は若く見える。

その前にクラスメイト達が集まっていた。僕が最後らしい。

水晶の横にいた人が僕が入ったことを確認すると、声を出した。

「私の名前はオートブ王国の王宮魔術師をしている、バルトと申します。今から勇者様がたの魔法適正を確認いたします」

おーやっとかー、待ちくたびれたぜーと、所々で聞こえた。

「どうやって確認するか説明しますが、今私の隣に置いてあるこの水晶を触ればいいのです」

試しに私が。とバルトが水晶に手のひらでペタッと触った。

水晶が緑色に光った。

「私は風魔法が得意です。なので、風魔法に対応する緑色が光ります。」

その前に、とバルトがこう言った。

「魔法は基本的に7種類の属性が存在します。火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、聖魔法、闇魔法、無属性魔法の7種類です」

「火魔法は赤、水魔法は青、土魔法は黄色、風魔法は緑、聖魔法は白、闇魔法は黒、無属性魔法は透明に変化します」と説明した。

「では、一列に並んでください。順番に確認してきます」


―――――――――――――――――――――――――――


整列に並び、一人一人の魔法を確認していく。

時々、赤色と青色が同時に光った時があったが、バルトさんが「ふ、複数属性持ちだ!」と叫んでいた。

つまり、使える魔法は普通、一人につき一つのみ。複数使えるのは人材として貴重らしいことが伺える。

ちなみに、その生徒は驚かされたが貴重らしいことを分かると喜んでいた。

そして、とうとう僕の番が回ってきた。

バルトさんの顔を見たが、複数持ちが何人か確認取れたことでにっこり笑っていた。

「では、君の属性を確認させてください」

期待している眼差しをして促した。

手を触ろうとしたとき、レイの言葉を思い出した。

『はっ!あんたは歩く地雷なんだから。明日も悪い意味でやらかすのよ』

・・・・・・。

手を下し、目を瞑って考える。

(確かにそうだ。僕は悪い意味でやらかす事がある。こういう時に限ってやらかすんだ…)

大きく息を吸い大きくため息をする。

(では、何をやらかすか?考えよう)

このパターンは二つ。

一つは水晶を割ってしまう事。

もう一つは…。

今度こそ腕を上げて、水晶にペタッと手のひらで触った。


反対側の風景を見えるぐらい、水晶の透過性が段違いに上がった。

・・・・・・透明になった。無属性魔法だ。

バルトさんの反応を見る。

「・・・・・・。無属性魔法ですね」

感情の無い真顔で淡々と紙に何かを書いた。

(・・・・・・。やらかしたっぽいな、僕)

なんとなく、思っていた。

やらかすパターンは二つ。

一つ目は何かの間違いで水晶を割ってしまう事。

二つ目は役立たずの判定を押されることだ。

今回は後者、二つ目のパターンとなる地雷を踏み抜いたかもしれない。

お読みいただきありがとうございます。

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