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異世界旅行 ー46歳悪ガキの異世界悪戯旅行?ー  作者: 戸口 央田
第1章:異世界へ飛ばされました
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03.王様の謁見

よろしくお願いいたします

派手な椅子に座る、王の風格を纏った人がこう言った。

「よくぞ参られた。私はオートブ王国の王、オートブ・テア・ゴアと言う」

クラスメイト集団の数歩先にある生徒が出てきた。

「私の名前は大聖信弘と申します」

大聖信弘が堂々と名前を言った。

「私たちはなぜこの場にいるのか、勇者とは何なのか、私たちには分かりません。説明をして頂けないでしょうか?」と尋ねた。

『あいつ、ダイレクトに常識を教えてくれって言ってるけど。地雷踏んだんじゃない?』

(うーん、直接言わないと伝わらないよ?こういうことって。でも、どうなるかな?)


さて、周囲の反応は如何かな?と考えた時、

「そうか、確かにこちらから召喚に応じた手前、事情が分からないことだろう」とオーブル王が応答した。

(まさかの柔軟対応!?やばいぞ!王様に非があることになるんじゃ!)

焦る心を抑え、目だけで周りを見るが特に動きがない。

『この状況を前もって知ってる感じね。以前にも同じことがあったのかしら?』

確かに。大きいIT会社の社長とか総責任者とかに「ITって何ですか?」って新人がレベルの低い質問したようなやばい状況だぞ。

「では、わたくしが説明いたします」とオートブ王女がそう言った。


―――――――――――――――――――――――――――


オートブ王女が説明したことをまとめると。

魔族という種族がいて、ここオートブ王国を含むいくつもの国に宣戦布告を行った。すでにいくつかの村にも被害が出ており酷い所では虐殺が行われていると言う。

魔族は人族よりも身体能力や魔力が強く、滅ぼされると危惧したらしい。

そして過去の偉人が残した文献を探すと勇者召喚を行う方法が発見し、この手順を実施すると本当に人が召喚されたとか。

だからオートブ王とその王女が僕たちを勇者様と呼んでいるのはそのためである。

で、勇者召喚に成功したらやってもらいたいことが、

「宣戦布告を行った魔族の王、魔王を討伐してもらいたい」と王様が言っていました。


―――――――――――――――――――――――――――


(頭の中でさらにまとめると…。)

1.魔族率いる魔王が周りの国に宣戦布告を行いました。

2.こちらより強い魔族たちに立ち向かうため方法を探すと、強い人族を召喚する方法が発見、そして実行に移した。

3.召喚した勇者に宣戦布告を行った魔王を討伐してもらおうぜ!


(できるだけまとめたけどレイは合ってると思う?)

『概ね合ってるわ。要は戦争しましょうってことね。ゲームのガチャをやって、強いモンスターが出たからいきなり戦闘に出させるような感じかしら』

モバイルゲームを現実に置き換えれば確かにそんな感じかも。


僕は一人では大きすぎるベッドの上で寝転がってオートブ王の願い事をまとめた。

『それにしてもあんたのクラスメイトはダメな奴らばっかりね。スクールカーストの頂点が言い出したことを何も考えずに同意するんだから』

(その通り。スクールカーストはこんなものだよ。まだまだ考えも子供だしね)


オートブ王が言うには間者を回したりしたそうだがその者は遺体となって城に送られてくるらしい。

それどころかいくつもの村を襲撃、暮らしていた村人たちを虐殺されていく現状を伝えられた。

この現状を聞いて大聖信弘が激昂し、こう叫んだ。

「絶対に間違ってる!!俺は勇者になります!勇者になって、魔王を倒し世界を救います!!」

何が間違っているのかは知らないが、勇者になって魔王を倒すことを(勝手に)宣言しました。

じゃ、俺もやるーとか大聖くんが言うならーとか、他のクラスメイトはなんか同意し始めた。

周りにいた騎士やオートブ王、それと王女も「ありがとうございます。ありがとうございます!」と涙ぐみながら感謝の言葉を言っていた。

その後、「突然の召喚なのだ。疲れているだろう。部屋を案内して心と体を休んでください。勇者様方。」とオートブ王が進言した。


そのあとはメイドたちが入ってきて、一人一人部屋の案内を行った。

そして食事の準備が出来ましたと伝えられ、ごはんを食べた。(外は暗いから夕食になるかな?)

ちなみに、お肉とか野菜とかいろいろありました。何の肉なのかとか、野菜の色が真っ青なのを気にしなければおいしかった。

食事が終わった後に部屋を戻り、レイと一緒にこの出来事をまとめていた。


(今か今かと待ったけど、「ドッキリ大成功!」って出ないな)

『そこはやたら古いわよね。それしか知らないの?』

(これしか知らない。古き良き風習ってやつかな?食事中にそんなことが出ればよかったのに)

本当に異世界?なのか区別はつかないんだよな。顔をぺたぺた触ってもVRゴーグルは無いし、仮想世界にダイブするヘルメットもないし。

『明日は使える魔法の適正確認だってね。ポンコツのあんたには何も出ないんじゃない?』

食事中、魔法が使えることを明かされ、みんなは盛り上がったな。それに伴い、何が使えるかを確認したいとか。

(いやいや、まだ分からないよ?もしかしたら全て使えるとかあるかもよ?)

ウキウキした心をしているのだ。今は。

『はっ!あんたは歩く地雷なんだから。明日も悪い意味でやらかすのよ』

期待しているわ!と明るい声でそう言った。

(そういえば、地雷を踏み抜くことに関してはよくやらかしたなぁ)

一度目の世界(おじさんの世界)ではそうだった。

(明日のことは明日の僕がやってくれる。今はそれに備えて休もう)

目を瞑り、入院している母親ですら会えなくなったこの現状に頭の中だけ嘆きながら眠った。

お読みいただきありがとうございます。

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