01.登校風景
プロローグ、見なくてもいいようにまとめました。
一応背景は分かるでしょうが、プロローグ詰め込み過ぎました。
もう少し簡略できるようにしたいです。
古戸朗太は裏路地にまたぐ裏路地を走り、人目を避けて走っていく。
学校の裏門に到着、閉まっている門をよじ登り、無事学校へ潜入。
『面倒くさい登校ルートね。普通の生徒ならこんな登校しないわ』
レイがかったるそうに言った。
(今の僕はこれが普通なんだよ。残念なことだけどね)
普通かどうかなんてどうでもいいさ。
他人が認める面倒なやり方でも本人が出来るのならそれで良いんだよ。
出来ないよりはましだ。教室を目指して廊下を足早に歩く。
『相変わらずこっちを見るねぇ。人気者ね、男の娘?』
ふざけんな。こんなのが人気者なんて僕は嫌だ。
友人と喋る生徒達や向かいから歩いてくる教師たちが歩いてくる。
皆、こっちに顔を向けては背ける。
顔を背けるぐらいなら、いちいち顔を向けるなよ…。
『朝からイライラすんな。こっちもイラつく』
声を荒げてレイはそう言った。
はぁ…。と僕は溜息をつく。
(ほんとどうでもいいね。早く机でボケッとしてよ)
そして、教室の前に着いた。
さぁ、最大の面倒な顔向けだ。
覚悟を決めて引き戸を開ける。
(・・・・・・・。うわぁ)
引き戸を開ける前から聞こえていた喋り声は、今は聞こえない。
一瞬だけ見えた楽しそうに喋っていたクラスメイトの顔は、顔をこちらに向けた時には真顔となり、教室中は静かになる。
文字通り、しーんとなる。
(・・・・・・・・・・・・・・。ほんと気まずい)
自分の席へ歩いていく。その間もずっとクラスメイトは顔を追って向けてくる。
席へ着き、リュックを枕替わりにして顔を埋める。
その瞬間、周りは「それでさー、」話を続ける。
(ほんと、こんなとこいきたくねぇ)
しばらく目を閉じて、時間を潰した。
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キーーンコーーンカーーンコーーン
チャイムが鳴った。
あー、とうとう鳴っちゃったかー。と重い頭を起こす。
まだ生徒は全員着席していなかったが、しばらくして。
「はーい、席着いてー。連絡始めるわよー」
引き戸を開けて担任が入り、生徒達は渋々ながらも席に着き始める。
数十分後に始業式があること、午後から全科目のテストを30分ずつ行う連絡をして皆がえぇーーと嫌な声を出していると、
ズンッッッッッッ!!!
地震が起きた。
「えっ、うそうそ!」
「やばっ、強くね!?」
周りの悲鳴が聞こえる。
(少し強いな…。天井はひび割れないし、そのままでも大丈夫だろ)
暫く待っていると、揺れが収まりクラスメイトの面々が机の下から出てきた。
『一気に壊れて瓦礫に潰されることは考えないの?』
そういえばそんな可能性もあったな、と呑気に考える。
「あいつ、達観した顔してるぞ…」
「ってか、机の下に避難してなかったぜ。死にたいんじゃね?」
(・・・・・・。嫌われてんのかな?)
『うざ。死にたがりが達観するな』
(レイはあっち側かよ…)
味方がいない状態でげんなりした。
(って、頭の中に味方を期待するのはおかしいか…)
と思い直した。
「廊下に整列してくださいー!避難しますよー!」
と担任が先導し廊下に出ようとしたとき。
「あれ?開かない!?」
担任がガンッ!ガンッ!と強く引くがびくともしない。
「先生、なに遊んでしてるですが!早く開けてくださいよ!」
「そんなこと言いましても…!」
と強く引っ張るがびくともしない。
「ちょっと!!窓も開かないんだけど!!鍵は開いてるはずなのに!!」
女生徒が廊下側の窓を開けようとするも結果は変わらない。
ふと床を見ると。
(・・・あれ?こんな模様は無かったよな?)
床には幾何学模様が描かれていた。
床はろくに見ていないがこんな模様なんてなかったはずだ。
そう思っていた矢先に発光し始める。
徐々に光は強くなり、視界が光で塗りつぶされた頃には、教室にいた20名の生徒と担任が姿を消した。
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