プロローグ 「一度目の世界の終わり」
初投稿です。
駄文、入力ミス、伝わりにくい表現が多々あるかと思いますが、生易しい目で見ていただけるとありがたいです。
今日も人通りの多い帰路につき、地面を見ながら考え事をする。
(はぁ…。うまく仕事が出来ないなぁ。作業時間が遅いし指摘で叱られ、後輩も立場が俺より上になっていくこの現状に変えないといけないと考えているがどうしよう...)
(どう頑張れば良いんだろうか...。ノウハウ本や仕事に関係する本を読んでも、今の俺ではどうも理解しにくい)
ふと左を見ると明るいショーケースにギターが飾られている。
(思い切って会社を辞めて、アルバイトで稼ぎながらアーティストになる?いや、出来ないな。縦笛すらまともに吹けないのに...)
ショーケースに飾られているギターを眺めては考え、歩き出す。
しばらくして思いつく。
(こんな時はおいしいものを食べて気分を変えようかな)
視点を前にすると丼チェーン店がある。
(値段は高くて一人暮らしの俺には少し痛いが、ちょっとした贅沢もたまには良いだろう)
店内に入り、カルビ丼を注文した。
・・・・・・・・・・・・・・・
40分後、店内から出る。
(あー、久しぶりに食べたなぁ。結構おいしかった)
ここ最近はコンビニのおにぎりか弁当しか食べていなかった。客も運よくあまり混雑していないので割と気楽に食べられたことも大きい。
(よし、お酒とつまみを買ってきて夜通しでゲームしていよう)
これがダメな考え方の一つの例だろう。
今暮らしているアパート近くのコンビニに向かっている途中、
(相変わらず、車の交通量多いなぁ。歩道の幅は狭いってのに、速度もそこそこ早いし)
ガードレールが無く、人ひとり分しか歩けないこの歩道は人身事故多発道路で、看板も出ているが確認できないのかしていないのか、かなり速度を上げて追い越していく。少なくとも人間に衝突すれば大けがするんじゃないかと思えるほどの速度だ。
(本当に危ないなぁ。念のため端に寄っとこう)
左側のブロック壁に寄り、コンビニが50メートルあたりに来た時、それは起こる。
(今度はどんなお酒を飲むかな...。あまり強いのを飲みたいわけッッッッッ!)
気付いた時には前に倒れ、左足にはやたら重いものが乗っていることが分かった。
その時は何も考えず、左足の重さと体全体の激痛に耐えるようにしていた。あまりの出来事に悲鳴すら上げられなかった。
(....。 な、なにが起こった?)
頭を打ったらしくズキンズキンと痛み、ボーッとする。そして左足のふくらはぎがやたら重い物体が乗っているらしく、全く動かすことが出来ない。そのうえ、引きちぎられるような痛みも続いている。また、体中に衝撃が走ったかのように内側から鈍い痛みが走る。
道路に仰向きに転がっている状態らしい。
(あ~、これはー....、轢かれた?)
体中の異変を感じながらも歩道を歩いていたことを思い出し、車に轢かれたことを悟った。
車のドライバーは何かを乗り上げたことに気付いたようで、一度タイヤの回転が緩んだが前進したいようで、今度はかなり強い回転を上げた。
そして左足に乗っていたタイヤは前へと進み背中を踏みつけながら頭に到達、車の重量により頭がつぶれた。
古戸朗太。年齢29歳。人身事故により死亡。
お読みいただき、ありがとうございました。