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零話 プロローグ的な何か
人は死を目の前にしたとき、時間が遅く感じるという。
俺は今、その瞬間を我が身を以て体感している。
つまり、俺は死にかけているわけだ。
何故死にかけているのかというと、事故だ。
コンビニ行った帰りに歩道を歩いていたら、前からノーブレーキで突っ込んきた車に跳ねられた。
「う……。死に、たく……ねぇ」
そう口にしても、地面に流れる尋常でない量の自分自身の血液が、俺の死が確実だと表していた。
どうやら車も逃げてしまったようだ。
、あ、やばい……もう、意識……が――。
俺の意識はそのまま暗黒に……いや、白光に沈んだ。