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学園序列

ごめんなさい!戦闘にまでたどり着きませんでした!


「おい、聞こえてねぇのか?落ちこぼれは耳まで落ちてんのか?」


声のする方へ振り向くと、短い金髪をオールバックにしている、目つきの悪い人がいた。


「だれ?」


「Sクラスのアドルフ・グラムです」


「学園序列7位の猛者ですわ」


小声で二人に問うと、それぞれ別の情報をくれた。それにしても…こんな人が7位とは…この学園は大丈夫なのだろうか。


「何コソコソと話してんだ、良いからそこどけよ」


「なぜ僕らが退かなければいけないのでしょう?」


順番を抜かそうと近づいてくるアドルフ君に反論する。セラムさんとウィルムさんは僕が反論するとは思ってなかったのか驚愕したという顔をしている。


「あん?誰だテメェ」


「これは失礼、天野照と申します。それで、どうして僕らが退かなければいけないのです?貴方は後から来たのでしょう?」


自己紹介をしてさっきの話に戻す。さっきのはさすがの僕もイラっときたからね。


「あぁ?俺様は序列7位だぞ?俺様より弱い奴が俺様に従うのは当たり前だろうが」


この人自分のことしか考えてない人か。


「当たり前ではありませんよ、それでは動物と変わらない。それとも貴方は動物なんでしょうか」


きっちりと反論を返しながら挑発するのを忘れない。蒼眞から教えてもらった口喧嘩のやり方だ。なんでも、頭の悪い奴はそれで殴りかかってくるから後は偉い奴に任せればいいとか。


でも、今回はそれじゃ僕の気が収まらない。


「テメェ…舐めてんのか?」


「舐めたくもありません、汚らしい」


だから、心身ともにボコボコになってもらう。


「テメェ!」


頭に血が上ったのか殴りかかってくるアドルフ君。それをさっと避けながら後ろに回り背中を押す。それだけでアドルフ君の体勢は崩れ前のめりにこけた。え、バランス悪くない?


「この野郎!」


激昂したアドルフ君がすぐさま起き上がる。


いつの間にか騒ぎを聞きつけた野次馬が集まっていた。


「体のバランスうまく取れないんですか?運動不足では?」


そんな中でも挑発は忘れない。


挑発されたアドルフ君は顔を真っ赤にしながら声を荒げる。


「舐めやがって!後悔してもしらねぇぞ!」


「だから舐めたくありませんって、汚らしい」


周りからクスクスと笑い声が聞こえてくる。その笑い声に更に神経を逆撫でされたアドルフ君は理性が軽く飛んだらしい。


「テメェ…![吹き飛べ!ファイアーボム!]」


手のひらに魔法陣を発現させながら詠唱を完了させるアドルフ君。すると僕の足元で爆発が起きるのだった。


一部の野次馬から悲鳴が飛ぶ。


「ハッ!雑魚の分際で図に乗るからだ!」


「「照さん!」」


爆発の煙で周りが見えないけど、アドルフ君の勝ち誇った声とセラムさんとウィルムさんの悲痛な声が聞こえる。でもーー


《【紋章:勇気の証】を授与しました。これに伴い、【紋章:悪魔の種】を散布します。【紋章:悪魔の種】の適合者を確認。散布終了しました》


ーーなんとなく大丈夫だと思ったんだよね。


片手を勢いよく横に振り、爆発の煙を吹き飛ばす。


「なっ!?」


「「照さん!」」


煙を振り払って最初に見えたのは驚愕したアドルフ君と安心したように笑うセラムさんとウィルムさんだった。


「危ないなぁ、こういうのって普通無闇に使っちゃいけないんじゃないの?」


「なんで!さては避けやがったな!」


怒りと驚愕で冷静な判断ができてないようだ。これなら…。


「そんなに暴れたいなら訓練場に行きましょう。そこなら暴れてもいいんだよね?」


「は、はい…ですが「上等だ!吠え面かかせてやらぁ!」」


簡単に挑発に乗ってくれるアドルフ君。キレ気味に吠え終わるとそのまま踵を返して訓練場に歩いて行った。


野次馬も、次々に訓練場に向かっていく。そんな中二人の人影がこちらに近づいてくるのが見えた。



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