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prologue



ジリリリリリッ


目覚ましのうるさい音で俺は目を覚ました。


「ふあぁぁ〜…」


ゆっくりとベットから起き上がり目覚ましを止める。そのままゆっくりと体を起こし、窓まで歩いていく。


カーテンを開け日光で上半身を温めるように浴びる。


蒼眞(そうま)ー朝よー」


下の階から母親の呼ぶ声が聞こえてくる。何気ない1日の始まり。


俺、(たちばな) 蒼眞(そうま)のいつもと同じ日常が始まる。






母親に呼ばれ、下の階に降りると食卓には朝ごはんが並んでいた。


「早く食べちゃいなさい、もうすぐ照君も来るんでしょ?」


「わかってるよ」


母の声に返事を返しながらご飯を口に運ぶ。


「じゃあお母さんバイト行ってくるから、戸締りよろしくね」


「はいよー」


母親を見送りながらご飯を食べ終え、食器を流し台にいれ、支度をするために部屋に戻る


部屋で支度をし終えると同じくらいに呼び鈴が鳴った。


「少しはゆっくりしたいんだけどな…」


そう呟きながら、必要なものを入れた鞄を手に玄関へ向かう。


玄関の扉を開けるとそこにはよく見慣れた奴がニコニコと笑顔を浮かべて立っていた。


「おはよう、蒼眞」


「おはよう、照」


俺の幼馴染で、俺が主人公と皮肉を込めて呼ぶ此奴は天野(あまの) (てる)。成績優秀、スポーツ万能、おまけにイケメンと話題に事欠かない奴である。


扉を閉め、鍵をかけながら俺はぼやくように口を開いた。


「相変わらず時間きっちりだなお前は」


「まぁね、偶には蒼眞が早く出て僕を待っててくれてもいいんだよ?」


「俺は朝はゆっくりしたいんだよ」


戸締りを終え、照に振り返る。待ちくたびれた様子もなく、変わらない笑顔で照は口を開く。


「それじゃあ行こうか」




結果的に、その言葉が合図になった。


照の足元が光り出し、その光はある紋様を紡いでいく。


まるで魔法陣のように。


「照!?」


「蒼眞!」


お互いに手を相手に伸ばす。お互いが手を掴みあったと同時に俺の視界が真っ白になっていった。





「うっ…ここは…」


ゆっくりと体を起こし、辺りを見回す。


辺り一面鬱蒼(うっそう)と生い茂った森の中にいたのだった。

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