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来世は異世界で  作者: 三日月
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「2回よ。


闘技祭開催です!




「これより、第一回3カ国学園合同闘技祭と開催する!記念すべき第一回目の開催を我が竜国で行えることを王として誇らしく思う。この闘技祭は、勝ち負けよりも磨いてきた己が技術を魅せる・・・場であるが、何も褒美があれば更にやる気が起こるであろう。そのため、各競技の優勝者には叶えられる程度での褒美を用意する。期待しておるぞ?クククッ……。

  さて、長ったらしい話をしていては、戦う前から疲れてしまうからな。全力で頑張ってほしい。以上だ。」


竜国の王様がそう言い終えると、闘技祭の会場は鼓膜を震わせる歓声に包まれた。各学院の為の応援席と一般の為の席は分けられており、各学院の応援席の場所には所属する国の国旗と学院の校旗が飾られている。

 俺らは選手なので、ちょうど観客席の真下の控室にいる。会場の様子は魔道具によって控室に映像として届ている。


「よし、お前ら集まれ!」


『はい!』


教師のもとへ選手が全員集まる。


「これからとうとう闘技祭の1種目が始まる。最初は近接戦闘の団体戦だ。対戦校はクローフィ帝国学院。そして一度我々は休憩、その間にクローフィと竜国の団体戦が行われる。次に我らと竜国という順番だ。

 皆も知っての通り、我々人間種と吸血鬼や竜人種では身体の作りが全くと言っていいほど違う。勿論相手が全員それに当てはまるとは言わないが、真っ向からの力の比べ合いなどでは不利だ。

 だが、我ら教師はその程度の不利で負けるような育て方や教えを君たちに説いた覚えはない。1年生にはまだまだ教えることは多いが、2年生や3年生にはこれまでの授業やアドバイスなどを改めて思い出してほしい。そして共通して言えることは、自分に自信を持って試合に挑んでほしいということだ。


 我々教師は、君たちが努力してきたことを知っている。時に涙を流したことを知っている。誰よりも強く、気高くとあろうとしているのを知っている。そんな君たちを教えていることを我々は誇りに思っているし、そう簡単に負けるとも思っていない。お前たちの全力を、他校の生徒に、教師に、周囲に、教えてやれ!!学院の代表として力を見せてやれ!」


『はいっ!』


「行くぞっ」


教師が身を翻し、舞台へと続く階段を上っていく。その後ろに団体戦のメンバーの3人がついてゆく。


「シン、頑張れよ」


「ふっ、勿論だ。」


歩いていくシンを見送り、俺は映像に目を向ける。



------


シン視点


『これより、ミラーズ帝国学院対クローフィ帝国学院の近接戦闘・団体戦を開始する!審判は竜国騎士団副騎士団長の私が執り行う。双方正々堂々と勝負に挑むように。

 ではまず、第一学年の選手から試合を行う。双方前へ。』


「ミラーズ帝国のシンだ。よろしく頼む。」


「クローフィのマイケルだ。よろしく。」


握手を交わした際、相手の握る力に思わず顔を顰めた。


「あぁ、悪い。人間・・には痛かったかな?」


少しニヤリとした笑みを浮かべながら私くらいにしか聞こえない声量でつぶやく


「別に何ともないさ」


「ふん、そうか」


思っていた反応が却って来ないで不満そうな表情を浮かべながら言い捨てる。


「君、それ以上の挑発行為を続けるならば失格とするぞ?」


すぅっと細められた審判の目を見てマイケルは慌てたような仕草で姿勢を整える

合わせて私のほうも姿勢を整える。


「双方の準備が整ったとみる。それでは、、、はじめっ!!」


開始の合図と同時に私は刀を抜き、そのままマイケルの脇腹目掛けて一閃。

マイケルが反応する暇を与えずに、戦闘ダメージを肩代わりし、色で示す魔道具の色が緑から赤に変わり、それと共に戦闘の終了を告げるブザーが鳴り響く。


「えっ?…」


呆然とした様子のマイケルに私は刀を収める。


『勝者、ミラーズ学院!』


「…君には速すぎたかな?」


私の意趣返しにマイケルは苦虫を噛み潰したような表情でこちらを睨んでから自陣の方へと帰ってゆく。


「ふん。」


・・・私はやられたらやり返す主義だ。


『まずは一勝ぉ!』と喜んでいる仲間たちの方へと歩いていく。今回はマイケルがこちらを人間だと舐めていたから意表を突く形で私が勝ったが、次の試合からはそうはいかないだろう。

恐らく次の試合からは相手も油断やおごりなどは一切出さずに全力で挑んで来る。……まぁその時はこちらも全力でぶつかるだけだ。


私もゆっくりと仲間たちのもとへ歩いていく。



------


クローフィ帝国学院・団体キャプテン視点


悔し気な、それでいて私たちに怒られるのを恐れている、そんな表情で帰ってくる一年生のマイケル。

消え入りそうな声で「すいません……」、と言う彼を、私は冷めた目で見ていると思う。


「……なぜ負けたのか理解している?」


「それは…油断していたからです・・・」


「甘いわね。貴方の本心を当ててあげましょうか?”人間種風情に吸血鬼である自分が負けるはずがない”、”自分は優秀だから選ばれた”、”身体能力で劣る者に負けるわけがない”…こんなところかしら?」


私の指摘に一瞬言い返そうとして、諦めた。それは認めたと同義。


「はい……軽く見てました。まさかあんな速度で斬られるとは思ってもみなかったです。人間相手と思って完全に油断してました。でもっ!次こそは、今度こそは油断しませんっ!最初から全力で行きます。」


「…貴方、彼に何回斬られたか分かる?」


「え?1回では・・・?」


「2回よ。一度目の斬撃の時には魔道具は少量のダメージしか検知していなかった。それはつまり、彼に貴方の実力を試されていたということ。そして、2度目の斬撃で止めを刺せると確信された。はっきり言って見事、としか言えないほどの速さだったわね。一年生にしては。それに、恐らくあの剣には魔法的な補助もかかっているみたいね。」


「なっ!それは卑怯だっ!」


「卑怯?なんで?戦いにおいて武器や防具にそのような補助を掛けるものは掃いて捨てるほど居るわ。知らないとは言わせない。それに、それをあそこまで使いこなせるのだから、あれは彼の実力の一部よ」


私の言葉にぐうの音も出ないのか、黙りこくってしまうマイケル。でも、私の言っている事に間違いはないし、それに…


「貴方は吸血鬼の一人でしょう?瞳はいいはずよね?ルールにも瞳の力を制限するルールはないわ。そうすればあの速度ならば見えるはず」


マイケルは、それは、と言いかけるが目で黙らせる。


「貴方は個人の部にもエントリーしているのだから、今日、この場での敗北を糧にしなさい。まだ貴方の他にもこれから戦う先輩や、応援に来ている生徒がいるわ。そんな皆の前で二度と同じような事が起こらないように、魂に刻み込みなさい。相手がだれであれ、全力を尽くしなさい。別に勝ちに拘る必要はないわ。全力をつくした上での敗北は、そんなに悪くないものよ」


私が微笑みかけると、驚いた表情でおずおずと尋ねてくる。


「……先輩は、そんな経験があるんですか?」


目に少し涙を浮かべ、上目遣いで聞いてくる。……かわいいところもあるじゃない。

周りにいる他の選手などが興味あるように私に視線を集める。


「そうね。貴方達が想像しているよりも、私は負けているわ。でもね、それは私の糧となって私の中で生きていると思ってるわ。」


「そう、ですか。わかりました、先輩、ありがとうございます!」


深々と頭を下げるマイケルの頭を軽く撫でてから、次の対戦に目を向ける。


「それじゃ、行ってくるね!センパイッ!」


「えぇ。頑張って」


「モチのローンッ!」


何が楽しいのか、鼻歌を口ずさみながら舞台に上がる彼女を私は見送った。彼女の相手は、がっちりとした2年生の男の子だ。軽装で身軽な彼女に比べ、動きが重い代わりに重装な相手を見て、試合が長引きそうな予感がする。お互いに相性が良くなさそうだ。

 身動きが早いけど、彼女には決定力が不足している。それは予選の時からもそうだったし、何度もそこを指摘されてきた。けど時間が足りなかった。付け焼刃の技よりも、本来の戦い方の方が慣れているのもあり、そのままだ。


 『開始ッ!』との合図で彼女の試合が始まる。

そんなことを考えながら、私は私の対戦相手を見やる。よく見知ったニコニコとした顔、優し気な目、私の視線に気づいたのか手を軽く振ってくる。


 私は赤くなる顔を見られまいとそっぽを向いてしまう。残念そうな苦笑をしている彼を見て、やってしまったと思うが、しょうがない。私は私の願いの為に闘技祭で勝ちたいのだから。



……アナタはどうなのかしら。ねぇ?リュカ。





色々立て込んでて、気付いたら12月・・・はやいですねぇ

そんなこんなで久しぶりの投稿です。戦闘描写が苦手でどう表現していったら盛り上がるのかとか、書きながら悩んでます。今回はあっさりでしたがいつかはじっくりと書いてみたいものです。


それではまた次回お会いしましょう。ノシ


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