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来世は異世界で  作者: 三日月
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儚き気配の美人教師。

もうそろ依頼系のお話と少ししたら学園に行けたらなと思います。

学園に行っても冒険者の活動は続けます。




「お、ノルン!この依頼とかどうだ?」



「アタシはこっちの方がいいと思うんだけど。」



「……どっちでも、いい。」



俺たちは今日もギルドで依頼を探している。追悼式があったのがつい最近に思える。あの日からもう約1ヵ月は経って、復興も進んで賑わいを取り戻しつつある。

それに気づいたら村から帝国に来て4か月の月日が流れていた。早いなーと思いつつ、そろそろ少しずつ遠くの方の依頼にしてみてもいかもしれない。



「おーい、ノルン。どっちがいいと思う!?」



「どっちにするの!?」



「ん?あぁ悪い。考え事してた。」



レオンとアイリスがグイッと顔を近づけながら訊いてきて、少し顔が引き攣りながら依頼書の中身を確認する。

え~と、何々……”赤鎧蟻の討伐”か”お手伝い”か…半金貨1枚銀貨4枚と銀貨8枚か。


赤鎧蟻はその名の通り赤くて滅茶苦茶硬い巨大な蟻で、剣士の相手としては辛い相手だ。基本は魔法か鈍器系の武器が推奨され、剣で戦うとなると関節部分に上手く斬り裂いていかなければならず、魔法等に比べると圧倒的に時間が掛かる。しかも蟻なだけあって数が多い。


それでも硬くて時間が掛かるくらいで、そこまでは強くない。あと顎の力が強くすばしっこい程度なので、今の俺たちなら1日くらいあれば余裕を持って出来るだろう。



それと、”お手伝い”の方はっと…


「身体が不自由なので、お手伝いさんが欲しい。基本は家事などの力仕事以外を仕事とし、依頼者が女性なので女性又は子供が良いと。」



「そうなの!確かにレオンの持ってきた依頼もいいけど、最近は街の依頼を受けるの減ってるし赤鎧蟻って討伐してもウマみが少ないじゃない?アレの防具とかは軽くて頑丈だからいいけど、ギルバートさんが作ってくれた装備の方が性能は高いし…。


それにこの依頼、ただでさえギルドって男の人多いから受ける人がいなかったのか、依頼掲示延長の印が押されてたから、この依頼者の女の人が可哀想かなって・・・。」



「あー、それなら俺の持ってきた奴はその依頼が終わった後にやるってどうだ?受けてもらえなくて困ってるなら、そっちの方を優先しようぜ!」



「……決まり。」



「なら、そうするか。・・・すいませーん!」



俺は依頼書をジーナさんの受付まで持っていき、詳細を聞く。



「ジーナさん、この依頼を受けようと思ってるんですが、詳細とか分かりますか?」



「ちょっと待ってね~・・・あった。んん~こっちにも依頼書で書かれている内容とほぼ同じね。


依頼者は目と脚が不自由で、車椅子で生活してる女性ね。家族構成とかは分からないけど、この女性は優しくて美人って人気らしいわ。それに、このミラーズ帝国が世界に誇る”学園”の教師をしている方よ。あの学園は優秀な方々を輩出してるだけあって、教師を務めている方も優秀な人達ばかりよ。私としてもこの依頼はオススメね!

この依頼を受けることで何か勉強になるかもしれないから。


どうする?受ける?」



「受けるか?」


俺が訊き返すと全員が頷き返したので、この依頼を受けることに決まった。





---------------------------------------------------------------------------





「ここか…。」


俺たちが来たのは、帝国の中でも結構高級住宅(?)が密集している場所で、貴族とまではいかないが、庶民よりは金持ち位の層が住んでいる所だ。

ふーん。やっぱり有名学園の教師とまでなると給料も良いのかな?

教師はやったことが無いから分からないが。戦争に出た後は農業しかやって無かったからなぁ…。


おっと、ジーナさんに教えてもらった依頼者の家に着いた。



「すいませーん!依頼を受けた者ですが!」


はーい。と声が聞こえ、出てきたのは車椅子に乗った若い女性だった。

目は閉じられていているが、顔は俺たちの方向に向けられて場所が正確に分かっているようだった。

薄い水色の長い髪を一つにゆるく束ね、服装も落ち着いた感じで雰囲気も良い。これは確かに人気は出そうだ。



「初めまして。ギルドから依頼を受けてきたノルンと言います。」


「レオンってんだ!よろしくな美人な姉ちゃん!」


「アイリスって言います。ヨロシクお願いします。」


「……リリィ、です。」



「あらあら、ご丁寧にありがとう。今回の人たちは随分かわいらしいわぁ。私はミーシャ。こちらこそよろしくね。」


そういって微笑むミーシャさんに、珍しくレオンが頬を赤くしていた。



「それで、なにをすればいいんでしょうか…」



「あお、そうね!せっかく来てもらったんだもんね!私教師をしてるんだけどね、来年から教える内容が少し変わってしまったから、教材とかを買いに行かないをいけないんだけど、目が見えないから売ってるモノだと文字が分からないのよ。自分のモノならすぐにわかるんだけどね。だから一人一緒についてきて文字を読んでもらう人が欲しいかな。


あとの三人には、そうねぇ…今はないからお留守番を頼めるかしら?」



「分かりました。それじゃあ誰がついてく?・・・レオン、行くか?」



「うぇっ!?」



「何焦ってんのよ。いくらミーシャさんが綺麗な人だからって”うぇっ”は無いでしょう。失礼よ。」



「……鼻の下、伸びてる。」



「うふふふっ。お世辞でも綺麗って言われると嬉しいわぁ。ありがとうね、レオン君。」



結局ミーシャさんにはレオンと、心配だからという理由でアイリスがついて行くことになった。



「それじゃあ、リリィちゃんにノルン君お留守番お願いね。」



「任せてください。」

「……大丈夫。」





---------------------------------------------------------------------------






ミーシャさんとレオンたちが出発してから、俺とリリィで魔法について話ながら待っていると、扉が開く音と共に誰かが入ってきた気配が届いた。

不審者かもしれないと思い、リリィと共に気配を消していくと、一人の若い男が立っていた。

こちらが声を掛ける前に男から問われた。



「…誰だ?うちに勝手に入り込んでいるのは?」



彼はこの家の、ミーシャさんの関係者なのだろうか?



「ふん。答えないのなら不審者とみなす。」

そういってこちらに敵意を向けてきたので慌てて返す。



「ま、待ってくれ。怪しい者じゃない。依頼で来た冒険者だ。」



「…。ん?お前たちは…」



ん?この声…



「お前たちは、”賢者”の屋敷に居た冒険者か…。」



その言葉を聞いて、思い出した。この人は”黒い兄ちゃん”だ!(レオン命名)



「あ!なんでここに…。」


「……確かに。」



「俺は・・・」

と言いかけたら、今度はミーシャさんたちが帰ってきた。



「ただいまぁ~。あれ?そこにいるのは、ジー君?」



「…おかえり、姉さん。」



「あれ?黒い兄ちゃんだ」

「え?そうなの?」



「ジー君、知り合いだったのね!」



「いや、知り合いというかなんというか…」



・・・わちゃわちゃしてきたな。特にレオンがドンドン突っ込んで話していくから。

それから話が一段落したのが30分も後の話だった。



その後もミーシャさんと話していて気付いた事が、ミーシャさんは話す時しっかりとその相手の顔の方向を見ながら(?)話すのだ。目が見えないのならば多少はずれると思うんだが…

レオンも不思議に思ったのか、ミーシャさんに質問した。…いきなり。



「ミーシャさん。どうして俺たちの場所が正確に分かるんだ?目は…」


「こらっ!レオン!ミーシャさんにいきなり失礼でしょっ!」



「大丈夫よ、アイリスちゃん。私は魔力を自分の身体から周囲に打ち出して、反射された魔力で周囲を把握してるの。

…私は教師をやってるって言ったよね?昔、自分の生徒たちに魔法を教えていた時に一人の生徒の魔法が暴走しちゃって、爆発しちゃった魔法に巻き込まれて目と脚が、ね。」


少し重い雰囲気になってしまい、レオンが謝ろうとした時に重ねるようにミーシャさんが話題を変えるように質問してきた。



「あ、えっとぉ、そうだ!レオン君、アイリスちゃん、ノルン君にリリィちゃんも、帝国の出身じゃあないんだよね?」



「えぇ、そうですけど…?」



「ならさ、次の学園の入試やってみない?君たちなら入学できると思うんだけど。どう?いきなりこんな事言われたら混乱するのは分かってるんだけど、ね?」



若干身を乗り出しながら訊いてくるミーシャさんに、俺たちは顔を見合わせるのだった。

そして、この言葉によって俺たちの人生にまた一つの道が出来た瞬間でもあった。



あ、ジー君の名前はジークロットです。

賢者の屋敷で名前を捨てたと言ってましたが、名前はあります。仕事上言っただけですので。

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