閑話:魔物調査2
短いですがどうぞ!
僕は睨み合ってる地竜に歩み寄っていった
いきなり現れた僕に、地竜共は唸り声を上げて威嚇してくるが、無視して警告を告げる。
「今すぐに森から出ていけば、見逃してあげる。
それが出来ないのならば、僕の手でお前たちの存在を消す。」
本気の殺気を出しながら言った言葉に、番の2匹は気圧されたように後退ったが、2匹に喧嘩を吹っ掛けていた雄の地竜は
本能の恐怖よりもプライドが勝ったのだろう。僕に向けて攻撃を仕掛けてきた。
「…馬鹿なヤツだ。僕の警告を素直に聞いていれば、生き残って他の雌と子孫を残せたろうに。
だけど、この選択をしたのは君だ。だから僕は容赦はしない。」
そう独り言を呟いている間にも、身体は迎撃の準備をしている。
地竜が様子見に放った前肢での攻撃を、受け流してそのまま先ずは脚の健を切り裂き、一時的に機動力を奪った。
その勢いのまま地竜の死角に入り首を切り落とした。
切り落とされた首が番の地竜の方に転がり、同族の成れの果てを見た2匹は急いで逃げていった。
一応、眷属で何処まで行くか追わせる。後で戻って来られても面倒だから。
「…はぁ。本能に従わないといけない場合もあるのに。
さて、たかがBランクの魔物だけど、素材は無いよりいいから剥ぎ取るか…。」
ゴルドフさんやグアルティネッサたちなら、あの規模のゴブリン共に遅れは取らないだろうけど、念のために眷属に監視させる。
いつでも介入出来るようにしながら、僕は地竜の素材を剥ぎ取りにかかる。
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「…ギルバート殿なら大丈夫だとは思うが、地竜3匹が相手だと少しは手こずる……か?」
儂は頭の中でシミュレーションをしてみるが、生憎ギルバート殿の本気を見たことがない為、どうなるかは分からなかった。
まぁ勝つのは確定しているのだが。
儂の独り言とも取れる発言にグアルティネッサが
「心配するだけ無駄でしょ。それこそ、ギルバートさんは村でトップクラスの実力者なんだし。
魔法ならエリンだし、召喚獣はウォル爺さん。
守りながらの戦闘はゴルドフ、格闘なら私。
だけど、総合力ならやっぱギルバートさんだね。
流石、元Sランク最強の冒険者だね。
私、前に手合わせしてもらったけど、一発も入れさせて貰えなかったわよ。あれには心が折れそうになったわ!」
あははっと笑うグアルティネッサの物言いに周囲の仲間たちも頷いたりしていた。
儂は苦笑しながらも、そろそろゴブリン共が近くなったので気を引き締める。
「…ふむ。まだ王が率いて間もないな。数が少ない。
この程度の数なら我々だけでも十分にいける。
最優先は魔法と弓使いのゴブリンだ。その後に王を狩る。」
其々が自分の狙いを定め機会を伺う
「儂の合図で行くぞ。
……今だっ!」
一斉にゴブリン共の横から奇襲を仕掛け、優先度の高い獲物を殺していく
奇襲を受けて混乱している間に殆どの魔法と弓使いのゴブリンは殺した。
異変に気付いたのか、ゴブリンの王が後方から出てきて怒りの咆哮をあげた。
「まずは、足を止めるぞ!儂は防御に専念する、その間に殺れ!」
儂の指示で左右から剣士が脚の肉を切り落とし、その後に魔法で足下を悪くした。
うまく体重を支えられなくなり、仰向けに倒れる王。
「まだ気を抜くなよ!腕の一撃だけでも致命傷になるからな!」
彼らもベテランであるが、無言で頷き止めを刺すためにグアルティネッサを含め数人が王に寄る
その間、雑魚を寄せ付けないために儂と残りで雑魚狩りをする
王ほどになると生命力が異常に強いため、首を落とすか、動かなくなるまで攻撃をする。
首を落とした方が早いが、硬い筋肉と太い骨で中々切断出来ないことが多いため
普通は後者を選ぶ。
5分にも満たないだろうが、それでもその間攻撃をし続けてやっと王を殺した。
死ぬ寸前の特大の咆哮を上げてからゴブリンの王は力尽きた。
「このまま残りのゴブリンも討伐するぞ!」
「「「「おぉー!」」」」
いつの間にかギルバート殿も加わり殲滅スピード加速し、みるみる内に雑魚狩りを終えた。
「……ふぅ。これでどうにかなったな。
ギルバート殿も地竜の相手ご苦労様でした。どうなりましたかな?」
「1匹を殺して、2匹は逃げました。」
「逃がしたんですか?」
「えぇ。実力差の理解る地竜だったので、もう戻っては来ないでしょう。
態々追い掛けて殺すのも面倒ですしね。」
「そうですか。ギルバート殿が言うならもう来ないのでしょう。
よし、剥ぎ取れる素材を剥ぎ取ったら、即刻この場を離れるぞ!血の匂いに誘われて襲われたら余計に疲れるからな」
「使える素材が有れば後で僕が買い取りますよ。」
其々が頷きながら作業に移っていき、迅速に安全な場所まで移動し夜を過ごした。
地竜は単体でB~Aランクです。
ゴブリンキングは単体C以上B以下ですが、部下が大量に居るのが殆どなので集団としたらAランクです。