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来世は異世界で  作者: 三日月
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閑話:眷属(イヌモドキ)の気持ちッ♪


本当にただの無駄話です笑

もしもギルの作った眷属に自我があったら!みたいな。



わたしは、高貴で崇高な御主人ギルバート様の忠実なしもべである。

名はない。が、御主人ギルバート様の僕として存在できることが何よりの幸せ!!



そんなわたしは、最近、御主人様の命によりご子息様の走り込みに付き合っております。なにせ、わたしには戦闘能力など皆無と言っていいほど。わたしの真価は、偵察や捜索・伝令で発揮されるのです。



それに脚の速さには少々自信がございまして、正直に申しますと

初日のご子息様の足の速さ程度では到底わたしから逃げ切ることなどできないのですが、御主人様からの命令は”体力づくりをするための走り込みとしての速さを維持すること”と仰せつかっております故、その命令を忠実にこなします。



それに隙をみては軽い襲撃をしてもよいとも命令がありましたので、ご子息様に高貴で崇高なるご主人様の子としての自覚をもってもらうべく、わたしは心を厳しく持ちご子息様の訓練に付き合っていきたいと思います!



初日の訓練では、御子息様は大変お疲れのご様子で大の字になっておりました。そんなご様子にわたしは心を痛めましたが、ここで甘さを見せてしまってはこれからの訓練に支障をきたすかもしれないと思い

精一杯の演技でご子息様に向いて、落胆の溜息をついてから帰還いたしました。




--------------------------------



その日からというもの、ご子息様の目にはわたしへの苛立ちや怒りといった感情を浮かべる時がありながらも、わたしの襲撃(肉球パンチ)を必死にかわしたり時には反撃に出ることもしばしばございます。

・・・いくら自分からこうなるように仕向けたことといえども、嫌われているという事実は少し寂しい気持ちにかられますが、ご子息様が御主人様のように成長するために必要なこととあらばわたしは喜んでこの身を捧げましょう。




そんなある日のことです。いつものようにご子息様のことを追い回し・襲撃をしボロボロにして、訓練終了の時間となった時です。

最初の頃よりもお疲れで倒れてる時間が短くなってきて、わたしがご子息様の成長を内心喜んでいると


”いつもありがとう。まだお前の攻撃をかわせないこともあるけど、これからも俺の訓練に付き合ってくれ”


と、わたしを見ながら笑って仰ってくださったのです!!

そういえば最近のご子息様の目には当初の怒りの感情はなくなっておりました。

わたしは歓喜に震えながら一声鳴いて、帰還しました。



それからというもの、わたしとご子息様はより一層訓練に気合いを入れ励んでおります。

現在ではわたしの動きを先読みをなされ反撃に転じてこられたり、隙を見せたフリでわたしの攻撃を誘ってこられたりと、目に見えてご成長されております。



わたしも負けていられないと、日夜ご子息様と一緒のつもりで励んでおります。

ご子息様の現在の目標は、わたしめに一撃を入れること。

わたしめの目標は、ご子息様を立派に育て上げることです。



いつか御子息ノルン様が御主人ギルバート様のようになられるのを幻視しながら


わたしは今日も走ります。






--------------------------------






「くそっ。今日も当てられなかった・・・今度こそ当ててやるからな!明日もヨロシクな!」


「ワンっ!!」





挑発はわざとでした。

意外といい関係を作れてますね。

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