市街地戦!2
二週間後。
俺達は富士山の麓にいた。
「よーし、お前らよく聞け。これから荷物を施設に置いてこい」
中田先生が話す。
「涼香の荷物、人一倍大きいよな雅人」
「おい、聞こえるぞ。しばかれたいのか?」
「うるさいわね!聞こえてるわよ!」
俺と落合は肩をすくめた。
「ミーティングをするぞ。今日は実弾射撃の訓練だ。各自装備の点検をしておけ。明日はバトラーシステムを使った模擬戦闘をする。相手は他校の安隊だ。わかったな」
「「「「はい」」」」
俺はいつもつかっているACRの他にナイツアーマメント社製M110 SASSの準備をする。
「柊、お前本当にデザートイーグル使うのか?」
「もちろん…訓練だから使えるものはすべて使う…」
「俺、デザートイーグルを撃たせてもらったことがあるんだが。いや、正確には撃ってないんだがな」
「…なぜ?」
「まあ、その、俺の前に撃ったやつが反動を上手く逃がせずに顔にぶつけていたのを見て撃つ気にならなかったんだ…」
俺はポリポリ頭をかいた。
「…何度も撃っているから慣れた」
絶対ヤバい、こいつ…。
マガジンをマグポーチにつめているときに片木がやってきた。
「おい瑞樹!実弾射撃楽しみだな!」
「お、おう…銃の整備はしたよな?」
「もちろんだ!やっぱりMININIは最高だぜ!」
片木が俺に見せようとしたときだった。
ダン!
発砲しやがった…
「うお、あぶねぇ!撃たないときはトリガーに指をかけるな!セーフティを入れろ!まだ装填するなバカ野郎!基本中の基本だぞ!」
「すぐに撃てないじゃないか」
「座学からやり直せ!」
そのあと中田先生に叱られていた…
射撃場に全員集合した。各員点呼が終了したあと教官が解説をはじめた。
「これからライフルで50m先のターゲットに射撃をする。スナイパーライフルの場合は100mだ。二丁とも100発必ず射撃すること」
教官はさらに続けた。
「ハンドガンは10mのターゲットだ。これはまず両手で射撃。つぎに右手だけで。最後に左手だけで射撃すること」
ハンドガンの射撃訓練。これはデルタフォースと同様のものであった。
初めはACRを撃つことにした。
「セーフティー確認…よし。チャンバーチェック…よし。マガジン挿入…タップ…よし」
安全のため、セレクターがセーフティーに入っているか確認をしてから装填をすることになっている。
「ロード…よし。」カシャン
装填をする。
ボルトハンドルを少し引き、プレスチェックをする。
「掛工01射撃します!」
大声で宣言する。宣言しないと射撃ができない。
「了解した。射撃を開始しろ。」
M2ドットサイトを覗く。
「やっぱドットサイトのほうが見やすいな」
姿勢はスタンディング。セレクターはセミオート。ドットをターゲットに合わせ、トリガーを引く。
バン!
リコイルがストックを伝い、肩でリコイルを感じる。
三十発を撃ちきると同時に、
「リロード!」
リロードだ。マグポーチから新しいマガジンを抜き、同時にマグキャッチを押す。空マグが抜け落ちる。そこに新しいマガジンを挿入し、マガジン底面を叩く。ボルトハンドルを引く。
「OK!」
そしてまた撃ち始める。
これを五回繰り返し、マガジン六本分の弾薬を消費する。
180発撃ったからM110に変えようかと思っていたそのときだった。
パァーン!
物凄い音が響く。音のした方向を見ると白煙を出しているライフルがあった。K11だ。韓国製アサルトライフルで5.56㎜ライフルのほかにレーザー照準器、20㎜グレネードを持つ複合ライフルが落ちていた。だがレシーバーから先が無い。おそらく20㎜グレネードが砲身内で破裂したのだろう。幸いに射手には大きな怪我は無いようだ。
「こちら掛工01、教官に連絡。射撃中のK11が破損。射手には怪我は無い模様」
一応無線で教官に伝えておく。
M110をガンラックから取り出し、ACRと取り替えた。そして長距離の射撃場に入る。やはり皆さまざまなライフルを持っている。SVDからM14、はたまた旧日本軍の九七式狙撃銃まで…
案外安隊の所持する銃は自由なのだ。落合はG18Cを使用しているし、宮崎なんて南部14年式を使っている。
俺のM110のマガジンは一つに20発入る。マガジン五本を撃ちきればちょうど100発。
地面にマットを敷く。マットの上に寝そべり、プローンの体制に。
装填方法はほぼ同じだ。
二脚を立ててマガジンを挿入。チャージングハンドルを引く。
スコープを覗き、標的をレクティルに合わせる。ゼロインはすでにしてある。
トリガーを引く。
パスン!
サプレッサーを取り付けてあるから銃声は小さい。
弾はマンターゲットの頭に吸い込まれる。
「よし」
俺は呟く。
次は縦と横の線がクロスしているところを狙う。風の流れを読んで少し動かす。
パスン!
少しズレてしまった。
「しょうがな…くないな」
そこに雅人がやってきた。
「瑞樹、調子はどうだ?」
「まずまず、といったところかな。そういうお前はどうなんだ?普段使わないFA-MASなんて引っ張り出してきて。使いにくくてはやめに切り上げたんだろ?」
「…」
図星のようだ。
「だってよう、セレクターの切り替えはしにくいし、ホロサイトとブースターは近すぎて覗きにくいし…」
雅人はしょんぼりした顔でいう。
「これからはAR160メインでいくよ…」
雅人が可哀想に思えてきた。
「まあ、頑張れよ」




