市街地戦!
あの立てこもり事件から一週間がたった。
「落合、あの事件から同様の事件は一週間以内にどのくらい発生した?」
「先週のやつだけ。もっとも韓国では何件も起こっているらしいけど」
朝鮮の情勢は日に日に悪化している。国連軍はすでに撤退。孤立無援の韓国軍は釜山まで追い込まれているらしい。
「難民が沢山流れついているらしいな。警察、海上保安庁、海上自衛隊は厳戒態勢を敷いているのは安隊ネットワークで知らされている」
「もうどうしようもないな」
三日後、韓国は日本に逃亡した一部を除いて降伏した。
「中田先生!質問!」
「なんだ?片木」
「今回の召集内容はなんですか?!」
「…」
「話聞いとけよ…朝鮮有事による治安悪化の可能性があるって話だ。でしょ?先生!」
「お、おう…。まあそういうこった。それと、再来週の土日に東富士演習場での射撃訓練についての連絡だ」
苦笑いしながら先生は続けた。
「市街地訓練場で訓練をすることになったぞ」
市街地訓練場とは総工費25億円、東富士演習場内に造られた市街地戦をできる演習場である。中隊規模で訓練できる施設はここだけである。
「そこで訓練できるのか?!」
「静かにしろ、片木」
俺は注意する。
「まあ、持ち物はお前らの銃と着替え。あとはお前らが必要と思ったものな」
訓練まであと二週間。




