心の在処part2
魔方陣の光に包まれた俺達は
赤峰さんのいる公園に来た
人気がまったくない静かな夜の公園
みると奥のベンチで彼女が泣いていた
近づこうとしたその時
バリバリッとなにかにぶつかった。
「なんなんだ、これは?」
赤い障壁のようなものに
赤峰さんは囲まれていた。
リリーは何かに気づいたかのように
十字架を手にとった
「伊吹、嫌な予感が的中したぞっ!」
すると空から大鎌が落ちて地面に
突き刺さると同時に黒い霧にのった
女の子がおりてきた。
「な、なんだよこれは!
いきなりあぶねーじゃんか!」
すると黒髪で赤瞳の女の子は笑いながら
「人間ごときが、命があるだけよいでわないか」
いきなりの事態に驚いた俺は
「リリー!こいつは誰なんだ....」
リリーは十字架を彼女にむけて
苦笑いを浮かべていた
「伊吹や、こいつは死神じゃ
それも私を裏切った1人」
黒髪の死神は笑い始めた
「裏切っただなんて人聞きの悪い
あれは事故ですのよ。」
リリーは怒っていた
状況が壊れそうだったので
俺は黒髪の死神に話題を切り替えた
「お前は何故赤峰さんを
こんな障壁で囲っているんだ!」
黒髪の死神は不思議そうな
顔をしながら大鎌を手にとりはじめた
「この赤峰という娘は死を望んでいる
だから手を貸そうとしていたのですわよ?」
死を望んでいる....なんで
彼女の心にはどんだけの闇で
染まっているんだ。
「赤峰さんは人の心に
ふれるのが恐いだけなんだ!
例えどんな人生を歩んできて
死にたいと願っていても
彼女にはこれからを生きる資格は
まだあるんだ!!」
黒髪の死神は笑い始めた
「ならお主はこの娘を救えるのか
彼女は死の匂いがする。
そんな心の壊れた人間をどうするの?」
たしかに自分には彼女の
人生を変える力も権利もない
でも救いたかった。
「彼女を心の闇から救い出す
だから消えろ」
伊吹の目が赤く染まった
黒髪の死神は笑っている
「クックック、面白いですわ契約者でしたの
良かったですわねリリー。
こんな素敵な契約者ができまして」
リリーは誇らしげな顔をした
「伊吹は私の自慢の契約者じゃ
償いの証を5つ集めて罰から解放されてみせるぞ」
黒髪の死神は大鎌をむけてきた
「私も仕事をしなきゃならない
死を望んでいる人の力になる。
だから邪魔はさせないですわよ」
大鎌を大きく横に振り払ってきた
俺は間一髪でそれをよけ
リリーの隣にならんだ。
「リリーどうする?
あいつやばそうだぞ。」
「やつは死を招く者アーチエ・フィリス
いくら契約者のお前でもあの大鎌を
くらったら流石にヤバいぞ」
「ならどうすんだよ!」
「私がやつと戦うその隙に
赤峰さんを助けるのじゃ」
リリーが十字架を赤い障壁にむけ
魔方陣が表れ障壁の一部が消えた
「伊吹!今のうちに早く行くのじゃ」
俺はがむしゃらに走り
フィリスの攻撃をよけ障壁の中に飛び込んだ
「しまった、外してしまいましたわ
まあ仕方ないですわ、貴女の
相手をいたしましょうリリス」
「お前なんかこの十字架で十分じゃ」
障壁の中に飛び込んだ俺は
赤峰さんの座っている所にいった
「赤峰さん、大丈夫ですか?」
赤峰さんは涙をふき
俺のほうを見て驚いている
「伊吹くん!?何でこんな所にいるの?
ごめんね、何か今の私ダメなんだ」
悲しそうな顔を浮かべる赤峰さん
赤峰の隣に座り、手を握った
すると彼女は泣きはじめた。
「赤峰さん、無理しないでください
生きる事を諦めないでください。
俺は赤峰さんをよくはまだ
知らないですが、死んでいいことは
何もないんですよ」
「伊吹くんにはわからないよ
私の抱えてる物の辛さが....
生まれてこなきゃ良かった」
泣いてる赤峰さんの心に
触れすぎてはいけない気がした
悪い過去を思いださせてしまうから
「悲しみも、辛さも、
この世界からなくなれば
みんなが笑顔でいれると俺は思います。
でも悲しみや辛さを乗り越えるから
人は強くなれるんです。
だから今を生きるために
自分のペースで頑張りましょ!」
赤峰さんは涙目をしながら
「伊吹くん、私は両親失ってから
自由がなくなったの知らない親族に
引き取られて辛い生活をおくり。
学校ではこの間みたいな事あれ
以上の事が毎日。心休めれないの。
自分は独りぼっちなんだって
思い初めて辛くて悲しくて....」
彼女の目は助けを求めてた、
赤峰さんの手をにぎり微笑んだ
「これからの人生を作るのは
赤峰さんですよ、幸せになるために
お互い頑張ろ?心の居場所がないなら
作りましょ?俺だっているじゃないですか。
だから死にたいなんて思わないでください」
赤峰さんの頬を涙が一滴ながれた
「なら私と友達になってくれますか?」
彼女の傷は大きいかも知れない
でも死を選んでも何も変わらないし
未来すらもなくなるだから....
「俺でよければ、喜んで」
っと微笑んで答えた。
すると赤い障壁が崩れ落ち
俺の手の中に光が満ち形が生まれた
銀色に輝く天秤。
フィリスがこっちをみて
「あの伊吹とやら、ほんとに
助けてしまいましたのね。
私の仕事はここまでのようね
リリス貴方との勝負はここまでね」
「どこへ行くのじゃ!
お前だけは許さぬぞ!フィリス!」
フィリスの周りを黒い霧が包みこみはじめた
「また会えますわよ、きっと...」
その場所から霧と一緒に姿を消した。
「フィリスのやつめ、次こそは....」
リリスは伊吹のほうにいき
頭を撫で、銀色の天秤をみつめた
「伊吹や、よくやったぞ
そいつは償いの証の1つ
生と死をはかる天秤ラビス
生きること、死ぬことの重さを計り
わからせるための天秤じゃ」
俺は人を助けることができた
胸の奥に暖かさを感じた
「さあ伊吹帰るぞ!林檎飴が
食べたくなったのじゃ!」
ご機嫌そうなリリスをみて
何か笑顔になっていた
「赤峰さん、今日から友達です
気軽に連絡ください、明日からは学校でも
よろしくお願いしますね」
赤峰さんも笑顔になり
「うんっ、ありがとう
伊吹くんよろしくね!」
「では気を付けて帰ってくださいね
それではまた。」
お互いに手を振りあい。その場を去った
俺とリリスは教会に戻り
銀色の天秤を祭壇においた
「残るはあと4つじゃ
伊吹や、よろしく頼むぞ」
林檎飴を食べながら
嬉しそうに足をバタバタさせながら
祭壇に座っている。
「わかりましたよ。一緒に頑張りましょ!」
っとその日は終わりを迎えた。