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契約者

静かな夜に、街中の灯りが

チカチカと点滅する夜道を

独りで歩いてる俺の名前は


夜風伊吹(よかぜいぶき)


両親は先に他界してしまい

今は妹と2人で暮らしてる

普通の高校3年生....だった....


あんなことがなければ。



それは2年前の冬


俺の住んでる街

夜光(やこう)には噂があった



「死神に命を助けられる教会」



死神とは人の命を奪う存在だし

正直わけがわからなかった

それで俺は興味半分で

その教会に行ってみることにした。


街外れの森を少し歩くと

それは存在した。


「何もないんだ、所詮は噂だろ」


っと独りでつぶやき

恐る恐る扉に手をかけた


ギギギッ、ガタンッ


ドアを開けると

想像より全然綺麗な

ごくごく普通の教会だった


心の中が安堵に変わった

誰もいないし、何もない


「噂なんてものは所詮噂でしかないよな」


っと笑いながら

とりあえず歩き疲れたことだし

椅子に座ることにした。


時計をみると深夜2時00分


「もうこんな時間なんだ

寒いしもう少ししたら帰ろ」

っと白い吐息が吐きでる。


その時


ゴーン、ゴーンっと教会の鐘が鳴る


「うわっ!ビックリした....」


すると教会の祭壇に

真っ黒な靄が表れた

驚きのあまり声を失う


すると、その靄から声がした


「死を望むか?それとも生きる事を望むか?」


いきなりの事に驚いたが

冷静になってこう答えた。


「生きたいに決まってる、

お前は死神なのか?」


すると黒い靄が


「生きたいのにわらわの所に来るとわの

わしは死神じゃ。人の命を奪う」


やはり信じれなかった

死神が存在すること自体が


「死神なんて架空の生き物だろ

存在するわけがない。姿をみせろ!」


黒い靄をみていると

そこに魔方陣のようなものが表れた。


「仕方のないやつじゃ。

死神の姿をみたいとは笑える」


魔方陣からでてきたのは


銀髪に真っ赤な瞳

黒いドレスに背中には.....十字架?

小柄で可愛い女の子がでてきた。


「クックック、わらわの姿をみたこと

後悔するがよいっ!貴様の命もらうぞ。」


あまりの美しさに動揺してた

俺は正気に戻った


「命をもらうだと、

お前なんかにやるかばーか。」


っと笑いながら言う。

それに機嫌を悪くしたのか

頬を真っ赤にして睨んできた


「バカとはなんじゃ。

絶対殺す。絶対殺す。絶対殺すー!」


可愛い女の子が物騒な事を

言っているが俺は気にもしなかった


「てか死神の癖に何で十字架を

背負ってるんだよ!普通は大鎌とかだろ」



すると銀髪の女の子が静かになり


「わしだって嫌なんじゃ....」


小さな声で何かを呟いている


「おーい!聞こえないぞ」と笑いながら言う


顔を真っ赤にしながら死神は


「恥ずかしいんじゃボケー

どうせ似合わんよ....けど仕方ないんじゃ」


「仕方ないだなんて、理由があるのか?」


大人しくなった銀髪の死神は


「わしは罪を犯したのじゃ

死ぬ未来が見えない人間を

殺してしまったのだ。」


悲しい目をした彼女を

俺は見ていることしかできなかった。


「すまぬな。いきなり変な事を言って

お主からは死の匂いがしない

だから生きるのじゃぞ」


っと言いながら死神は悲しげに笑う


「それじゃ、わしは行くぞ」


魔方陣が表れた、彼女は帰ろうとしてる

何故か寂しい気持ちになった

彼女の心は傷つき、手は汚れてしまった

望まない運命の鎖に縛られた彼女を

見捨てる事はできなかった。


「待ってよ!行くな!

俺がお前の傍にいて、力になるから」


銀髪の死神は驚いた顔をした


「わしは人の命を奪う存在

だから無力の人間に何ができる」


呆れた顔をしているが何故か

それが喜んでるように感じた


「わからねーよ。けど悲しい顔を

してほしくねーんだよ。

たしかに人を殺してしまった

過去は変わらない....けど

それを償えばいいじゃんか!」


銀髪の死神は涙を流した


「お主はバカじゃな、こんなわしを

見捨てればいいのに。」


すると死神は背負っていた十字架を

俺のほうに向けてきた


「ならば、わしと契約を交わせ

そして人の命を5人救うのじゃ。

そうすれば十字架を背負わずに

わしは生きて生けるのじゃ」


すると契約書があらわれた


「わしの十字架には呪いが

かけられておる。3年の間に

人を救わねばならない。」


俺にはたしかに力はない

ただ救いたかったこの女の子を


「わかった、契約を交わすよ

よろしく頼む!そう言えば名前は?」


銀髪の女の子は笑顔で答えた。


「我が名はダーチェ・リリス

リリーと呼ばれておる、よろしく頼むぞ」


「俺の名前は夜風伊吹

どこにでもいそうな普通の人間

死神ちゃんのために頑張るよ。」



顔を赤くしたリリーは


「死神ちゃんと呼ぶなバカ者!!」



そうして波乱万丈な日々が

始まるのであった。




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