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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
終章 発展
87/89

83話 呼ばせない

「おかえり、ケイ。早かったじゃない。」


「うん。もしかしたら拗れるかも知れないって思ってたんだけど、案外すんなり挨拶できたんだ。よかったよ。本当は昨日戻ってきてたんだけど、雪が凄かったから家で休んでたんだ。はい、お土産。」


持って来た干し肉を渡す。


「ありがと。丁度これからご飯の用意するところなの。ケイはゆっくり休んで。ここまで来るのも大変だったでしょ?」


そう言ってミレイは出て行った。

ミリヤさんと二人っきりになる。ちょっと会話に困るなぁ。


「でも、ケイさんの生まれた所は本当に近くなんですねぇ。3日で戻ってこられるなんて。どの辺りなんです?」


「いえ、本当は凄く遠いところなんですよ。ただ、ちょっと特別な方法があって急ぐことが出来たんです。そこに行く以外には使えないのでみんなには言えないんですけどね。」


「本当にケイさんはいろんな事を知ってるのねぇ。あなたの生まれた所はどんなところなんです?」


「ここと比べるととても不思議な所ですよ。ただ、あんまりいろんな事を教えるとこの村の為に良くないって怒られちゃいました。」


「あら残念。それじゃぁこれからは教えてもらえないんですか?」


「そういう事になっちゃいました。みんなで考えて行く事が大事だから、他所から来た者があれこれやって生活を変えてしまっていい訳が無いって。そう言われて、僕も納得しちゃいましたから。」


「それじゃぁしょうがないのでしょうね。でも、ミレイの事はお願いしてもいいんでしょ?」


「はい。ミレイとの結婚は喜んでもらえましたよ。今度ミレイを連れてきなさいって言われましたので、僕の祖母を紹介しに連れて行きます。子供が生まれてからですけどね。」


「それはよかったわ。反対されて、戻って来てくれなかったら、あの子泣いちゃいますよ。ミレイを泣かせたりしないでくださいね?」


「はい、それはもう!僕もミレイと離れたくないですから。」


「あらまぁ、ご飯を食べる前にごちそうさまだわ。」


「お義母さんうまい!」


「やっとお義母さんて呼んでもらえたわ。これで私にも息子が出来て、それでもう暫くすると孫ができるのね。そうすると私もおばあちゃんと呼ばれるのかしら?」


「ご飯の用意できたよ~。二人とも出てきて~。」


「用意が出来たみたいですよ。行きましょう。」


「そうね、で、おばあちゃんと呼ばれるのかしら?」


「・・・気にします?」


「いえ?孫にならそう呼ばれたいわよ?ただし、あなたは駄目!ミレイにも呼ばせないわよ?」


「は~や~く~!」


「はいはい、今行きますよ。ケイさんも行きましょう。」


本当にミリヤさん元気になりましたね。



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