81話 おあずけです
メールを出す事を思いとどまって眠り、再会の朝が来た。
菓子パンとコーヒーで朝食を済ませて着替え、異世界へ。
皮を着るのは慣れたとはいえ、洋服を着た後だと違和感が酷い。
早く布で服を作りたいものだ。
早速迎えに行こうと扉を開けると大雪が降っている・・・
さて困った。すでに雪は膝上位まで積もっている。
熊の毛皮を重ね着しているとはいえ、これは寒い。歩いて行っては力尽きそうだ。
傾斜があるとはいえ、新雪なためスキーやスノボでは自分ではたどり着けそうも無い。
早く逢いたいが行く手段が無い。
大自然には勝てないか。
ため息をついて諦める。
今日は糸でも作っていよう。
迎えに行けると思っていただけに落胆が酷いが、嘆いていても仕方が無い。
糸を紡ぎながら考え事でもして過ごそう。
向こうの世界にミレイを連れて行ったら、どんな反応をするだろう?
やっぱり固まるくらい驚くだろうか?
それとも面白がるだろうか?
行く時どんな感じになるだろうか?
連れ出すには自分の故郷に連れて行くと言っていけばいい。
ついでに祖母が会いたがっていると言えば問題はないだろう。
着替えはかってあるので服装に問題は無い。
ちゃんと着せれるかは問題あるか?羞恥心さえなければ問題ないだろう。
車に乗る事も問題は無いだろう。走り始めたら質問攻めにあいそうだが。
食事は・・・外食は止めておいたほうがいいな。
文字が読めないし、注文するのにもひと悶着くらいはありそうだ。何かを買って車の中で食べるのが無難か。
宿泊。一番問題になりそうだな。
シングルで泊まったらどうなるか面白そうだが、トラブルを起こすとどうなるか分からないのでツインしかないな。
もしくは車で寝てしまうのもいいかもしれない。寝づらいが。
やはり総帥の所に連れて行く前に慣れておかないと大変だな。
ちょくちょく向こうの部屋に入るくらいはしておくか。
扉の前のカモフラージュを無くしておこう。
これから挨拶に行くまではずっと付いていられるんだ。偶然入ってしまっても構わない。
安定期っていつ頃なんだっけ?