表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
終章 発展
82/89

78話 逃げ切りました・・・か?

「あまり関わりを持たない様にですか?それはまた何故?」


「それは決まっている。わしらは向こうの人間では無いからじゃ。」


「その割には色々と関わった形跡があったのですが。」


「どんなものがあった?」


「まずは食べ物。こちらの物が数多くありました。食べて美味しいと思えるのは、品種改良された物が育っているのだと感じました。 後は動物ですね。知らない物も居ましたが、だからこそ恐竜の様な物が居る中で熊が居たのはおかしいのでは?

極めつけは地形です。 あんな地形は自然に出来たとは思えませんよ。」


「地形は行ってみんと分からんが、食べ物に関しては種を蒔いた覚えはある。ちゃんと育っておったようじゃな。動物じゃが、確かにウサギは連れて行ったが熊は知らんぞ? しかし、どれも直接人に関わった訳では無い。文明を伝える様な事はしないようにしておったという事じゃよ。」


これはまずい。非常にまずい。

まさか皆殺しにしたりはしないと思うが・・・


「それは何故です?」


「文明の発達に問題が出そうだからじゃよ。考える事をしなくても誰かが教えてくれるでは誰も考えんだろう?」


「そうですかね?ある物をより良くしようとする人は何時何処にでも居ると思いますが。」


「ふむ・・・すでに何かしたか?」


「焼き物を少々・・・」


「土器か?教えてしまった物はしかたないが、もうするなよ?文明がいきなり進みすぎるのはまずい。」


「あと布も少々・・・」


「・・・他には?」


「金属もありますが、これは現地で出来ていたものですから。」


「焼き物が無かったのに金属は使っておったのか?」


「使っていたわけでは無いのですが、土を食べて金属を吐き出す者が居りまして。その者は指で加工できておりました。材質まではいじれないようですが。」


「そんな者がおるのか?わしは知らんぞ?」


「では、水の精霊や火の精霊などは?」


「知らんな。そんな者がおるのか?」


「はい。それが倒れておりましたので、救う為にチカラを使いました。継続して使う必要があったため現地の人間にチカラを教えたのですが、そのチカラを使って新たに生み出す者も出ました。何か分かりますか?」


「それは生き物を作り出したという事か?そんな事が出来ると聞いたことも無いぞ?」


「西から伝わった物の改良したチカラです。一度西に聞いてみては?使い魔などがあったと言われている所です、何かあるかも知れません。こちらにも式神などおりますし。」


チカラを伝えたことは有耶無耶にしたいなぁ・・・


「いや、いい。元々居た者について詮索しても仕方なかろう。これ以上は何もするな。その上で観察をしておけ。何かあるかもしれんが、その時の判断は任せる。無闇に干渉し過ぎるなよ?」


「分かりました。」


「今度その嫁と一緒に挨拶に来い。一族として迎え入れる。」


「子が生まれたら連れてきます。それでは失礼します。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ