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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
終章 発展
77/89

73話 覚悟しました

お腹の中に赤ちゃんがいた。

めでたくパパだ。


28年まともに人と関わってきていなかった自分が父親になる。

とりあえずミレイを抱きしめた。抱きついた。


嬉しいのは分かるのだが、頭の中が真っ白だ。ただただ嬉しい。


「ありがとう。」


抱きしめながらミレイに告げる。


「ありがとう。これからもよろしくね。」


ミレイが告げる。


ああ、もちろんだとも。これからずっと一緒だ。生涯守るさ。何があっても。


口には出さず、代わりに口付けで答える。



何があっても?

そういえばあるかもしれないんだったな・・・

その答えを確かめるために帰省しようと思ったんだ。


どうするかな。先に行って確かめてみるか?

それともまだ自由な時間があるのだから、それまでは息を潜めるか?


もう自分だけの事ではなく、ミレイと生まれてくる赤ちゃんの事でもある。

もし逃げ出さなければいけない事態になった時、お腹にいる状態と生まれてきた状態と、どちらが逃げやすい?


先に片付けるか。


生まれるまでミレイには心配など掛けないほうがいいのだが、生まれてから心配掛けるのも似たようなものだ。


先になんとしてでも片付ける。


どんな話が待っているのかは分からないが、どんなことをしてでも落ち着かせる。

ミレイと子供を認めさせる。



「ミレイ、やっぱり一度一人で行くよ。向こうにはお婆ちゃんが居るんだ。生まれてくる前に先に挨拶してくる。それまでミリヤさんの所にいっててもらえるかな?」


「そうね。お母さんの所で大人しくしてるね。どれくらいかかるの?」


「今すぐ行くわけじゃ無いよ。明日ミレイを送っていって、それから出て・・・どうだろ?5日くらいで戻れると思うよ。」


「あれ、意外と近いのね?もっと遠いって思ってた。 でも、2・3日って言って帰って来なかった事あったしね。今度は大丈夫?」


「大丈夫だって、ちゃんと戻ってくるよ。赤ちゃんが生まれて来る時にちゃんと側に居たいしね。」


生まれてくるのはまだずっと先だけどね。



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