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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
終章 発展
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72話 はっぴぃですか?

「ケイの生まれた所に一緒に行けないかもしれない。」


「ん?どうしたんだ?」


ご飯を作っている最中、ミレイの突然の言葉に糸を作る手を休めて顔を上げる。


「あのね、まだね、はっきりとはしてないんだけどね、もしかしたらね、赤ちゃんできたかもしれないの。」


「本当か!? よし! よっしゃ!」


「だから、まだはっきりとは分からないの。ご飯いっぱい食べるようになったし、時々気持ち悪くなるし、でもどこも悪いって感じしないし、チカラを使っても変わらないし。

もしかしたらそうなのかもしれないなって。ケイの生まれた所って、遠いんでしょ?もし赤ちゃんが出来たなら、一緒には行けないかなって。」


「なんだ、違うかもしれないのか・・・そうだな、今出来てるって分かるって事は、初めてでいきなり出来たって計算になっちゃうもんな。いくらなんでもそれは無いか? いや、でももしかしたら・・・」


「早く赤ちゃん欲しいの?」


「え?あ、うん? いや、欲しいけど、こればっかりはどうにもならないからね。出来てたら嬉しいよ。あ、出かけるのは、遠いけど歩いて行く訳じゃないから・・・いや、あんまり驚かしちゃいけないんだっけ?それなら止めておいたほうがいいのか?」


「どうしたの?ちょっと落ち着いてよ。もしかしてすっごく驚いた?」


「いきなりあっちに行ったら見るものすべてが・・・え?なに?どうした?」


「ケイでも混乱するんだね。もしかして初めてじゃない?ケイがこんなに取り乱してるの。」


「あー、そうかもしれない。いや、ミレイが風の悪魔に襲われた時もかなりあわててたよ?」


「そうなの?あの時は私の方が怖くて何も分からなくなってたからね。ケイがあわててても分からなかったよ? 残念。ケイがあわててる所なんて滅多に見られないのにね。」


「赤ちゃんが出来たらいっぱい見られるさ。見たかったら元気に生んでくれよ?」


「だから、まだ出来てるか分からないんだってば!ケイになら分かったりしない?」


「それはわからな・・・一度診てみようか。もしかしたら分かるかも?」


「お願いね。まずはご飯食べましょうか。もう出来てると思うから。」


おなかに別の生命が宿っていれば、意識を通せば何か違うと分かるんじゃないかと思う。


お父さんか。自分が父親か。


実感なんて無いし、出来ているかも分からないが、嬉しいなぁ。

帰省はどうするかな。




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