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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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66話 拗ねちゃいました

「そうだ。ミレイもお風呂入るかい?川で体を洗うより暖かくてさっぱりして気持ち良いよ。」


そういえば、未だにお風呂は伝えていなかった。

実際風呂桶を作るのは大変だという事もあるが、それなりに暖かかったこともあるし川での水浴びで十分だった事もあり後回しにしていた。


自分だけはここに帰ってきて入っていたのだが。

だからこそ余計に伝えるのが後回しになったのだが。


「そうなんですか、でしたら入れてもらえます?」


「ちょっと待ってね、用意するから・・・いや、ミレイにも用意するの見てもらったほうが良いかな。こっちに来て。」


さっきは桶の中で体を洗ってしまったので、水を交換したほうがいい。

そこからやってもらって、村で作るかどうか考えてもらおう。


「そういえば、ミレイはチカラ上達した?」


「はい。火や風は相変わらずですが、飲める位のお水を出す事が出来るようになりましたよ。」


「じゃ、ミレイも旅をしようと思えば出来るんだね。ガズはどうだろ?」


「ガズ君は水を出すのが苦手みたいです。いつも「水なんか川から汲んでくればいいんだ!」って言ってます。火は随分大きなのを出せるようになってるんですけどね。」


「ミリヤさんは?ミレイが教えてるんでしょ?」


「はい。お母さんは・・・なかなか上手くいかないみたいです。でも最近になって怪我の治療は出来そうになってますよ。火とか水とかはまだ駄目なのに不思議です。」


「へー、怪我を治せるようになりそうなんだ。すごいね。」


話している間に用意ができた。後は暖めるだけ。


「さっき僕が入るときはジンに暖めてもらったんだけど、ちょっと僕が温めれるかやってみるね。」


「ジンさんが温めたんですか?ジンさんもチカラが使えるんですね。本当にどこから来たんでしょう。」


ジンにご飯を食べさせた時に入れた意識と同じ様にやれば温まるはず!とやってみたのだが、ジンのようにはいかない。何が違うんだろ?

それなら、温めるなら水の中で火を熾してやろう。と考えたのが間違いだった・・・


「あちち!」


手の中に火を出したら、その周りがすぐに温まり、熱くなり、腕をやけどしそうになった・・・

上手くいかないものだ。


「大丈夫ですか?」


師匠としての面目立たず。心配されてしまった。


「暖かくなるようにお願いすればいいんですよね?」


そう言って手を入れると・・・湯気が立ち始めた。

師匠の面目・・・


「ミレイは本当に何でも出来るね。今度僕に教えてくれない?」


これが陰陽師として法を使えるようになったからなのだろうか。チカラは元は西側の物。東側には扱えない側のものなのだ。


ため息をつきながら言うと、ミレイがあわてていた。


「あわてなくてもいいよ。ミレイがあまりにも凄いから、ちょっと()ねただけだから。ミレイがいろんな事出来るようになってるのは素直に喜んでるんだよ。」


本当にね。自分以上になってくれた方がありがたいくらいなんだから。

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